「デモや練習では勝てるのに、リアルトレードで負けるのは、なぜだ?」と思っているなら、それは、FXで戦うための「心理的に有利なクセ」をもっていないからかもしれません。
今回は、FXで勝っているトレーダーがもっている「価値観」を、あなたも持てるようになるお話です。
スカイダイビングをしたことがありますか?
ところで、あなたはスカイダイビングをしたことがありますか?
「したことないし、あんな怖くて危ないこと、する気もないよ」という答えが返ってきそうですが、私も同感です。
そもそも人間は、高い場所に対して本能的に身の危険を感じるものです。
落ちれば命がないのですから、それは当然の答えです。
しかし高いところが大丈夫な人や、飛び降りることが好きな人も、世の中には一定数いるものです。
勝っているトレーダーは、スカイダイビングができる人と同じ?
FXで勝っている人と負けている人との違いは、いうなれば「価値観の違い」にあります。
現在あなたがFXで負けているなら、その理由のひとつとして「勝っているトレーダーとは異なる価値観」でトレードしてしまっている可能性があるのです。
もし、「勝っているトレーダーは、スカイダイビングを進んでやれる人たちと同じだ」と聞いたら、どう思いますか?
実はFXで勝つためには、あなたがスカイダイビングを出来るようになるのと同じように、今は抵抗を感じているトレード行為を、自然に出来るようになる必要があるのです。
トレード中、こんな感情を感じていませんか?
- エントリーのとき不安や恐怖を感じたり、焦って飛びついたりしていませんか?
- ポジションをホールドしているとき、含み益をすぐに確定したくなって、ドキドキと焦ったりしていませんか?
- ポジションが含み損になって損切りラインに到達したとき、無性に腹が立ったり、ガッカリしたりしていませんか?
これらはどれも「勝っているトレーダーとは異なる価値観」から生まれている感情なのです。
こうした感情が生まれないように、あなたの価値観──「心理的に不利なクセ」を、FXで有利に戦えるような「有利なクセ」へと、じわじわと変えていく必要があります。
心理的に不利な「負けるクセ」を変えていく方法
ではどうすれば、心理的に不利な「負けるクセ」を変えていくことが出来るのでしょうか?
ここからは、その方法についてお話しします。
エントリーやエグジットのときに浮かんでくる感情を記録する
まず、エントリーやエグジットのときに浮かんでくる、怒りや悲しみ、焦り、不安、期待、渇望、絶望、いろいろな感情を記録することから始めます。
下記のページでは、トレード中の心理状態についてデータを交えて解説されています。感情や心理状態と向き合う際の参考になるでしょう。
このとき、好ましくない感情や認めたくない感情があったとしても「こんなの自分じゃないから、見なかったことにする」といって否定しないようにします。
ありのままの自分自身を認めて受け入れること、そこからスタートすることが大切です。
ごまかしても、ごまかしても、自分自身はごまかせないものなのです。
いま、FXで上手く結果を出せていないなら、自分にウソをつかず、その感情を直視する勇気を出してみましょう。
その見返りは大きなものです。
このステップで役に立つ方法として、音声でトレード中の感情を記録する方法を以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
トレード中のストレスや恐怖心については、以下の記事が参考になります。
トレード中の感情を自覚できたら
トレード中の自分の感情を直視することができて、自分のありのままの状態を知ることができたなら、それでもう、変化の重要なステップはクリアしたも同然です。
自分の姿を知って、もしかしたら落ち込んでいるかもしれません。
あるいは「そうだったのか!」と憑き物が落ちたように、気もちが前向きになっているかもしれません。
ともあれ、このように自覚した上で、勝っているトレーダーの価値観を自分に深く納得させていく段階へと進んでいきましょう。
その「勝っているトレーダーの価値観」とは、ズバリ「確率的な思考」です。
確率思考を身につけるために、過去チャートを観察し、検証作業をおこない、練習トレードをくり返すわけです。
「こういう感情だらけの状態ではダメなんだ」と気づけたならば、以前よりもきっと、こうした「FXで勝つための本質的な取り組み」をやれる気もちになっているはずです。
まず、確率的な思考をシンプルに理解するために、以下の記事が役に立つはずです。
クセをなおすつもりで取り組む
「あ、そうか!」と、感情を伴って気づくことが出来て、勝てる価値観に沿った行動を繰り返していけば、徐々にそれまでの価値観=負けるクセが改善していきます。
今回の記事では「価値観=心理的なクセ」といっているように、この取り組みは「クセをなおす」ようなものです。
クセとは、無意識のうちに行動にあらわれるものですから、クセをなおすには、まずクセに気づくこと(意識的になること)が大切ということなのです。
取り組みは少しずつ、何度も繰り返す
では、一度ついてしまった負けるクセをなおすには、どうすればいいでしょうか?
そのために大切なのは「回数」であり、五感を通じて何度も繰り返すことです。
一日のなかで時間を決めて、「こんな簡単なことを繰り返して、意味があるのかな?」と思うくらい、簡単で小さなサイズにして実践し、それを毎日繰り返します。
そうすることで、少しずつ着実に変わっていくことが出来るのです。
具体的には例えば、検証の準備段階としてチャート観察をするならば、1~2年分の1時間足を集中して見続けてみます。
これを一日に何回か繰り返し、さらにそれを何日も繰り返していきます。
他には、デモトレードで決済だけを繰り返し練習することも効果的です。詳しくは、以下の記事を参考にして下さい。
解説記事 デモトレードならではのFXの練習方法とは?練習できる人は勝てる人
こうした取り組みは、負けるクセをなおして確率思考を身につけていく土台となります。
注意点として、一度にいくつものクセを改善しようとしてはいけません。
もし一度にやって思ったようにいかないと、「何をやっても上手くいかない」という悪い習慣を、五感を通じて強化してしまうことになるからです。
勝てる価値観を身につけるために役立つ、具体的な検証方法や練習トレードなどの情報は、以下の記事で紹介していますので、ぜひ活用してください。
勝っているトレーダーも、最初は感情まみれの初心者だった
スカイダイビングが出来る人は、もしかしたら元々特別な脳をもっていて、高い場所に恐怖を感じなかったのかもしれません。
しかし多くの人は、興味や関心があって練習を始めて、結果として飛び降りられるようになった人たちです。
つまり、彼らも最初は初心者だったのであり、「飛び降りられない価値観」をもった人達だったのです。
同じように、いまFXで勝っているトレーダーも最初は初心者でしたし、「勝てない価値観」をもっていたため、それによって苦しんだ時期を経ているものです。
当然、私もその一人ですし、だからこそその価値観──心理的な負けるクセは、自分の力で変えていけるのだということを知っています。
それでも上手くいかないとき~FXに罪悪感を感じていないか?
もし「心理的な負けるクセ」の解消が上手くいかないときは、その背景に「FXをすることへの罪悪感」を感じてしまっている可能性が考えられます。
これは心理学的に「罪悪感ブレーキ」と呼ばれるもので、深層意識レベルで「それは悪いことだ」と思っていると、無意識のうちに成功を邪魔するような行動をとってしまうのです。
言い換えると、今のあなたは口では「FXで成功したい!」と言っていても、あなたの心の奥では「こんなことでお金を稼いではいけない」と思っているということです。
こうした罪悪感をもっている状態だと、いくら小手先で何とかしようとしても改善は困難です。
「FXで稼ぐのはズルくて悪いことだ」──この言葉を聞いて、もし心の中で「ザワッ……」と感じたなら、ぜひ下の記事を読んでその罪悪感を解消して下さい。
負ける価値観を入れ替える方法~まとめ
FXのあらゆる部分において、価値観の違いが勝者と敗者とを分けることになります。
損切りひとつをとっても、勝っているFXトレーダーは無理にガマンしたりしていません。
「そうするべきだから」といって、ガマンして損切りをするのは「損切られ」であり、自分から自発的・能動的に損切りしている状態とは、心理的にまったく異なるものです。
自分を偽ることなく、心からそれを受け入れているか。
スカイダイビングに関心があって、自分から飛び降りる価値観をもっているか。
そのとき「怖い」という感情をごまかしていても、ずっと怖いままですし、怖いと感じているものをムリヤリ好きになろうとしても、それは無理な話です。
そのためには価値観を変えていくこと──新たな習慣を通じた、新たな心理的なクセを身につけていくこと──これが大切です。
FXにおいては、その価値観の軸になるのは確率的な思考ですから、それを身につけるための取り組みを、ぜひ今から始めてください。
それと共に、あなたの心の奥に「FXをすることへの罪悪感」がないかどうか、チェックしてみることをおすすめします。
以上、FXで勝つための心理的な仕組みとは?負ける価値観を入れ替える方法について、お伝えしました。
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