インジケーターの前に知るべき、ローソク足チャートの情報の見方

チャートの中でもっとも大切な情報は何でしょう? それは値動きそのもの──つまり、ローソク足チャートです。

こんにちは、FXトレーダーのmonoです。

今回は、ローソク足チャートにしっかり注目することで見えてくるものや、そこから得られる情報について解説していきます。

これを読めば、「ローソク足ってそんなに大事だったの!?」と、あなたのチャートの見方が大きく変わるかもしれません。

ローソク足チャートをしっかり見たことがありますか?

まずは、ローソク足チャートを見てみましょう。

そこには移動平均線もなければ、オシレータ系インジケーターもなく、ただひたすらローソク足だけが並んでいます。

ローソク足チャートの画像

こういうチャートを見ると、とつぜん空中に放り出されたような、足元がフワフワして落ちつかない気持ちになるかもしれませんね。

ほとんどの人にとって、このローソク足チャートは、トレードするには不十分なものでしかなく、そこにどんなインジケーターを表示させるかが最大の関心事であり、あなたもその一人なのかもしれません。

しかし、このローソク足チャートに注目することこそ、勝ち続けられるトレーダーになれるかどうかを分ける、大切なポイントなのです。

あなたはこれまで、この「ローソク足だけのチャート」としっかり向き合ったことがありますか?

ローソク足チャートに描かれているもの

では、ローソク足チャートに描かれているものについて、大きく二つに分けて説明していきます。

あらゆるトレーダーの売買が赤裸々に記録されている

ローソク足がそこにあるということは、そのローソク足の範囲内で売買が成立していたという事実を示しています。

つまり、為替相場に参加している、世界中のあらゆるトレーダーの売買の結果が、そこに記録されているということなのです。

特に、銀行や機関投資家といった、相場を動かし得る力をもった大口プレーヤーたちの売買行動も、つつみ隠さずローソク足となって描かれています。

だれが売買したかを特定することはできませんが、そこで売買が行われたという事実は、だれの目にも明らかなのです。

だからこそとれるトレード戦術

これは当たり前に聞こえるかもしれませんが、この「全ての売買が明らかにされている」という事実によって、ある優位性の高いトレード戦術が見えてくるのです。

それは、他のトレーダーの動きを見たうえで売買行動を行うという、いわゆる「後だしジャンケン」の戦術です。

「なあんだ」と思いましたか?

しかし、優位性があるアプローチにもかかわらず、これを実際におこなえる人はわずかです。

その第一の理由は、そもそも「他のトレーダーの動きを見る」という、心の余裕がないからです。

チャートを見ていても、目の前のレートが上がるか下がるかだけに注目してしまい、ひとたびポジションをもてば、「上がれ!上がれ!」「戻ってくれ…!」とか、もう冷静にチャートを見れなくなってしまうのです。

もし、そうではなく、冷静に他のトレーダーの売買行動を見極めたうえでトレードできれば、どれだけスゴイ結果になるか、イメージがわいてきませんか?

売り買いの攻防──そこにはトレーダーの恐怖が描かれている

ローソク足チャートに描かれている、もう一つのものは、相場に参加しているあらゆるトレーダーの感情です。

上でお伝えしたように、ローソク足チャートには、他のトレーダーたちの全ての売買が明らかにされています。

ということは、例えば、とても長いヒゲの先端でも、だれかが売って、それをだれかが買ったということなのです。

チャートから読み取れる感情の例

下のチャートを見ながら説明していきましょう。

ローソク足チャートの画像

赤く「売り!」と書かれた長い下ヒゲの先端で、売りポジションをもったトレーダーがいます。

売った瞬間から、まったく下落することなく、どんどんレートは上へと逆行していきます。

そのトレーダーの気持ちになってみてください。

  • 「うわあ、ダマシにやられたぁ!含み損が増えていく!」
  • 損切りしたくない!」
  • 「戻ってくれたら建値で逃げよう……」

よくあるものとしては、こういう感じでしょうか。

恐怖と不安で冷たい汗が出て、目はチャートに釘づけになっているかもしれません。

  • 「思惑と違ったから、さっさと損切りしよう」

もしあなたがこう思ったのなら、生き残れる可能性がありますが、多くのトレーダーはそうは思えないものなのです。

さて、チャートはそれからどうなったでしょうか?

「戻れ!戻れ!」と念じていましたが、あとわずかで建値に戻るかというところで、無常にもグングン上昇していってしまいました。

  • 「うわあ!助けてくれ~(泣)」
  • 「なんでやねん!(怒)」
  • 「自分がポジると、いつも逆へいく……(悲)」

この上昇のどこかで、含み損の大きさに耐えられなくなって、ついに決済のボタンを押したのか、それとも強制ロスカットされてしまったのか、それはわかりません。ですが、悲しみや怒りといった感情につつまれている可能性は、かなり高いはずです。

感情が読み取れるもうひとつの例

もうひとつチャートを見てみましょう。

水色のゾーンでは、大勢のトレーダーが売ったり買ったりしていた様子が、ローソク足から見てとれます。

サポートラインを抜ける説明画像

そのうち、同じ安値をなんどもつけて、いわゆるサポートラインができました(青いライン)。

しかし、その青いラインを大きな陰線が下抜けました(赤い矢印)

この瞬間、青いラインよりも上のレートで買いポジションを持っていたトレーダーは、全員、含み損をかかえ始めたのです。

ここでも、建値に戻れば撤退したいと思う多くのトレーダーが、不安と恐怖のなかで「戻れ!戻れ!」とお祈りをしていると考えられます。

しかし、レートは青いラインを上回ることなく、そのまま下落していったのでした。

そこでの買いトレーダーたちの感情は“恐怖”であり、そこから派生した怒りや悲しみにつつまれているのです。

恐怖におそわれるポイントをつかった戦術

ここでは詳細にふれませんが、人間は恐怖におそわれると行動がとてもシンプルになるので、行動が読みやすくなります。

つまり、恐怖におそわれた人の行動を利用して、有利なポジションをもつというトレード戦術があり、それはとても優位性があるものなのです。

いろいろな視点で「人々が恐怖におそわれるポイント」を見つけ出し、それを根拠にしてポジションをもとうとするのが、優位性のあるトレード手法によく見られる傾向だったりします。ちなみに私のトレード手法も、そういう風に構成されています。

集団心理を踏まえたチャートパターンの使い方について、以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

あなたは、ダブルトップやダブルボトムのチャートパターンで、思ったようにトレードできていますか? 教科書的に「ネックラインを抜けた...

ローソク足チャートで何をすればいいのか?

ここまでの内容を一度まとめておきます。

まとめ

  1. 最も大切な情報は、値動きそのもの=ローソク足チャートである。
  2. ローソク足チャートには、あらゆるトレーダーの売買が記録されている。
  3. ローソク足チャートには、トレーダーたちが感じた恐怖が描かれている。
  4. そうした情報をもとにしたトレード手法には優位性がある。
  5. だから、ローソク足チャートに注目することは、強いトレーダーになるための大切なポイントである。

では、他のトレーダーの動きを見極められるスキルを身につけ、他のトレーダーが恐怖を感じるポイントでトレードするには、どうすればいいのでしょうか?

その答えもまた、ローソク足チャートにあります。

今のあなたがチャートを見て、他のトレーダーの動きを見極められないのも、他のトレーダーが恐怖を感じている場面を見極められないのも、原因は同じです。

そもそも、「他のトレーダーの動き」を見る経験が足りないため、状況の判断ができなかったり、思わぬ動きに驚いて動揺して感情的になってしまうのです。

そのため、他のトレーダーを利用するどころではなくなり、強いトレーダーに利用されてしまう結果になる──すなわち、負けてしまうわけです。

要するに、ローソク足チャートを見る経験が圧倒的に不足しているのです。

過去のローソク足チャートをたくさん見て、相場のありのままを知る

テクニカル指標が一切表示されていないローソク足だけのチャートを、とにかくたくさん見てみることから始めましょう。

具体的には、あなたの使っている取引ツールのチャートで、ローソク足だけを表示させて、世界中のトレーダーたちが繰り返してきた売買を、ひたすら眺めてみるのです。

あなたの取引ツールには過去のデータが少ない場合は、MT4やMT5という無料ツールを使うのがオススメです。

ネット上には、MT4、MT5に関する情報はあふれるほどありますから、インストールからヒストリーデータ(過去のローソク足データ)の準備まで、問題なくおこなえるでしょう。

以下の記事でも解説していますので、参考にしてください。

MT4(メタトレーダー4)は、トレードの世界では文字通り「世界標準のチャート分析ツール」といえる、スタンダードな存在です。 20...

まずは、日足なら10年分以上、1時間足なら2~3年分、5分足なら数ヶ月分くらい見てみましょう。

ザーッとスクロールさせながら眺めてみたり、一画面ずつジックリと観察してみてください。

相場のありのままの姿をながめてみるのです。

ドカン!と動いたり、グズグズと横ばいになったり、ダラダラ上昇・下降したり、さまざまなチャートの表情をそのまま眺めてみましょう。

ローソク足があるということは、そこで売買が成立したということです。

極端な高値や安値をよく見て、そこでトレードした人がどんな気持ちになっていたかを想像してみましょう。

チャートソフトに用意されているデータによりますが、できれば、いろいろな時期のチャートを見てみてください。

例えば、リーマンショック東日本大震災スイスショックの頃の値動きを見て、異常事態と呼べるものがどういうものかを知り、そしてそんな中でも、いつもの動きがスケールを変えて再現されているということも知ってください。

また、値動きのない穏やかな状況というものが、重要指標の発表をひかえた「嵐の前の静けさ」だったりすることを知ってください。

値動きの特徴については、以下の記事を参考にしてください。

「為替介入」と聞くと、加熱した動きと、反転を警戒する緊張感にあふれた相場状況を想像させられ、それだけでも気もちがザワつく人もいるんじゃ...
あなたは「ロング・ショート」の意味をご存知ですか? この「ロング・ショート」という言葉の意味と由来には、FXの「ある重要な値動き...

こうしたローソク足チャートの観察を何度もくり返していくことで、相場のよくある値動きというものが、自分なりに理解でき始めます。

その理解こそが、トレード中の安定した心理状態の土台となり、ゆくゆくは、他のトレーダーの動きを見極められる力へとつながっていくのです。

最後に~チャート検証の第一歩はここから始まる

ここまでの内容は、実は、裁量トレードの検証の初歩であり、ここから本格的な検証へと進んでいくことになります。

検証については、あらためて詳しく解説していこうと思いますので、お楽しみに。

では最後に、要点をもう一度お伝えしておきます。

まとめ

  1. 最も大切な情報は、値動きそのもの=ローソク足チャートである。
  2. ローソク足チャートには、あらゆるトレーダーの売買が記録されている。
  3. ローソク足チャートには、トレーダーたちが感じた恐怖が描かれている。
  4. そうした情報をもとにしたトレード手法には優位性がある。
  5. だから、ローソク足チャートに注目することは、強いトレーダーになるための大切なポイントである。

この記事によって、ローソク足チャートとしっかり向き合うことが、いかに大切なことなのか、その一端を少しでも感じてもらえたならば、うれしいです。

以上、インジケーターの前に知るべき、ローソク足チャートの情報の見方──についてお伝えしました。

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