フィンマックとは、FXや株、投資信託といった金融商品を専門とした相談センターで、FX会社等との問題を公正で中立な立場から解決へと導いてくれる機関です。
金融庁や法務省から認定を受けた組織なので、信頼性に問題はありません。
「この損失は納得がいかない!」「FX会社に苦情を入れよう!」──FX会社と証拠金トラブルになったとき、あなたはどうしますか?
そんなとき、フィンマック(FINMAC)をはじめとした相談窓口が、助け舟になってくれる可能性があります。
この記事では、FX会社とのトラブル解決のために役立ってくれる、無料相談窓口について解説していきます。
フィンマック(FINMAC)~証券・金融商品あっせん相談センター
FX会社とのトラブルがあったら、まずは「フィンマック(FINMAC)」へ相談や苦情の申し立てをしてみましょう。
フィンマックとは、FXや株といった金融商品を専門とした相談センターで、FX会社との問題を公正で中立な立場から解決へと導いてくれます。
もちろん金融庁や法務省から認定を受けているので、信頼性は問題ありません。
公式サイトへは、下のリンクからどうぞ。
フィンマック(FINMAC)がしてくれること
具体的にフィンマックがあなたのためにしてくれることは、次の3つです。
- 『相談』
その問題・トラブルについて、相談員が助言やアドバイスをしてくれます。 - 『相手への苦情の取次』
苦情内容を相手のFX会社へ伝え、問題解決を目指してくれます。 - 『あっせん手続(紛争解決)』
弁護士が、紛争解決委員となって立ち会い、双方の間に入って解決を目指します。
フィンマック(FINMAC)の「あっせん手続」とは?
ここで気になるのが、「あっせん手続」と呼ばれるものではないでしょうか?
あっせん手続とは、フィンマックを通じてFX会社へ苦情を伝えてもらっても解決できなかったとき、弁護士の立ち会いのもと、お互いの話し合いによって解決を目指す方法のことです。
この「あっせん手続」は、訴訟による解決とくらべて、費用と時間の負担がずっと軽くて済むのが特徴です。
フィンマックは、あっせん手続を受けたら4ヶ月以内の解決を目指してくれるとのことで、これは裁判とくらべて、かなりの時間短縮になります。
そして、なによりも費用面でのメリットが大きいです。
『相談』と違って、あっせん手続は有料ですが、裁判を起こすことに比べれば、びっくりするほど安いのです。
あっせん手続に必要な金額は、あなたがFX会社に請求したい損害賠償額に応じて変わります。
下のリンクから、料金をチェックしてみてください。
参考リンク あっせん申立ての料金表|フィンマック
なぜ、こうした格安料金で行うことが可能なのでしょうか?
それは「ADR(裁判外紛争解決手続)」という国の制度のおかげです。
これまで、裁判費用や時間の問題で「泣き寝入り」してきた消費者を守るため、こういった制度が整えられた経緯があります。
ですから、もしあなたが「証拠金を取り戻すために弁護士や裁判なんて……」と二の足を踏んでいるのなら、一度相談してみる価値があります。
必見。フィンマックで解決された相談事例集
フィンマックの公式サイトでは、これまでに解決されたケースが「紛争解決手続事例」として、しっかり公開されています。
この相談事例をみることで、あなたの抱える問題・トラブルが解決可能なものなのかどうか、イメージできると思います。
PDFファイルで、かなりの量が公開されていますから、あなたとよく似た問題・トラブルを探して、ぜひ参考にしてください。
参考リンク 紛争解決手続事例(四半期)|フィンマック
参考事例「FX初心者に無理やりトレードさせたケース」
フィンマックの資料から、ひとつ事例を紹介しましょう。
「勧誘に関する紛争」として、FXの「くりっく365」で起きたトラブルです。
FX会社の担当者は、FXの初心者である相談者に対して「担当者の主導で」売買を繰り返させていました。さらには両建てのポジションまで持たせてしまい、相談者は大きな損失を被る結果に。
これには怒り心頭の相談者。フィンマックへ苦情を申し立て、FX会社へ損害賠償を求めることになりました。
相談者からの求めに対して、FX会社側はこう反論しています──
- 「いつも相談者の意思を確認してから、注文を受けていた」
- 「ポジションの両建ては、本人が望んたことで、FX会社側で勝手に売買していない」
- 「この相談者は投資経験年数が長いから、そもそも初心者ではないし、相談者にも落ち度がある」
──と案の定、真っ向対立といったことになっていました。
この事例集が興味深いのは、公平な立場から仲立ちしてくれる「フィンマックの紛争解決委員」による見解が、しっかり書かれていることです。
その趣旨は、こうです──
- 「相談者は、FXの基本的な仕組みも理解できていないです。FX会社は説明不足であり、それだけでも大きな落ち度で、問題があります」
- 「含み益だったポジションが含み損になってしまったことは、相談者の落ち度です」
- 「両建てをさせたのは、手数料稼ぎと非難されても仕方がないです」
──こういう具合に判断して、公平で中立な立場から和解案を提示してくれるわけです。
この事例の結果は和解となって、相談者のもとには180万円が戻ったとのことです。
相談者としては、「もっとしっかりFX会社を責めてよ!」といいたくなるかもしれませんが、自分で弁護士を雇って訴訟をするハードルが高い場合は、フィンマックへ相談するのが現実的な選択肢ではないでしょうか。
フィンマックの成り立ちから見る、その役割の限界
ところでフィンマック(FINMAC)は、日本証券業協会や金融先物取引業協会をはじめとする、5つの自主規制団体によって運営されている機関です。
ということは別の見方をすると、「FX会社の上部組織が運営している相談窓口」ということにもなるわけです。
ドラえもんで例えるなら──スネオにいじめられたので、スネオのお母さんに相談にいったら、「うちのスネちゃまは、そんなに悪くないザマス」といわれた──という状況も考えられなくもないわけです。
ですので、以下のような意見もあります。
とはいえ、投資やFX専門の無料相談窓口があって、そこで蓄積されてきた解決ノウハウを活用することができるのは、やはりありがたいことです。
「いきなり弁護士は……」とか、「とにかく話を聞いてほしい」という場合は、まずフィンマックに電話かメールしましょう。
それに抵抗があるなら、このあとで紹介する他の無料相談窓口へ連絡してみてください。諦めてしまったら、そこでゲームセットになってしまいます。
詳しくは、下記のリンクから公式サイトをごらんください。
FXトラブル・問題を相談できる、その他の無料相談窓口
フィンマック以外にも無料相談窓口がありますので、続いてそれらをご紹介しましょう。
国民生活センター
ご存知、国民生活センターです。
相談窓口で、いきなり専門的な相談は難しいですが、そこから適切な相談窓口を紹介してもらえたり、あなたの住む地域の消費生活センターを案内してもらえるでしょう。
電話をするなら消費者ホットラインへ(局番なしの「188」です)。
参考リンク 商品先物取引・外国為替証拠金取引|国民生活センター
法テラス(日本司法支援センター)
法テラスは、国が設立した公的な機関です。
ここにも無料相談窓口があり、電話相談を受け付けてくれます。
弁護士に話を聞いてもらうことで、八方ふさがりだと感じていた問題に光がさす可能性があります。
私も過去に、ある問題で弁護士に相談した経験があるのですが、電話で弁護士と話をするだけでも、「自分には味方がいる!」という気もちになれて頑張れたものです。
実際に弁護士と契約して示談や訴訟に挑むべきかどうか、それは今は悩んでもしかたがありません。せっかくの無料相談窓口ですので、まずは話を聞いてもらうことから始めましょう。
リンク 日本司法支援センター「法テラス」
金融庁「金融サービス利用者相談室」
金融庁では、金融サービス利用者を対象にした相談・質問・意見を受け付けています。
利用者とFX会社との間の個別トラブルについて、相談室が内容を聞いてくれた上で、他の相談・調停機関を紹介してくれたり、問題の論点の整理などのアドバイスをしてくれます。
ただし金融庁の相談室では、問題解決のあっせんや直接の仲介、調停といった対応は取ってくれませんので、その点は踏まえておいて下さい。
相談は、電話、ウェブ、ファックス、郵便で受け付けています。
以上、『フィンマック(FINMAC)』とは?FXのトラブル・苦情の解決方法──をお伝えしました。