その他のFX相場用語の意味と解説まとめ

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「初心者あるある」とは?

初心者あるあるとは、為替取引(FXトレード)を始めたばかりの初心者FXトレーダーがやってしまいがちな、典型的な失敗例のことです。

具体的には、次のような「FX初心者あるある」があります。

  1. ポジションサイズが資金に対して大き過ぎて、一回の負けトレードで大きな損失を出してしまう。
  2. 損切りの逆指値注文を入れずにトレードして、大きな損切りを余儀なくされる。
  3. 自分が決めた損切りラインに到達しても、自分で損切りができず、含み損を拡大させてしまう。
  4. 5分足でエントリーしたのに、損切りをしたくないために、1時間足や日足に損切りの根拠を求めてホールドし続けてしまう。
  5. 思惑通りに動かなかったポジションを「長期投資に切り替えよう」といって、バイ・アンド・ホールドをし始める。
  6. 感情的に焦ったり、発注ツールに不慣れなため「買い」と「売り」を間違えて注文ボタンを押してしまう。
  7. 様子見すべき場面が分からず、目先の利益を逃したくないとばかり思ってしまい、飛びつきエントリーを何度も繰り返してしまう(ポジポジ病)。
  8. 飛びついたところが最高値になって、一度も含み益になることなく下落していく。
  9. 含み損がどんどん増えていって、怖くなって損切りしたら、そこから反転上昇していって悔しい思いをする。
  10. そもそも、エントリーに何の根拠もないまま、感覚的に(値ごろ感で)トレードしている。
  11. 含み益になると、すぐに利益確定をしてしまう(チキン利食い)。
  12. 経済指標が発表されることを知らないため、リスクの高い時間帯にトレードをしていしまい、突然の急変に慌てふためく。
  13. チャートにあらゆるインジケーターを表示させて、未来を当てようとする。
  14. 負けが続いて資金が減ってきたら、貯金や生活費をつかってトレードを続けようとする。
  15. etc…

他にもいろいろな失敗がありますが、こうしたことは「初心者の洗礼」として、誰もが通る道なのかもしれません。

「FX初心者あるある」を乗り越えるためには?

そんな失敗を経てもFXを続けていくためには、こうした失敗で再起不能にならないような、リスク管理の意識が必要です。

リスク管理といっても、難しいことが必要なのではなく、シンプルに「最初は何をやってもお金が減る」という前提で行動すればいいのです。

この前提に立てば、いきなり大きなポジションサイズでトレードすることに、「待った」をかけられる可能性がありますし、大抵は「小さなポジションサイズにしておいて助かった……」と思う結果になるはずです。

もし、ビギナーズラックで利益が出たなら、それは「未来からの借金」だと思うことです。

いずれ、その借金を返済するときが訪れますし、そのときのためにも、最初は小さなポジションサイズでトレードすることをおすすめします。

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関連用語 悪い癖、ポジポジ病

「ヘッジファンド」とは?

ヘッジファンドとは、多種多様な取引手法を駆使して「相場がどのように変動しようとも利益を上げていくこと」を目的としたファンドのことで、レバレッジを効かせたハイリスク・ハイリターンの運用が特徴です。

「ヘッジ」とは「(リスクを)回避すること」を意味する言葉です。

アメリカで過去、株式相場の下落(株価の値下がり)に対するヘッジが求められた際、空売りやデリバティブ取引を用いて損失を回避するファンドが生まれたことが「ヘッジファンド」の始まりです。

その後ヘッジファンドは、空売りやデリバティブ取引を積極的な運用手法として先鋭化させていき、相場の世界で台頭するようになり、現在では、高度な金融工学による理論(モデル)や高頻度取引(HFT)を駆使するヘッジファンドが数多く存在しています。

外国為替相場では、その取引量の約9割が投機筋といわれており、そのかなりの部分はヘッジファンドによる取引だと考えられています。

ヘッジファンドは私募形式の(限られた人を対象とした)ファンドであるため、一般に開かれたファンドではなく、気軽に資産運用を委ねられる対象ではありません。

私募形式のファンドは一般的なファンド(公募形式=誰でも参加できる)とは違い、監督官庁に届け出る義務が無い上に、投資をおこなう対象や投資手法に規制や制限がありません。

そのため、非常に多額の資金を積極的に運用しているファンドが存在しているものの、その実態は明らかになっていません。

ちなみに近年では、「ヘッジファンドを投資対象としたファンド(投資信託)」という金融商品も登場しており、以前に比べるとヘッジファンドへ投資する敷居は下がってきているといえます。

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関連用語 アジア通貨危機

「投機筋(とうきすじ)」とは?

投機筋とは、短期的なレート変動による価格差から利益(差益)を得ようとする相場参加者のことで、「短期筋」とも呼ばれます。

投機筋のメインは、ヘッジファンドや証券会社などの金融機関のディーラーです。

彼らは差益が得られると見込めれば、あらゆるタイミングで売買を繰り広げます。

ポジションの保有期間は、アルゴリズム取引であれば一瞬、一般的には数日から数ヶ月の範囲とされています。

相場には、実際に外貨が必要で取引を行う「実需筋」よりも、はるかに多くの投機筋が参加しており、その比率は「実需:投機」が2:8とも1:9ともいわれています。

レートの変動(価格変動)があれば差益が得られるチャンスとなるため、ときには投機筋みずから値動きの切っ掛けを生み出すケースも見られます。

これは、閑散相場でのチョッピーな値動きや、大量の損切り注文を執行させるための「売り(買い)仕掛け」という形で目にすることが出来ます。

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関連用語 実需筋、投機プロップファームアジア通貨危機

「ミセス・ワタナベ」とは?

ミセス・ワタナベとは、日本の為替相場(FX取引)の一般投資家のことを指した言葉です。

別名「キモノ・トレーダー(着物トレーダー)」とも呼ばれます。

2000年代半ば頃にあった「日本のFXトレードブーム」において、一般家庭の主婦までもがハイ・リスクなFX取引を行っていたことから、それに驚いた海外メディアが「ミセス・ワタナベ」と名付けたのが由来です。

その当時のドル円の為替相場は円安局面が長く続いていたため、金利差による利益獲得を狙った外貨買い&円売りの取引(円キャリー取引)が広く行われていました。

当時の高金利通貨の豪ドル(オーストラリア・ドル)の買いポジションをもち、豪ドルの金利と為替差益を得るというトレードスタイルです。

当時は、高いレバレッジで豪ドルのポジションをしこたまホールド(保有)し続け、高いスワップポイント(金利)を得ながら、さらに円安のトレンドに乗ることで豪ドル自体の値上がり益も得るという、ある意味で理想的なトレード戦略が実現していました。

その結果、一般家庭の主婦の中には大きな利益を手にした者も現れ、度々ニュースにも取り上げられました。

しかしその後、サブプライムローン問題によって円安局面が終わると、一気に円高が進行した影響から、確固としたトレード戦略を持たない多くのミセス・ワタナベたちのポジションは、大きな損失を被っていくことになったのです。

「リーマンショック」とは?

リーマンショックとは、2008年9月15日、米証券会社大手のリーマン・ブラザーズが連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したことに端を発した、世界的な金融危機のことです。

リーマン・ブラザーズ経営破綻の原因は、低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローンの焦げ付きに伴う信用不安によるもので、負債総額は6000億ドル(約72兆円)を超えました。

2000年代前半からの米国での金融緩和と低金利政策の推進によって、米国内で住宅購入と住宅投資がブームになりました(いわゆる金余り状態による投資熱の発生)。

そのため金融機関による資金貸出競争が激化した結果、返済能力を超えた融資が日常的に行われるようになってしまい、本来であれば住宅購入や投資にそぐわない低所得者や低信用者層にも住宅購入意欲が高まり、そういった層への融資が次第に大きくなっていきました。

2008年時点の米国はこのようなバブル状態になっていたわけですが、それが2008年中頃についに崩壊の時を迎えます。

広範囲に及ぶ資産価値の暴落が発生した結果、冒頭でお伝えしたように、金融企業の中でも特に大きなリスクを取っていたリーマン・ブラザースが経営破綻してしまったのです。

リーマン・ブラザーズは米国屈指の巨大な金融企業であり、これほどの会社を政府が見捨てるはずはない──そういった予想が大勢だったのですが、大方の予想を裏切り政府による救済は行われず経営破綻となったため、市場はパニックに陥りました。

この影響は瞬く間に世界中に広がり、世界中の株式相場に影を落とします。

日本でも、破綻前には1万2,000円台だった日経平均株価は、1カ月後には6,000円台にまで下落した結果、実体経済に大きな傷跡を残し、その後4年ほど経済的低迷を続けることになりました。

リーマンショックの為替市場への影響

リーマンショックは当然、為替市場にも強い影響を及ぼしました。

リーマンブラザーズが経営破綻して以降、ユーロドルポンドドルといった通貨ペアを中心に激しい値動きが毎日のように起こり続けました。

ユーロドルが数分で数10ピップス動く状態が、ロンドンタイムとニューヨークタイムの間ずっと続く日も多くあり、まさに異常事態と呼べる相場状況だったのです。

為替レートは乱高下の激しい値動きが継続している状態でしたが、為替市場の相場参加者のセンチメントは総悲観といっていい状況だったため、結果的には大きなトレンドが形成されていました。

そのため、トレンドの大きな流れに従ってポジションをホールドしていたFXトレーダーを中心に、リーマンショックの為替相場で一攫千金を得た者も多く出たと言われています。

関連用語 ブラック・スワン暴騰・暴落アルゴリズム取引

「リーマンショック」参考情報(外部リンク)

参考情報 アメリカ経済と金融勢力について|三井住友信託銀行

「ブルベア指数」とは?

ブルベア指数とは、相場に対して「ブル=強気である」という勢力と、「ベア=弱気である」という勢力とが、どのくらいの割合になっているかを示したものです。

対象者となる約200万人以上の個人投資家に対してセンチメント調査が行われ、ブルベア指数が算出されます。

ブルベア指数は「ブルベア比率」とも呼ばれ、次の2種類があります。

  1. AAII(American Association of Individual Investors)が発表する、インベスター・センチメント。
  2. インベスターズ・インテリジェンス社が発表する、センチメント・インデックス。

注意点として、これらのブルベア指数は発表までに1週間以上の時間差があるため、リアルタイムでの相場分析やトレード判断には使えないということです。

関連記事 『ブル・ベア』とは?その意味と由来。相場のシンボル的キーワード

「ブルベア指数」参考情報(外部リンク)

参考情報 ブルベア比率(ブルベア指数・ブルベアスプレッド)

「ブラック・スワン」とは?

ブラック・スワンとは、「黒い白鳥」を意味しており、「あり得ない、起こり得ないことが実際に起きた」ということを表した言葉です。

確率論や従来の知識や経験からは予測もできない極端で異常な出来事が発生し、それが人々に多大な影響を与えることを指しています。

ブラック・スワンの具体例としては、旧ソ連の崩壊、日本のバブル崩壊、911同時多発テロ、2008年のリーマン・ショックなどが上げられます。

イギリスのEU離脱や、トランプ大統領の当選もブラック・スワンの一種といえるでしょう。

ブラック・スワン現象が起きてしまった際には、文字通り極低確率の出来事が発生したというケースもあります。

しかし見方を変えると、それまでの推測が間違っていたことを示したに過ぎず、実はそれなりに起こり得るものだったという風にも考えられます。

つまり社会が楽観的過ぎた、もしくは一面的にとらえ過ぎていたという側面もあったという訳です。

以上、その他のFX相場用語の意味と解説まとめ──についてお伝えしました。

執筆者プロフィール

fx-monoロゴ名前:mono(モノ)
FX歴13年の為替トレーダー。

FXトレードで収益を上げながらIT系の事業経営もしています。20年以上取り組んできた心理学と脳科学の専門知識(アドラー心理学、NLPなど)を活かして《トレード技術の上達法》を研究し実践してきました。

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