FXのメンタル関連用語の意味と解説まとめ

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「メンタル崩壊(メンホー)」とは?

メンタル崩壊とは、思い通りにならないトレードが重なって損失が膨らんだ結果、破れかぶれの感情に襲われてしまい、衝動的かつ復讐的なトレードを行ってしまう心理状態のことです。

インターネットでは「メンホー」というネットスラングとして知られています。

FX取引でよく見られるケースとしては、次のようなものがあります。

  1. 上昇トレンドなので買いエントリーを繰り返したが、ことごとく損切りになった。
  2. 「じゃあ下へ行くんだろう」と思い売りエントリーをしたが、これも損切りになってしまった。
  3. 「ほら、やっぱり上なんだよ」と考え直して再び買いエントリーをしたが、これもまた損切りになった。
  4. ついに感情の糸が切れてしまい、「なんだよ!どっちなんだよ!」と感情的になり、「売ればいいんだろ!売ってやるよ、この野郎!」といって大きなポジションで売りエントリーをした。
  5. そこからついに上昇ブレイクとなって大きな含み損を抱えてしまったが、ふてくされて「もう知らん!」といって塩漬けにして寝てしまった。
  6. その後はマージンコールも無視した末に強制ロスカットされた。

これは後で「メンホーしてしまった……」「なんであんな馬鹿なトレードを……」といって激しく後悔するパターンです。

メンタル崩壊の特徴の一つは、思い通りにいかない相場状況が続く中で、徐々に「自分が相場から攻撃されたり馬鹿にされたりしている」と思い始めてしまうことです。

その結果、最終的には「相場に目にもの見せてやる!」とばかりに、復讐的・報復的な態度で過激なトレードをしてしまいます。

本来、相場自体には何の人格もありませんし、誰に対しても平等に「決して分からない未来」をもたらす存在です。

ですから「感情的にさせられた」「メンタル崩壊させられた」のではなく、「感情的になることを自ら選択してしまったのだ」と謙虚に認めることから始める必要があるでしょう。

FXでメンタル崩壊を避けるためには?

24時間トレードできるFX取引では、株式市場の引け(取引の終了時刻)ように強制的に取引を終わらせる切っ掛けがありませんので、いつでもメンタル崩壊のリスクが潜んでいるといえます。

メンタル崩壊に陥ることを避けるためには、危険な心理状態になり始めた段階で、自らそれに気づけるようになることが必要です。

そのための方法としておすすめしたいのが、科学的にも効果が実証されている「マインドフルネス瞑想」を活用する方法です。

詳しくは下の記事で解説していますので、参考にしてください。

マインドフルネス瞑想の方法と効果とは?FXのメンタルの悩みを解消する方法
FXでの悩みといえば、「ポジポジ病」や「損切りできない病」をはじめとした、「メンタルの悩み」が筆頭にあげられるでしょう。 メンタルの悩みを解決する方法は、すでに色々なところで紹介されています...

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関連用語 悪い癖

「ユーフォリア」とは?

ユーフォリアとは、非常に強い幸福感(多幸感)や超越的満足感を指す言葉で、相場においては「過度に楽観した心理状態」のことです。

ひとたび乗ることが出来たトレンドがそのまま永遠に続いて、莫大な利益をもたらすのではないか──そのように感じられるケースは、典型的なユーフォリアのひとつと言えます。

そのように自分のポジションがもたらすであろう利益に感情的な執着を持ち始めると、逆に含み益が減り始めることに過度の恐怖を感じたり、ユーフォリアが強過ぎるとその事実を受け入れずに「全然大丈夫だ」と感じるなどする可能性があります。

市場参加者全体がユーフォリアに取りつかれてしまうケースがありますが、それがバブル相場と呼ばれるものです。

バブル相場は、集団ユーフォリアともいえる状態であり、客観性や冷静さを欠いた「根拠なき楽観」がさらなる楽観を呼び、相場は過熱感を増していき、青天井の相場を形成していきます。

その最期がどういったものになるかは、歴史上の数々のバブル崩壊が教えてくれています。

ババ抜きのようなチキンレースの様相を呈し始めた相場は、些細な事実をきっかけにしたパニックによって阿鼻叫喚の暴落相場となっていくのがお決まりの末路です。

FXでユーフォリアにならないためには?

ユーフォリアの多くは、上手くいっている状態が続くことが誘因となって生じるため、対策の一つとして、いわゆる「勝って兜の緒を締めよ」という格言がそのまま当てはまります。

また、そもそもユーフォリアに陥るということは、その勝ちトレードによる利益や含み益が身の丈以上に大き過ぎるということでもあります。

ですから、それはリスクを取り過ぎている可能性があるということなので、ポジションサイズを計画的に小さく抑える必要があるといえるでしょう。

トレードとは、確率的な優位性に則って、同じトレードを淡々と繰り返して利益を重ねていくものです(確率思考)。

ユーフォリアになるほどの過剰な喜び(多幸感)は、トレードにおいてはむしろ邪魔ですらあります。

「ポジションを増やせば、もっと利益が増えるのではないか?」という思いは、悪魔のささやきです。

未来が全く分からない相場の世界では、ポジションを増やすということは「同じだけ負ける可能性がある」──つまりリスクが高くなるということですから、損失も増えるのだという事実から目を逸らさないことが大切です。

関連用語 行動ファイナンス理論悪い癖

「ムキになる」とは?

ムキになるとは、為替取引(FX)の負けを取り戻そうとして何度もエントリーを試みたり、一気に大きな利幅を得ようと無謀なポジションサイズでトレードしたりするなど、感情的に加熱した状態に陥って冷静さを失うことです。

為替取引中にムキになってしまうと、プロスペクト理論によって必然的に損失を重ねてしまう結果になり、トレード後に激しい後悔にさいなまれることとなります。

トレード中のこうした心理状態は「メンタル崩壊(メンホー)」とも呼ばれ、FX初心者トレーダーのみならずあらゆる経験層のトレーダーに見られ、ネット上でよく見かけるエピソードの一つとして知られます。

ムキになることの背景には、トレードの結果(負けや失敗)を「相場が自分を攻撃している」と捉えてしまうという傾向が存在しています。

その結果、傷つけられた自尊心を守り回復させようと感情的になって、「相場への攻撃としてのトレード」を重ねてしまうわけです。

こうした行為は、いわば「天に唾する」ようなものであり、結局は自らの首を絞めるだけの結果に終わるといえます。

対策としては、そもそも感情的にならないような仕組み作りをおこなうことが大切です。

「トレードはメンタルの世界」といわれることからも分かるように、いかに冷静さを維持できるか、そのためにどんな準備をするかが問われるのです。

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関連用語 悪い癖

FXで「泣く」とは?

FX取引における「泣く」とは、トレードで損失を出すことや、想定外の値動きに対する悲嘆の気持ちを表した言葉です。

「泣く」の実際の使用例としては──

  • 「泣く泣く損切りをする」
  • 「ダマシのブレイクアウトに泣く」
  • 「ここは泣いておいて次の機会を待つ」

──等があり、これらはポジションが決済されてしまい損失が確定したことや、想定していた値動きにならず損切りを強いられそうな辛さ、悲しさを表しているのが読み取れます。

相場の格言の中にも「泣く」という言葉は散見されます。

  • 『泣く時は泣いて渡れ』
    思惑に反してレートが逆行していったときには、相場の流れに逆らわずに損切りをして、新たな流れ(トレンド)に従うべき。
    想定外に相場が反転してしまった時は、自分だけがトレンド転換に逆らったところで意味がない。
  • 『一両にこだわって 百両に泣く』
    目先の小さな利益や損失にこだわって、大きな相場の動きを無視したり資金管理を疎かにしてしまう結果、いつか大きな損失を出してしまう。
    大きな流れに逆らって含み損を膨らませてしまったりナンピンで対抗したりしても、後から見てみれば、素直に損切りした上で反対方向へのポジションをもっていれば(ドテンすれば)、それなりの利益を手に入れられていたはずというケースは多いもの。
  • 『感謝祭で笑った者はクリスマスに泣く』
    米国シカゴ市場の格言。11月の感謝祭に向けたトレンド相場で上げた利益は、年末の反転で吐き出してしまうという、季節性アノマリー。

どうしようもないトラブルに巻き込まれるような形で、不運な決済に追い込まれてしまうことは起こり得るものです。

その場合は、確率的に避けられなかったのだと受け止めて、次のトレードへと冷静に気持ちを切り替えていくことが望ましいです。

しかしFX初心者の場合は、本来避けられたはずのトラブルに自ら飛び込むような形で「泣くような結果」になりがちです。

そのための簡単で効果的な対策方法は「ポジションサイズを小さくしておくこと」です。

初心者の内は利益を出せないものですし、ビギナーズラックで手に入れた利益は「為替相場からの前借り」と考えてよく、いずれ利子をつけて取り立てられる可能性が高いものです。

心配しなくても、安定的に勝てるようになってからロットを増やしても全然遅くありませんので、自分がFX初心者だという自覚がある内は、ポジションサイズを小さくしておくことを推奨します。

関連用語 損切り

「ぬか喜び」とは?

ぬか喜びとは、一時は豊富にあった含み益が、思わぬ値動きによって消し飛んだり、またはブレイクアウトで上手くエントリー出来たものの、小さな利益で終わってしまうなど、想定した利益が得られず落胆する様子を表した言葉です。

決済ルールが不十分だったり、そもそもルールをもっていない場合は、含み益が出てもそれを上手く実利益に変えられないケースが頻発します。

FXでの「ぬか喜び」の例

仮に、エントリー直後に大きな伸びが生じて、一気に含み益が増えたケースを見てみましょう。

フラッグでのぬか喜び

利益目標到達やトレーリングストップで決済する場合は、黙ってホールドし続けていれば良いのですが、明確な決済ルールがないと延々と判断を迫られ続けることになります。

  • 「まだまだ伸びるんじゃないか?」という期待。
  • 「ここで利益確定した後に伸びたらもったいない」という気もち。

一度は大きく伸びた値動きを目の当たりにした結果、こうした「後悔したくない」という心理状態に陥るため、なかなか決済することが出来なくなります。

そうしている内に、レートはジワジワと反転をし始めます。しかし後悔したくない気もちが強いため、どうしても粘ってしまう傾向が表れ、ポジションをホールドし続けてしまうのです。

その結果、いつの間にか建値付近までレートは下落してしまい、「このトレードで損失だけは出したくない」という気もちから、建値撤退をすることになります。

このときの残念なメンタル状態が「ぬか喜び」です。

このケースではさらに悪いことに、それまでのグズグズした反転がフラッグを形成し、そこから再度ブレイクアウトして上昇していったのです。

これには多くのトレーダーが感情的になってしまうでしょうし、追っかけトレードを始める可能性もあります。

ぬか喜びだけで済めば実害はありませんが、こうした無謀な追っかけトレードに陥ると、必要のない損失を出す可能性が高まってしまいます。

関連用語 決済注文割に合わない

「ルール破り(ルール無視)」とは?

ルール破りとは、為替取引(FXトレード)において、事前に取り決めておいたトレードルール(手法)が存在するにもかかわらず、ルールに従わずに別のトレード行動を取ってしまうことです。

「ルール無視」とも呼ばれます。

ルール破りの悪い習慣をもっていると、ルールを破って勝ちトレードになると自分の判断を誇って有頂天になり、反対に負けて損失を出すと「ルールに従っておけば良かった」と激しく後悔する傾向があります。

またトレード中にも、エントリーや決済をためらいやすくなり、常にトレード判断に迷う状態に陥ってしまいます。

結果として「トレードルールがあってもなくても同じ」という状態になってしまうため、多くのFXトレーダーはトレードルールを有耶無耶にしてルールを用いなくなるか、他のトレード手法へと目移りしていくケース(手法ジプシー)が散見されます。

FXでルール破り(ルール無視)をする理由

FX取引でルール破りをしてしまうのは、そもそも自分のトレードルール(手法)を信じていないということが理由にあげられます。

言い方を替えると、トレードルールよりも「その場の自分の判断」に従う方が良いエントリーや決済が出来ると思っている──ということでもあります。

例えば「今から6時間後の天気」の的中率が93.7%という天気予報があったとして、その予報が「大雨になる」と報じたなら、恐らく素直にカサをもって出掛けるはずです。

しかし、見ず知らずの人から突然「今日は雨が降るよ」と言われても、まず信じようとは思わないでしょう。

自分とトレードルールとの関係がどのようなものかによって、ルール破り(ルール無視)をしてしまうかどうかが決まってきます。

ルール破りをしてしまうということは、自分のルールに対する信頼度が低いわけであり、そこには「自分のトレード手法への理解不足」が存在しています。

具体的には、トレードルールの統計的な傾向を明らかにしていないことが大きな要因です。

統計的な傾向といっても難しく複雑な計算が必要なわけではなく、20~30トレード当たりの勝率や損益率(プロフィットファクター)といった基本的な数値を出しておくだけでも、トレードルールへの信頼度は向上するものです。

FXでは、勝ったり負けたりしながらも「このルールに従っていればトータルで利益は積み上がっていく」という信頼が一定以上あれば、自然とルール破りをしなくなるものなのです。

多くのトレーダーが明確なトレードルール(手法)を持たずに感覚的にFX取引をする中で、従うべきトレードルールがあるということ自体は素晴らしいことです。

であるならば、もう一歩踏み込んでトレードルールへの信頼度を高めていって、トレードルールの本来の力を発揮させながらFXで結果を出していってもらえればと思います。

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関連用語 初心者あるある割に合わない悪い癖コツコツドカンムキになる

「罠につかまる」とは?

罠につかまるとは、為替相場(FX取引)において、いわゆる「ダマシにあうこと」を指す言葉です。

例えば、レンジ相場を形成していた通貨ペアが上へブレイクアウトしたと思い、買いエントリーしたもののまったく伸びずにレートがジリジリと下げ続けた場合、このFXトレーダーは「罠につかまった」と感じるはずです。

買いポジションがむざむざと損切りに追いやられてしまう状況を前にして冷静でいられなくなり、無謀なナンピンや突発的な途転(ドテン)をし始めるFXトレーダーも数多く見られます。

このような状況に陥ってしまった理由はいくつか考えられ、必ずしも明確な罠が存在したわけではありません。

しかしFXトレーダーの心情的に「陥れられた」「はめられた」という感情が生まれやすいため、こうした「罠につかまる」という表現が慣用的に用いられています。

関連用語 ダマシ

以上、FXのメンタル関連用語の意味と解説まとめ──についてお伝えしました。

執筆者プロフィール

fx-monoロゴ名前:mono(モノ)
FX歴13年の為替トレーダー。

FXトレードで収益を上げながらIT系の事業経営もしています。20年以上取り組んできた心理学と脳科学の専門知識(アドラー心理学、NLPなど)を活かして《トレード技術の上達法》を研究し実践してきました。

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