恐怖ストレスと闘争・逃走反応。FXで勝てないのはバカになってるから?

バカになっている FXのメンタル悩み解消法

「FXで勝てないのは、バカになってるからだ」といわれたら、どう思いますか?

「おい、バカにするな!」と怒られそうですが、ちょっとまってください。

決してあなたがバカだといっているのではなく、あくまでも「ある理由で一時的にバカになってしまっている」ということなのです。

そしてこのことが、あなたをFXで勝てなくしている「決定的な要因」のひとつなのです。

今回は、「恐怖」というストレスが起こす「闘争・逃走反応」を取り上げながら、トレード中に「あなたがダメな状態」になってしまう原因とその解決方法について、解説していきます。

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FXが突きつけてくる、「未来は決して分からない」という恐怖・ストレス

よく言われることとして、「未来の値動きは、決して分からない」というものがあります。

理屈では納得できても、実感としてはなかなか理解できないものだと思います。

なぜなら普段の日常生活の上では「未来のことは、だいたい分かるもの」だからです。

明日の天気は大体わかりますし、明日の予定も大体その通りに実行できるものですし、夜に布団に入って朝になれば、またいつもの一日が始まるものです。

だから感覚的に「未来はだいたい分かっているし、今の状態が何となく続くもの」と思って生きているということなのです。

ところがFXでは、一瞬先の未来も分からず、常に値動きに翻弄される立場に立たされます。

上かと思ったら下へ、下かと思ったら上へ、まったくのデタラメで動いているのかと思えば、つぎは一方向へ規則的に動いていったりして、徹底的にこちらの「未来の予想」をゆさぶってきます。

こうしてFXは、「未来のことは、決して分からないのだ」という厳然たる事実を、はっきりと突きつけてくるのです。

恐怖はストレス反応を呼び、「闘争・逃走反応」を生む

そもそも人間は、生き延びるためのリスクに対して、本能的な強い恐怖(ストレス反応)を感じるようにできています。

FXが突きつけてくる「未来がどうなるか分からない状態」も、とても大きなリスクなので、そこに強い恐怖(ストレス反応)を感じてしまうのです。

そして人間は恐怖を感じると、そのリスクから逃れるために「戦うか・逃げるか」の二者択一という、極端な反応をしてしまいます。

これを「闘争・逃走反応」といいます。

この反応は太古の昔、原始人だった人類にとっては、生き延びるために役立つ仕組みでした。目の前に現れた危険な猛獣に対して、あれこれ考えていては襲われて食べられてしまいますから、とにかく行動することが必要だったのです。

しかし、現代に生きるわたしたちにとっては、この「闘争・逃走反応」は、あまりに過剰なものなのです。

なにせ、この「闘争・逃走反応」の仕組みは、猛獣に襲われそうな状況で役に立つようなものですから、日々のなかで感じるちょっとした恐怖(ストレス)でそんな反応をしていては、日常生活が大変なことになってしまいます。

そして実際、FXで感じる恐怖(ストレス)によって、この過剰な「闘争・逃走反応」が起きていて、そのために、トレード判断や行動がおかしなことになってしまっているのです。

関連記事 FXで問題のあるトレードスタイルの解説まとめ

「闘争・逃走反応」があなたに与える影響

FXの恐怖・リスク

FXで恐怖(ストレス)を感じて「闘争・逃走反応」の状態になったら、どんなことになるのか、具体的に見ていきましょう。

以下は、「闘争・逃走反応」になったときに一時的に起こる、体の変化の例です。

「闘争・逃走反応」で一時的に起こる体の変化の例

  • 筋肉に優先的に血液が送られるようになる。
  • 筋肉により多くの血液を送るため、心拍数や呼吸が増えて、血圧も上昇する。
  • 筋肉が、素早く、強く動けるように、緊張状態になる。

これだけを見ると、ひたすら身体能力を高めようとする反応のように見えます。

確かにこうして身体能力を一時的に高めれば、猛獣と戦ったり逃げたりして、生き延びる可能性が高まるのが分かります。

しかし、現代社会では無用ともいえる「過剰な反応」ですし、こうして一時的に身体能力を高めることと引き換えに、ほかの体の機能が一時的に低下したり、やっかいな反応をするようになってしまうのです。

次は、それを見てみましょう。

「闘争・逃走反応」によって一時的に低下する機能と、新たに生じる「やっかいな反応」

  • 胃などの消化器官の働きが阻害されたり停止する。
  • 膀胱がゆるむ。
  • 涙腺と唾液腺の機能が阻害される(口がカラカラになる)。
  • 耳が遠くなる。
  • 視野がせまくなって、周辺のものが見えなくなる。
  • 刺激に対して突発的な行動をしやすくなる。
  • 合理性や熟慮性を失う(IQが下がる)。

いかがでしょうか?

特に最後の二つの項目には、ドキッとしたのではないでしょうか?

自分が「生きるか死ぬか」という場面では、のんびりと考えていてはダメなので、理性をおさえて、ひたすら目の前の刺激に対して反射的に対応しようとするのです。

つまり、一時的にIQを下げて、何も考えずに反射的に行動しようとするわけです。

FXで「闘争・逃走反応(強いストレス状態)」を示しているあなたは、いつものあなたではない

目の前のチャートの動きに反射的に反応してしまい、後になって「なんで、あんなところでエントリーしたんだろう……」とガッカリする。

これは、典型的な「FXあるある」ですが、ここまでの話で、そうなってしまう理由が分かってきたのではないでしょうか?

未来が分からない状態で、自分の大切な資金をリスクにさらす──その重要な判断を迫られるのがFXというものです。

もし、チャートを見ながらハラハラドキドキしているなら、そのときあなたは「闘争・逃走反応」に陥り、一時的にIQが下がっていて、目の前のレートの動きという「刺激」に過剰反応しやすくなっているのです。

つまりそのとき、あなたは「いつものあなた」ではなくなっているのです。

強い言葉でいえば、一時的にバカになってしまっているのです。

そんなお馬鹿さんに、あなたの大切な資金の運用を任せておけますか?

この事実を知るだけでも、FXで生き延びられる確率は高まるはずです。

FXで恐怖(ストレス)を感じて「闘争・逃走反応」に陥ってしまったら?

では、FXで恐怖(ストレス)を感じて「闘争・逃走反応」の状態になってしまったら、どうすればいいのかについて、順を追って説明していきます。

まずは恐怖(ストレス)を自覚することから

まずは、自分がどのくらい恐怖(ストレス)を感じて「闘争・逃走反応」を起こしてしまっているのか、それを自覚することが大切です。

「闘争・逃走反応」が起きているサインは肉体にあらわれますから、それに注目します。

具体的には次のような体調の変化があらわれます。

  • 心拍数が明らかに早まる。
  • 夏でも指先が冷えてくる。
  • 口が乾いてくる。

その他の特徴的な反応として、腰のあたりがフワフワした感じになって、トイレへ行きたいような感じがしたり(膀胱がゆるむ)、ひざの力が抜けたような状態になったりします。

何より、「闘争・逃走反応」の状態になってしまうとIQが下がってしまい、反応している自覚もなくなってきますから、その最中に「理性で気づく」のは至難の技です。ですから「体からのサイン」にだけは、何とかして気づけるようにしてください。

そのために役立つ情報は、以下の記事で解説しています。

解説記事 マインドフルネス瞑想の方法と効果とは?FXのメンタルの悩みを解消する方法

解説記事 マインドフルネス瞑想で注意力を向上させメンタルの悩みを解決する方法

「闘争・逃走反応」に気づいたら、リスクから「逃げる」

エントリーする前に「闘争・逃走反応」に気づくことが出来たら、とにかくイスから立ち上がって、デスクの前から少しでも離れてみてください。

すると、体からのサインがフッと弱まりますから、そうなれば「自分がどれだけ恐怖を感じてマズい状態だったか」が、徐々に実感できるようになってきます。

この体験が、今後あなたがメンタルの取り組みをしていく上での「ひとつの基準」になってきます。

この「自分がどれだけ恐怖によってダメな状態になっていたか」という記憶は、これからの変化や成長を実感していく基準点、つまり「ゼロ地点」となるものです。

「闘争・逃走反応」に陥ったとき、ポジションをもっていたら?

エントリーしてポジションをもっているときに、「闘争・逃走反応」のサインに気づいたら、理想的な対応は「ポジションを決済してしまうこと」です。

含み益だろうが含み損だろうが、とにかく決済してしまいます。

言い方を変えると、「目の前の状況からサッサと逃げて、安全な場所へ避難する」のです。

今のままでトレードを続けても、長期的に勝ち続けることは困難ですし、無理を続けてもストレスによって体調を崩してしまいます。

ただ、この場合「大き過ぎるポジションサイズ」が原因の可能性もありますので、ポジションサイズを半分以下にしてトレードしてみて、同じような反応がでないか確認する──という選択肢もあります。

「闘争・逃走反応」を起こさないようにするには、どうすればいいのか?

穏やかさ・確率思考

では、FXで「闘争・逃走反応」を起こさないようにするには──つまり、チャートの値動きに恐怖(ストレス)を感じないようにするには、どうすればいいのでしょうか?

まずは、自分が「闘争・逃走反応」の状態になったときに、トレードの判断や行動のなかで色々な「体からのサイン」を感じ取ること。これがスタート地点になります。

そして次に、それを出来るだけ感じなくするための取り組みを行っていきます。

そもそも、そこに恐怖を感じるものなど無いはず

ここまでの復習ですが、「闘争・逃走反応」が起きるのは、目の前の状況を「命にかかわるリスクだ」と判断してしまい、それに恐怖(ストレス)を感じるからでした。

しかし、よく考えてみて下さい。

目の前の液晶モニターに映るFXのチャートは、果たして「命にかかわるリスク」なのでしょうか?

チャートはあなたに襲いかかってきませんし、そもそもあなたを攻撃しようなどと思っていません。

でもあなたは、そこに恐怖を感じています。それはなぜでしょうか?

「お金が減る=命のリスク」という錯覚

人間の本能は、原始時代に生き延びるために形作られてきたものですから、「闘争・逃走反応」を筆頭に、現代社会では過剰な反応を呼んでしまいます。

FXのチャートを見ていて恐怖(ストレス)を感じるのは、「未来が分からない」という根源的な恐怖を呼び起こされることと合わせて、「生き延びるための大切な糧(食料)が失われる」という恐怖を呼び起こされるからと考えられます。

こうした、「未来がわからない」「食料が失われる」という本能的な恐怖を消してしまうことは、そもそも人が人である以上、不可能なことです。

ならば対策方法はないのか──というと、そうではないのです。

現代人は、目の前の状況を間違って認識してしまっているため、本来なんのリスクでもない状況に過剰反応しているだけなのです。

ということは、そこにある「誤った認識(=錯覚)」を解消してやることで、FXでの恐怖(ストレス)を和らげたり解消していける可能性があるのです。

確率思考へのパラダイムシフト

では、現代人が無意識にしてしまっている「誤った認識(=錯覚)」を解消するには、どうすればいいのでしょうか?

それは「確率思考」というものを、しっかりと実感をともなった状態で理解して、身につけることです。

確率思考を身につけることで、チャートの値動きのとらえ方が、根本的に変わります。

それまでは、チャートの未来の不確実さに恐怖(ストレス)を感じ、「闘争・逃走反応」を起こしてしまっていました。

しかし確率思考を身につければ、不確かな未来へ向けて、確率的な傾向に則った行動がとれるようになるのです。

あなたの「誤った認識」を解消して、確率思考を身につけるためのトレーニング方法は、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ読んでください。

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闘争・逃走反応~まとめ

人間は、恐怖(強いストレス)を感じると、「戦うか・逃げるか」の二者択一という、極端な反応をしてしまいます。

これを「闘争・逃走反応」といいます。

この「闘争・逃走反応」の状態になってしまうと、筋肉に優先的に血液が送られたり、脳の理性的な判断力を下げたりして、目の前のリスクに対応しようします。

FXをしていて、恐怖(強いストレス)を感じている状態だと、あなたのIQは下がってしまい、この状態だと、本来のチャート分析やエントリー&エグジットの判断をすることは、とても望めなくなります。

そうならないためには、現代人が無意識にしてしまっている「誤った認識(=錯覚)」を解消する取り組みが、とても重要になってきます。

以上、恐怖ストレスと闘争・逃走反応。FXで勝てないのはバカになってるから?について、お伝えしました。

関連記事 FXのメンタル関連用語の意味と解説まとめ

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