FXの値動き用語の意味と解説まとめ

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「底堅い」値動きとは?

底堅いとは、相場が下がっていきそうに見えながらも、なかなか下がらず、むしろ上昇の可能性を感じさせる状況のことです。

よくあるケースとして、上昇トレンドにおける押し目の状況で下げ渋る場面が、この底堅い状況にあたり、「底堅さがある」と表現されます。

底堅い状況では、さらなる上昇を見込んだ買い勢力による、押し目買いが行われていると考えられます。

上昇トレンドでの調整(押し)で見られる「底堅さ」

※チャートをクリックすると拡大します。

底堅いチャート1

上記のユーロドル15分足チャートでは、よく見ると底堅い部分のサポートライン上に、ヘッドアンドショルダーが形成されそうになっていたことが見て取れます。

中央の高値にあたる部分(ヘッドアンドショルダーの頭の部分)が綺麗に出来上がっていて、サポートライン(ネックライン)をレートが明確に下抜ければ、一旦は下落の値動きの流れが発生していた可能性がありました。

しかし結果は、ネックラインに当たるサポートラインをまったく下抜けることなく、文字通りラインでサポートされながら高値を更新していきました。

底堅いチャート3

上記のユーロドル15分足チャートでは、先程とは異なる底堅さの形が現れているのが分かります。

チャートの下部にある数字は時刻を示していますが、最初の日の22時から始まった強い上昇はその後、調整の値動きを見せて徐々に下落してきました。

次の日の10時過ぎから、狭いレンジを形成して停滞を始めます(底堅さを示した部分)。

停滞が進むに連れてローソク足のヒゲが目立つようになり、最後は長い下ヒゲが連続して出現し、売り勢力の攻勢が激しかったことと、底堅い状況を示して結局は買い勢力が勝利したことを表しています。

下降トレンドで下げ止まる際の「底堅さ」

さて、もう一つのケースとして、下降トレンドが続いていた状況において、反転パターンが現れ始めた状況も、底堅さのある場面です。

下の上記のユーロドル15分足チャートでは、大きな逆三尊逆ヘッドアンドショルダー)のパターンを形成して、反転上昇していったもので、底堅さを感じさせる流れになっています。

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底堅いチャート2

傾向として、底堅い状況では、何度も同じ安値をつけたり、長い下ヒゲが現れたりします。また、安値が徐々に切り上がっていく場合も多く見られます。

関連記事 『ダブルトップ・ダブルボトム』の意味とトレード方法とは?相場心理を読む

関連用語 底、大底、底割れ

「上値」とは?

上値とは、FX相場などにおいて、現在の為替レートよりもさらに高いレートのことを指します。

まだレートが上がる余地のある場合を「上値を残す」といい、そこからさらにレートが上昇して、一段と買いが盛んになる場合を「上値を追う」といいます。

上値を追う相場状況になると、一旦は為替レートが下がってきても直ぐに買い勢力が参入して、底堅い相場展開になったり、ときにはレートの激しい反転が起きてすぐさま高値を更新していくケースもあります。

文字通り、より高い為替レートをトレーダーたちが競って追い掛けているような相場状況です。

また反対に、為替レートが上がりそうで上がらない状況のことを「上値が重い」といいます。

上値が重い状況は、過去の高値圏の近辺などでもみ合ったり、レンジ相場を形成している状況でよく見られます。

上値が重くなっている為替レート近辺では、過去にそのレートよりも高い位置で買いポジションをもったトレーダーが、何とか条件のいいレートで決済(損切り=売り注文)をしようと待ち構えていることもあります。

このような相場状況になってくると、そうした「売りで決済したいトレーダーたち」の売買注文が一通り解消されるまで膠着状態になりやすい傾向も見られます。

なお、上値が重い状況とは、なにか正確な定義があるわけではなく、市場のムードを表現した意味合いが大きいものでもあります。

「頭打ち」の値動きとは?

為替取引(FXトレード)における「頭打ち」とは、上昇基調が続いた相場の勢いが鈍り、為替レートが伸び悩んできた相場状況を指します。

為替相場が大天井に達して、これ以上の上昇が期待できない場合と、保ち合い状態(レンジ相場横ばい)で新たな材料が出ることで、再び上昇基調になる場合があります。

天井になって下落してくるのか、それとも再び上昇し始めるのか、それを事前に察知することは不可能です。

トレード戦略としては、実際の値動きを見極めてからトレードするのがセオリーといえます。

下のチャートは、2012年末に野田政権が倒れて安倍政権が始まった時期から、2016年までの、ドル円の週足チャートです。

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アベノミクス相場による青天井

最初の大きな上昇のあと、一旦、横ばいの状態に入りましたが、これが最初の「頭打ち」です。

そこから反転して下落していくのか、再び上昇するのかは、この時点では誰にもわかりませんので、次の値動きを待つべき状況といえます。

その後、高値を更新して再び大きな上昇をはじめ、それから同じように横ばいを形成し、二度目の「頭打ち」となりました。

今度は、そこを天井として下落を始めていき、2017年に至ります。

「反転」の値動きとは?

反転とは、それまでの為替レートの流れ(方向性)が変化することです。「反転した」「反転上昇」「反転下降」などと使われます。

一般的に反転はトレンド転換のことを指しますが、小さな視点で捉えるなら、目先の小さな反発や反落、またサポートラインやレジスタンスラインに反応して逆行する値動きも「(一時的な)反転」といえます。

またフラクタル構造の視点で見れば、それら目先の小さな反発や反落といったレートの値動きは、さらに小さな時間足のトレンドが転換した結果あらわれたもの──という風にもいえます。

また別の視点で見るならば、それまでのトレンドから逆行する値動きが出た場合、その反転は調整の値動きである可能性があります。

その後は調整が終わって再度トレンド方向へと反転(回帰)していくと見られますが、これは確率的な傾向であり絶対ではありません。

関連用語 反落、トレンド転換、調整反転パターン頭打ち

「反発」の値動きとは?

反発とは、それまで下落・下降していた為替レートが、一転して上昇する様子を指した言葉です。

大きく一気に反発することを「急反発」、小さな反発を「小反発」といいます。

FXでは、上昇していた為替レートが下降した場合も、「反発」とひとまとめにして使うケースが多く見られます(例「上昇していたレートがレジスタンスで反発した」)。

反発したことを「支持された(サポートされた)サイン」として受け取り、買いエントリーを執行するFXトレーダーも多いですが、これには注意が必要です。

その一度の反発をもって「支持された」と判断することに無理はないのか、また、その反発が生じたポイントに「レートが支持される根拠(何らかのチャートポイント)」があるのかどうか、それを見極める必要があります。

以前に反発を見せたレートで再び反発したり(サポートラインの成立)、下の図のように、上位時間軸のサポートラインなどで反発が見られたなら、それは支持されて上昇していく可能性があると判断できます。

レートが反発する図

チャートポイントでの反発やその反復などの根拠が何もない状況での反発は、単なる下降の中の一時の戻り(調整の値動き)である可能性があります。

下降する為替レートに対して安易な買いエントリーを執行するのは、FXにおいてリスクの高いトレード判断だといえるでしょう。

レートの反発の後、ダブルボトムを始めとするチャートパターンを形成するなどして、為替レートが高値と安値を切り上げていったなら、本格的な上昇へと移行したと考えられます。

しかし、支持される根拠のない一度の反発だけでは、レートが上昇していくよりも下降が継続する可能性の方が確率的に大きいと見るのが自然です。

関連用語 反転、トレンド転換

「反落」の値動きとは?

反落とは、それまで上昇していた為替レートが、一転して下落・下降する様子を指した言葉です。

大きく一気に反落することを「急反落」、小さな反落を「小反落」といいます。

FXにおいては、レートが反落したことを「抵抗された(レジスタンスされた)サイン」として受け取り、売りエントリーを執行するFXトレーダーも多いですが、これには注意が必要です。

その一度の反落をもって「抵抗された」と判断することに無理はないのか、また、その反落が生じたチャート上に「レートが抵抗を受ける根拠(何らかのチャートポイント)」があるのかどうか、それを見極める必要があります。

以前に反落を見せたレートで再び反落したり(レジスタンスラインの成立)、下の図のように、上位時間足のレジスタンスラインなどで反落が見られたなら、それは抵抗されて下降していく可能性があると判断できます。

レートの反落する図

上位時間足のチャートポイントでの反落や、同じような為替レートで反復して起きた反落など、こうしたチャート上の根拠が何もない状況での反落は、単なる上昇の中の一時の押し(調整)の値動きである可能性があります。

上昇する為替レートに対して安易な売りエントリーを執行するのは、FXにおいてリスクの高い判断だといえるでしょう。

反落の後、ダブルトップなどのチャートパターンを形成するなどして、レートが高値と安値を切り下げていったなら、本格的な下降へと移行したと考えられます。

しかし、抵抗される根拠のない一度の反落だけでは、下降していくよりも上昇が継続する可能性の方が確率的に大きいと見るのが自然です。

関連用語 反発反転、トレンド転換

「反応」とは?

反応とは、レートが反転する可能性のあるチャートポイントで、実際に反転の値動きを見せることをいいます。

「前回高値で反応した」「1時間足のサポートラインで反応した」「25期間の移動平均線で反応した」──このように使われます。

反応の状況や具体的な値動きによって、反発反落、もしくは反転と呼ばれます。

また、一時的に値動きが停滞しただけで反転までには至らない状況も、「反応した」と呼ばれるケースがあります。

これは急激な上昇や下落が続くなかで、どこでレートが止まるのかが注目されている場合に見られます。

この場合、反応(停滞)を見せたものの再び値動きが継続していくことがあります(「反応しただけで反転しなかった」と呼ばれる)。

「ちゃぶつく」値動きとは?

ちゃぶつくとは、為替レートの値動きが乏しかったり不安定だったりするため、エントリータイミングなどのトレード判断が噛み合わず、損失を重ねてしまう相場状況を指します。

また、グズグズとしたトレンド状態において、ブレイクアウト狙いや、押し戻り(調整)からのエントリー判断が、ことごとく裏目にでてしまう状況も「ちゃぶつく」と表現します。

ちゃぶついてしまう相場状況では、安易なドテン売買往復ビンタになりやすく、それまでの利益を吐き出して証拠金が減少する結果になりやすいため、注意が必要です。

こうした相場状況での行動が、長期的に安定して勝ち続けられるトレーダーになれるかどうかの分かれ目ともいえるでしょう。

「伸び悩み」とは?

為替トレード(FX取引)における「伸び悩み」とは、これから勢いが出ていくであろう相場状況で値動きが停滞してしまい、なかなかそれ以上伸びていかない状況のことです。

「伸び悩み」は為替レートの上昇でも下降でも用いられますが、主に上昇の相場状況で使われることが多いといえます。

例えば上昇トレンドが始まって、エリオット波動の第3波と思われる状況になりながらも、勢いのある上昇にはならずにジワジワとした値動きを続けた場合、「伸び悩んでいる」と表現します。

また、上昇トレンド中の小さなもみ合いフラッグがいつまでも続いたりするチャート状況も、「伸び悩み」のひとつです。

他にも、長期間に及んだレンジ相場の高値(抵抗線)をブレイクアウトして、ここから新規買いと売り勢力の損切りを巻き込んで大きく上昇していくと期待される場面で、為替レートがなかなかドカン!と上昇しないケースも「伸び悩み」と呼ばれることがあります。

関連用語 頭打ち

「ボラタイル」とは?

ボラタイルとは、相場の値動きが大きく激しい状況のことです。

レート(価格)が変動する大きさ(変動率)のことをボラティリティといいますが、このボラティリティが大きい状態のことをボラタイルと呼びます。

値動きが激しい状況といっても、狭い値幅の範囲で激しく動くことはボラタイルとはいいません。

ボラタイルな状況とは、大きく一方向へレートが進んだかと思えば一気に反転していったり、また再び大きくレートが進んだりという風に、一般的には値動きのサイズ感が相対的に大きいことを指します。

また別の判断方法としては、テクニカル指標の一つであるボリンジャーバンドを表示させ、そのバンド幅が相対的に広い状態をボラタイルと捉える方法があります。

ボラタイルな相場状況は、短時間で多くの値動きが発生するためトレードチャンスと受け取られる傾向があります。

しかし短時間で大きな利幅を狙えるということは、同じように大きな損失を出してしまうということでもあります。

最も分かりやすいボラタイルな状況の例としては、米雇用統計や政策金利発表などの重要指標発表による激しい値動きが挙げられます。

指標発表直後の「1分あたり数十ピップスもの値動きで乱高下する様子」を思い起こしてもらえば、そのチャンスと共にリスクにも想像が及ぶと思います。

「窓開け」とは?

窓とは、チャートのローソク足の間にできる「すき間」のことで、ギャップとも呼ばれます。

具体的には、あるローソク足の終値と次の足の始値との間に出来る大きなすき間を「窓」といい、それを指して「窓開け」「窓が開いた(ギャップが開いた)」と呼びます。

ギャップ(窓を開ける)

開いた窓が値動きによって閉じられることを「窓埋め(埋める)」といい、重要なプライスアクション(値動き)の一つとして注目されます。

大きな窓は、株式相場では日足チャートで頻繁に見られるものですが、為替市場では一般的には週末と月曜日の間でしか見られないものです。

重要指標の発表時に、始値が大きく離れたところに付くことがありますが、これは「値が跳ぶ(飛ぶ)」と表現されることが多いようです。

関連用語 値が跳ぶ(飛ぶ)

「ギャップ」とは?

ギャップとは、為替チャートのローソク足の間に現れる「すき間」のことで、「窓」とも呼ばれます。

具体的には、あるローソク足の終値と次のローソク足の始値との間に、大きなすき間が出来ることを「ギャップが開いた(窓が開いた)」といいます。

ギャップ(窓を開ける)

株式相場では、日足チャートで頻繁に見られるものですが、為替相場(FX)では、一般的には週末と月曜日の間でしか見られないものです。

米雇用統計や政策金利発表などの重要経済指標の発表時に、始値が大きく離れたところに付くことがありますが、これは「値が跳ぶ(飛ぶ)」と表現されることが多いようです。

関連用語 埋める、値が跳ぶ(飛ぶ)

「埋める」とは?

埋めるとは、チャート上で前回と今回のローソク足の間にできた隙間(窓)が埋まることを指し、これを「窓埋め」と呼びます。

下のチャート図では、最後の陽線と手前の陰線の終値との間に窓ができた様子を表しています。

その後、陽線の高値が上昇していき、手前の陰線の終値までレートが到達、窓が埋まりました。

埋める(窓を埋める)

FXでは、金曜の日足の終値と、次の週の月曜の日足の始値の間で「窓」が開きます。

他にも、重要な経済指標の発表によって、前のローソク足から大きく離れた始値をつけることがあり、このときも「窓」が開きます。

この「窓」は、次の足で埋まることもあれば、何本も後になってから埋まったり、埋まらないまま相場が進んでいくこともあります。

一般的な傾向としては、窓は「埋まりたがる」傾向が見られますが、相場に絶対はありませんから、思い込みや決めつけはいけません。

関連用語 値が跳ぶ(飛ぶ)

以上、FXの値動き用語の意味と解説まとめ──についてお伝えしました。

執筆者プロフィール

fx-monoロゴ名前:mono(モノ)
FX歴13年の為替トレーダー。

FXトレードで収益を上げながらIT系の事業経営もしています。20年以上取り組んできた心理学と脳科学の専門知識(アドラー心理学、NLPなど)を活かして《トレード技術の上達法》を研究し実践してきました。

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