『ドローダウン』とは?その意味とトレードでの効果的な使い方

ドローダウン・急降下

あなたは、自分のトレードのドローダウンがどれくらいか、知っていますか? ドキッ!としたなら、この記事を読めばスッキリできます。

こんにちは、FXトレーダーのmonoです。

今回は、ドローダウンについて、その意味とトレードでの効果的な使い方について、詳しくお伝えしていきます。

FXの『ドローダウン』とは?

ドローダウンとは、あなたの証拠金が「過去最大額からどれくらい減っているのか」をあらわした数値です(「目減り率」や「下落率」とも呼ばれます)。

主にシステムトレード(EAによる自動売買)でつかわれる用語ですが、もちろん他のトレードスタイルでも重要な意味があります。ドローダウンは、FXで勝ち続けていくために必須の知識のひとつです。

ドローダウンの説明1

図を見ると分かるように、証拠金の過去最大額から、もっとも落ち込んだ金額までの幅が「ドローダウン」です。

ドローダウンは、一般には金額やパーセントで表します。例えば、100万円の証拠金が80万円に減ってしまったなら、ドローダウンの数値は「20万円」、もしくは「-20%」となります。

ドローダウンには「状態」を表す意味もある

ドローダウンという用語には、状態をあらわす意味もあります。

現在、証拠金が減少し続けている場合、その状態のことを「ドローダウンが継続中」とか、「ドローダウンの時期に入っている」というふうに表現します。

ドローダウンが継続中

その後、FX口座の証拠金が増えて、過去の最大資金額を上回ったら、「ドローダウンを抜けた(脱出した)」と表現し、それまでの期間を「ドローダウン期間」と呼びます。

ドローダウン期間

また、今のドローダウンが、過去にあったドローダウンよりも大きくなっている状態を、「ドローダウンを更新している」といいます。

ドローダウンの更新

FXの「ドローダウン値」の計測方法

ドローダウンの意味が分かったところで、次にその計測方法について解説していきましょう。

ドローダウン計測のタイミング

ドローダウンは、トレードスタイルによって計測するタイミングが変わってきます。

スキャルピングや短めのデイトレードなら、1日のトレードが終わったタイミングで計測をするのが一般的でしょう。

「1日に1回トレードするかどうか」というデイトレードの場合は、週末に計測するか、決済ごとに計測するか、そのどちらかになると思います。

スイングトレードも、決済するたびに計測したり、週末に1回おこなうというのが妥当です。週末におこなう場合は、含み益や含み損を計算に入れるかどうかを、あらかじめ決めておく必要があるので注意してください。

ドローダウンの計測方法

ドローダウンの数値(ドローダウン値)を計るときは、資金の過去最大額からの減少(落ち込み具合)を見ます。

注意点として、そのとき一時的に資金が回復していても、資金の最大額を更新するまでは「ドローダウンが継続している」と判断します。

「直近の資金の最高額」ではないことに注意してください。

下の図のように、証拠金の過去最大額(最高値)から、最も減少したところまでの幅が、ドローダウン値になります。

ドローダウンの計測方法

後ほど詳しく解説していきますが、ドローダウン値は「トレードの健康状態」をチェックする上で、とても重要な数値です。

トレードが上手くいっているかを計る上で最も重要なのは、資金が増え続けているかどうか──つまり「資金の最大額を更新し続けているかどうか」です。

ですから、ドローダウンを見るときに大切なのは、資金の過去最大額からの減少幅です。

最大ドローダウンの計測方法

過去にあった資金の落ち込みは、どれもドローダウンなわけですが、その中でも最も大きかったドローダウンのことを「最大ドローダウン」と呼びます。

最大ドローダウンの説明

これまでのトレードで、最大でどれだけのドローダウンがあったかを把握することは、トレードを続けていく上での大切な指標になります。

最大ドローダウンを知ることで、今の資金の落ち込みが「確率的に起こる当然のもの」なのか、それともトレードが不調に陥ってしまっているのか、それを見極めることが出来るのです。

ドローダウン値から、トレードの特徴や健康状態を読み取る

ドローダウンの情報からは、そのトレードの特徴を知ったり、健康状態を読み取ることができますので、それらについて解説していきます。

最大ドローダウンの大きさ

最大ドローダウンが小さければ小さいほど、FX口座が破産するリスクは低くなりますので、一般的に、できるだけ小さく抑えることが求められます。

最大ドローダウンを小さくするには、ポジションサイズを小さくすることや、トレード手法の優位性を高める(勝率やプロフィットファクターを上げる)ことが必要になります。

プロフィットファクターとは?
期間あたりの総利益と総損失の比率のことです。
例えば、1ヶ月の総利益が100万円、総損失が50万円という場合、プロフィットファクターは、100万円÷50万円=2.0となります。
負けトレードを減らすか、勝ちトレードを増やせば、プロフィットファクターは上昇することになります。

もし、最大ドローダウンが大きい場合は、以下の要因が考えられます

  1. ポジションサイズが大き過ぎて、リスクを取り過ぎている。
  2. トレード手法の優位性が低くて、負けトレードが多くなっている。
  3. ルールの通りに行動できていないため、ルール本来の結果を出せていない。

この後で説明しますが、最大ドローダウンを把握した上で、積極的に利益を追求しているというのでない限りは、この状態のままトレードを続けるのはリスクが高いと考えられます。ポジションサイズを小さくしたり、練習トレードに戻って検証をする必要があるでしょう。

ドローダウンの期間

ドローダウンの期間が短かければ短いほど、安定的に証拠金が増えていきますし、心理的な負担も小さくなります。

もしドローダウンの期間が長引いている場合は、そのトレード手法と相場環境が合っていない時期なのかもしれませんし、ルール通りに行動できていない可能性もあります。

過去のドローダウンの期間と比べてみて、あまりにも長期間に及んでいるなら、トレード手法の問題と心理的な問題とが合わさってしまっていることも考えられます。改めて最近のチャートをつかって検証をやり直してみるなど、改善策をとるべきでしょう。

最大ドローダウンから逆算して、FXで積極的にリスクをとる

積極的にトレードする

最大ドローダウンを利用して、リスクを管理した上で積極的にトレードする方法もあります。

これは、すでに一定期間、トータルで利益を上げ続けているトレーダーに限って可能な方法です。そうでない場合は、将来のための知識として覚えておくだけにしてください。

例えば、現状で最大ドローダウンが-6%だとわかった場合、それは十分に低いリスクでトレード出来ているといえます。

そこで、「-12%だったら受け入れられる」というなら、ポジションサイズを徐々に約2倍まで増やしていってトレードするのです。

そのとき事前に、過去のトレード記録をつかってシミュレーションをするなど、慎重に計算して決めるようにしてください。

これは、今後起こり得るドローダウンを想定した上での計画的な行動ですから、無闇に大きなサイズにするようなトレードとは質が異なります。

また、この「最大ドローダウンから逆算する方法」をつかうことで、限られた証拠金の中でポジションサイズをどこまで大きくするかを決めるとき──つまり、レバレッジをどれくらいまで上げるかを判断するときに、過剰なリスクを避けながら適切に決めることが可能になります。

最大ドローダウンを基準に、あらかじめ備えておく

長期的に考えると、この先のトレードでも最大ドローダウンと同じか、それ以上に資金が落ち込むという可能性が想定されます。

ですから、その前提でポジションサイズを決めて、いずれ訪れるであろう「新たな最大ドローダウン」への備えをしておくことが大切です。

「相場では、何ごとも起こり得る」という格言にもあるように、この先、思わぬ不調や不運にも見舞われるかもしれません。

そこで、最大ドローダウンの2~3倍の損失を抱えても大丈夫なように、あらかじめポジションサイズを調整しておくことで、そうした事態が訪れても生き残ることが出来るようになります。

なんといっても、FXでの勝者とは「生き残った人」のことですから、リスクについては用心し過ぎなくらいで丁度いいものなのです。

『ドローダウン』まとめ

ドローダウンとは、FX口座の資金(証拠金)が、過去の最大額からどれくらい落ち込んだのかを示した数値です。

この数値が小さいほど(証拠金に対する%が小さいほど)、そのトレードは安定した収益を上げていて、リスクが小さく抑えられていると考えられます。

自分のトレードのドローダウンを把握することで、将来どれくらい資金が落ち込むかが想定できるようになり、それが確率的に当然のことなのか、トレードや自分の不調なのかに気づきやすくなります。

最大ドローダウンが大きく更新されたら、それはトレード手法の優位性の問題なのか、自分の行動(トレード判断)がブレてしまっているのか、調べる必要があるというサインだと考えられます。

このように、ドローダウンの数値は、あなたのトレードの健康状態を計るバロメータなのです。

以上、『ドローダウン』その意味とトレードでの便利な使い方|FX用語解説について、お伝えしました。

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