昔、投資信託の分散投資で失敗した話。FXに活かせる教訓とは?

投資信託で失敗して落胆

ちょっと小金を稼ぐと、すぐに欲を出して投資で増やそうとしてしますが、喜びも束の間。結局は手痛く失敗してガッカリしてしまう──。私も、過去にそんな経験をした一人です。

こんにちは、FXトレーダーのmonoです。

今回は、私が過去に投資信託で失敗したときのお話と、そこから見えてくる「FXに活かせる教訓」についてお伝えします。

人の失敗から学ぶのは、効果的なリスク対策のひとつです。他人が代わりにしてくれた失敗を通じて、賢く学んで下さい。

小金を手にした私は、投資を始めることにした

今から15年ほど前、病気をわずらった私は仕事をすべて辞めて療養生活を送っていました。

自営業だったので生活保障があるわけでもなく、貯金を食いつぶす生活が続いたため金銭的なピンチに陥り、焦りと不安の日々を過ごすことになります。

そんな中、幸運にもアフィリエイトという仕事に出会います。パソコンとネット環境だけで出来ると知り、「これだ!」と直感して取り組んでみたところ、自分のスキルが上手く発揮できたこともあり、療養生活の中でもそれなりのお金が手に入るようになったのです。

アフィリエイトとは?
ネット上で商品を紹介して手数料を得る仕事です。広告業の一種といえます。

しかし、そんな幸運も長くは続かず、数年も経たない内にアフィリエイトの収入は先細りになっていきました。

仕事への復帰も出来ないまま、再び経済的なピンチに陥り始めた私は、「そうだ、お金にお金を稼いできてもらおう」と考え、蓄えたお金で株を買って投資をすることにしたのです。

投資の勉強を始め、ポートフォリオを検討

それまで投資というものに全く縁がなかったので、一から勉強するところから始まりました。身近に投資をしている人もおらず、まさに暗中模索の状態からのスタートです。

初心者向けの資産運用の入門書を10冊ほど読み、そこから中級者向けの関連書籍にも手を伸ばし、ネット上で最新情報を収集していき、こうして何とか知識だけは一人前になっていきます。

実はこのときFXのことを知ったのですが、「短期売買は危険!」という思い込みがあったため、検討すらしませんでした。「堅実な自分は長期投資でいくのだ」とばかり思っていたのです。

さて、当初は個別株をいくつも買って、自分でポートフォリオを組もうと思ったのですが、資金的に上手く分散投資ができないことが分かったので、少額からでも柔軟に投資先を選べる「投資信託」を選択しました。

ポートフォリオとは?
運用対象として保有する金融資産(株式、債権など)の構成内容のこと。
主にリスク分散が目的とされ、例えば株式と外貨、金、公社債などに分散して資金運用をすることで、株式が下落しても金や公社債が上昇して相殺される形になります。
(FX用語集:ポートフォリオ

攻めのポートフォリオでいこうと考え、ラインナップは「ハイリスク・ハイリターン」の株式のみ。国内と海外それぞれの市場に分散して投資します。

具体的には次のような投資信託を選び、運用を開始しました。

  1. トピックスETF。
  2. 日本小型株ファンド。
  3. 日本新興株ファンド。
  4. 欧州株インデックスファンド。
  5. 米国株インデックスファンド。
  6. 中国株ファンド。
  7. その他、インド株ファンドやBRICsファンドも検討。

地域別にほぼ均等に分散させる形のポートフォリオになっていますが、新興国や新興企業へ積極的に投資しているのが特徴です。しかしこれが、後々足をすくわれる原因になっていきます。

投資信託で分散投資をスタート

投資信託で分散投資

運用を開始した私は──

  • バイ&ホールド戦略だから、後は大きく育っていくのを見守るだけ」
  • 「毎月、少しずつ追加投資を重ねていこう」

こんな気もちで、徐々に資産が増えていくのを期待する日々を過ごしました。

当時は中国株バブルだった頃で、私の中国株ファンドも半年ほどで+25%という、とても素晴らしいパフォーマンスを上げていました。

これには「やっぱりこうなるよね」と、目論見が当たったことに浮かれる気もちがありました。

気を良くした私はさらに、新興市場として注目され始めていたインド株の投資信託にも手を出そうと考え、物色を始めます。しかし幸か不幸か、インド株はミニバブルがはじけて下落が続いていたため、そのときは様子見となりました。

国内新興国ファンドでのビギナーズラック

そうこうする内に、国内株ファンドが何やら騒がしくなってきました。

数日おきに評価額をチェックするたびにグングン大きくなっていて、素人目にも普通ではない高騰が起きていることが分かります。

「なんだか凄いラッキー!?」と興奮する私は、それが国内新興株ファンドによるものだと分かると、さらなる資金投入を決断。ファンドの買い増しを行います。

元々、このファンドがポートフォリオに占める割合は少なかったとはいえ、この買い増しによって結構いびつな投資バランスになってしまいました。

「この流れに乗って、一気に勝負するべきなんじゃないか?」

──そんな悪魔のささやきが聞こえましたが、これ以上の資金は手元にないため断念します。他のファンドを解約してこちらに資金を回すというプランもあり得ましたが、これは「バイ&ホールドが鉄則」というマイルールの縛りによって実行されませんでした。

この国内新興株ファンドはその後、なんと+350%(!)にまで評価額が増えていったので、「もっと買っておけば……」と激しく後悔したことは言うまでもありません。

ライブドア株に激しく翻弄される

さて、およそ投資信託とは思えない、この激しい高騰の理由は何だったのでしょうか?

察しの良いあなたなら、もうお分かりでしょう。そう、あのライブドア株によるものだったのです。

当時のライブドア株は、完全にマネーゲームの様相を呈していて、買いが買いを呼ぶ青天井の上昇相場になっていました。

国内新興株ファンドのマネージャーも、買い入れルールに則って律儀にライブドア株を買い増し続けていて、その結果がこの高騰となっていたわけです。いくらこのファンドが「積極的に利益を追求する運用タイプ」のファンドとはいえ、この乱暴な状態はリスクが高過ぎです。

しかも当時の私は、ライブドア株単独の高騰によるものだと知らないまま、無邪気に「やったー!上がれー!」と喜んでいました。

そしてやって来るのが「ライブドア事件」です。

ライブドア事件とは?
2004年9月期の有価証券報告書に虚偽記載があるとして、当時の経営陣が起訴された事件。
堀江貴文(ホリエモン)氏に懲役2年6ヶ月の有罪判決が下るなどしました。

それはもう、猛烈な下落でした。FXでいうところの「ガラ」です。

毎日、目に見えて減少していく評価額。それは含み益でしかなかったはずなのに、何だか日々損失を出しているような錯覚に陥り、身が切られるような感じがしました。

このときになって、ようやく事態がライブドア株によるものだったと理解しますが、時既に遅し。

ファンド内に占めるライブドア株の割合が大きかったこともあり、一時は+400%に届かんとしていた評価益は、あれよあれよと消え去り、国内新興株ファンドの評価額は大きく元本割れしてしまったのです。

幸い、他のファンドの成績に助けられ、全体としては「わずかに元本割れ」といったところで踏みとどまりました。しかし、あまりの変動を前にして意気消沈してしまい、その頃はもう送られてくるファンドレポートは見て見ぬ振りをしていたのでした。

失敗した投資信託の運用から見えてくるもの

失敗からの教訓

「お金にお金を稼いでもらう」──そんな当時の目論見は、こうして儚くも消え去りました。

本当は、ここからが本当のバイ&ホールドの舞台だったのでしょう。ですが、すっかり気落ちしてしまった私は、ポートフォリオに資金を投入することをやめ、その後は放置されることになってしまいました。

この投資が失敗してしまった要因としては、次のようなものが考えられます。

  1. 長期投資と短期売買の違いを理解していなかった。
  2. 出口戦略がなかった(緊急避難としての資金移動ルールなど)。
  3. 買い増し計画がなかった(気まぐれで増額させていた)。
  4. 目の前の含み益に一喜一憂していた。
  5. 高騰の原因を調べようとしなかった(浮かれていた)。
  6. 分散の仕方がどんどん偏っていった(利益に目がくらんだ)。

これを見ると、失敗するべくして失敗しているのが分かりますが、まずここから見えてくるのは、当初から投資の姿勢がブレまくっていたという事実です。

口では「バイ&ホールドで長期投資」といっても、本音は「短期的な利ざやを狙う」というものだったと言わざるを得ません。怖いのは、こうした本音にまったく自覚がなかったことです。

FXトレードに活かせる教訓

この失敗した投資信託の分散投資から、FXトレードに活かせる教訓を導き出してみます。

出口戦略が重要

長期投資であれ短期売買であれ、必ず何らかの形で決済すべきときが訪れます。いうまでもなく、デイトレードなどの短期売買では「損切りのルール」は必須です。

長期投資でも、事件や政変などが起こったときに資金を緊急避難させるルールがあれば、嵐が過ぎ去るのを安全な場所で待つことが出来ます。

もし、長期投資でこうした出口戦略がなければ、何か有事があったときは、ライブドア事件での私のように、ただ狼狽えるだけになってしまうでしょう。

FXのデイトレードであれば、損切りルールを持たずにトレードするのは、強制ロスカットになることが約束されているようなものです。

また、重要な経済指標の発表の前に一旦ポジションを決済しておくのは、大切な出口戦略のひとつです。これは長期投資での資金の緊急避難と同様、「資金の一時避難」をおこなってリスク回避をしていると捉えることが出来ます。

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もう一つ重要な出口戦略は、利益確定のルールです。

  • 「もう少し粘れば、もっと利益を取れるかも……」
  • 「せっかくの含み益を逃したくない!」

こういって利益を逃してしまうのは、利益確定のルールが定まっていないからです。「取れるだけ取る」という強欲な気もちだけでトレードしても、安定した利益を重ねることは決して出来ません。

まず、確率思考に則って作られたルールをもつこと。そして、ときには含み益を失うことがあったとしても、自分が決めた利益確定のルールを愚直に守り続けることが必要です。

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感情でルールを曲げない

私の投資信託での分散投資は、とにかく感情的な判断に終始していました。

もともと曖昧なルールだったこともあり、買い増しのタイミングや銘柄選択のときも、ルールをなし崩し的に無視してしまい、結局はその場の気分で決めていたようなものでした。

大事なところでルールを曲げてしまうのは、そのルールへの信頼が乏しいからです。感情でルールを曲げてしまわないためには、自分のトレードルールに対する信頼を築いておく必要があります。

そのために大切なのが、過去チャートを使った検証であり、FX練習ソフトを使った模擬トレードの積み重ねです。

こうした取り組みを通じて、ルールを守り続けることが長期的な利益につながるのだということを、実感として理解しておくのです。

お題目のように、ただ「ルールを守るぞ」といっているだけはダメで、それだといつか必ず感情が勝ってルールを無視するときが訪れます。必要なのは、自分のトレードルールへの信頼を築くことであり、そのための検証と練習です。

トレード中に判断を迫られたとき、とっさに「自分のルールに従うのが一番安心だ」と感じられるレベルになれば、トレードの悩みの多くは自ずと解消へと向かっていくものです。

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投資信託での失敗と教訓~まとめ

人の失敗から学ぶのは、効果的なリスク対策のひとつです。他人が代わりにしてくれた失敗を通じて、賢く学びましょう。

投資の姿勢がブレていると、その場しのぎの判断を取りがちになって上手くいきません。長期投資なのに短期の利益に目がくらんだり、短期トレードなのに「長期投資だ」といって含み損を拡大させてしまうことになります。

出口戦略として、決済のルール(損切りと利益確定、リスク回避のための決済)を決めておくことが大切です。

肝心な判断のときにトレードルールを曲げてしまわないために、日頃から検証と練習を通じて、ルールへの信頼を築いておく必要があります。

以上、昔、投資信託の分散投資で失敗した話。FXに活かせる教訓とは?についてお伝えしました。

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