「チャート・罫線(けいせん)」とは?
チャートとは、為替や株の値動き(レートの動き)をグラフで表したもので、日本語では罫線(けいせん)と呼ばれます。
チャートには、ローソク足チャート、ラインチャート、バーチャートなどの種類があり、トレーダーのスタイルによって使い分けられています。
下のチャートは、左から「ローソク足チャート」「ラインチャート」「バーチャート」です。
※クリックすると拡大します。
グラフの縦軸を価格(レート)、横軸を時間としたグラフに、一定の時間間隔で価格をプロット(配置・描画)することで、為替レートの値動きが映像的に把握できるようになります。
現在では当たり前のものとして扱われていますが、昔は取引所で売買されて価格が付くごとに、その価格がボード(文字通り黒板などの掲示板)に書かれて掲示されていました。
そのため当時は、時系列でのレートの変化を知る方法が事実上ありませんでした。
伝説のトレーダー「ジェシー・リバモア」は、取引所でアナウンスされて掲示されるレートをノートに書き込み、その価格の推移を自らの手で追って分析し、取引を行っていたといいます。
そのような時代を経て、その後は「方眼用紙に手書きで終値を記録してグラフにする」という方法が浸透していきます。
コンピュータが普及してからは、現在のように自動化されたチャート(罫線)で相場分析をすることが一般的になっていったのです。
関連用語 ローソク足、ラインチャート、バーチャート、和製テクニカル
「キャンドル・チャート(ローソク足)」とは?
キャンドルチャートとは、ローソク足チャートのことです。
ローソク足チャートは日本が発祥であり、数十年くらい前から、アメリカを中心に海外でもトレードで一般的に利用されるようになってきました。
キャンドルチャート(ローソク足)では始値、高値、安値、終値という4つのレートによって、値動きの変動・変化が視覚的にとても分かりやすく表現されているのが特徴です(プライスアクションが判断しやすい)。
例えば、長いヒゲによる「否定の値動き」は、終値だけを直線でつないだラインチャートでは捉えられないものですし、縦線と小さな横線の組み合わせで構成されるバーチャートよりもずっと明確にプライスアクションを捉えることが可能です。
ローソク足チャートをもとに、ローソク足1本のみや、複数のローソク足の組み合わせから、値動きの傾向を読み取ろうとするテクニカル分析の手法があり、これを「酒田五法」といいます。
関連記事 インジケーターの前に知るべき、ローソク足チャートの情報の見方
関連用語 ローソク足、酒田五法、プライスアクション、チャートパターン
「ラインチャート」とは?
ラインチャートとは、為替取引のテクニカル分析で用いられる「値動きを視覚的に表したチャート」のひとつで、値動きの時間経過がシンプルなラインで表されているのが特徴です。
※クリックすると拡大します。
ラインチャートは、四本値のうち「終値」のみを利用して描画されますので、ローソク足チャートでいうところの「ヒゲ」にあたる高値と安値は反映されないことになります。
「値動きで最も大切なのは終値だ」というコンセプトから、欧米の為替や株式市場では長期トレードを行うトレーダーを中心に、ラインチャートを用いるトレーダーが一定数存在します。
為替レートの一時的な高値と安値という「値動きのノイズ」を取り除くことが出来るので、一歩引いた大きな視点から値動きの推移をシンプルに把握するのに役立つものといえます。
関連用語 罫線(けいせん)
「バーチャート」とは?
バーチャートとは、値動きをグラフ化して表す方法の一つで、ローソク足と同様に「始値、高値、安値、終値」の四本値を用いて表示されます。
欧米ではポピュラーなチャートであり、利用者が多く見られます。
「ティック・チャート」とは?
ティック・チャートとは、値動きの変動があるごとにそのレートが記録されたチャートのことです。
ティック・チャートの縦軸はレート(価格)、横軸は値動きの変動回数を表します。
相場の値動きの変動が生々しく表示されるため、相場の雰囲気やムード、勢い、呼吸といったものを捉えられると考えているトレーダーたちを中心に注目されています。
相場で取引が成立するたびにチャート上にそのレートがプロット(表示)されていきますので、取引が多いと短時間でチャートが次々と描画されていきます。
1本のローソク足が確定するまでには所定の時間経過が必要なローソク足チャートとは、表示形態が大きく異なります。
ティックチャートにおいてもチャートパターンが現れるため、これを利用したトレード手法が存在します。
有名なのは、ボブ・ボルマン氏による「ティックチャートを用いたプライスアクショントレード手法」です。
詳しくは以下の書籍を参考にしてください。
(Kindle版あり)
- 著者:ボブ・ボルマン
- ボブ・ボルマンのもう一冊のプライスアクション本。心構えやメンタル面の解説が充実
「平均足」とは?
平均足とは、チャート(罫線)の一種で、トレンドの状態が把握しやすくなる利点があります。
ローソク足の四本値(始値・終値・高値・安値)の平均値を用いてチャートが表示されることから「平均足」と呼ばれています。
下の平均足チャートは、グリーンのローソク足が陽線、レッドが陰線です。
平均足は次のように計算されます。
- 始値=1本前の足の(始値+終値)÷2
- 終値=現在の足の(始値+高値+安値+終値)÷4
このように計算される結果、平均足の始値は前の平均足の実体の真ん中から始まることになり、常に窓開けのような状態が続きます。
しかし平均足はローソク足チャートとは異なるチャートなので、混同しないようにしましょう。
平均足のメリットとして、同じ方向の足が連続することによる「方向感の把握のしやすさ」が上げられます。
例えば、陽線ばかりが続いていれば値動きの方向感は上昇──という風にシンプルに把握できます。
逆にデメリットとしては、平均足の計算方法の性質上、現在のレートと実際の高安値が分からないという点があります。
平均足は見た目はローソク足チャートのように表示されますが、その実際は異なるため、値動きの把握には注意が必要です。
平均足の利用に際しては、普通のローソク足チャートと併用するのがおすすめです。
関連用語 罫線(けいせん)、ローソク足、ラインチャート、バーチャート
「過去チャート」とは?
過去チャートとは、過去のFX相場の値動きを表したチャートのことで、一般的には、数年~数十年分の過去までさかのぼったチャートを指します。
別名、ヒストリカルデータといい、FX会社ごとに過去チャートのデータを公開していて、一般公開されている、もしくはそのFX会社の口座をもつユーザーが利用することができます。
このヒストリカルデータをMT4などのツールに読み込ませて、検証作業やトレード練習を行うのが、一般的によく見られるケースです。
過去チャートのデータは、基本的に「長期間にわたる1分足データ」のかたちで提供されているので、そのデータをもとに、あらゆる時間軸のチャートを表示させることが可能です。
関連記事 インジケーターの前に知るべき、ローソク足チャートの情報の見方
関連用語 MT4
以上、為替チャートの種類と関連用語の解説まとめ──についてお伝えしました。