FXの究極の選択に迷わない方法。トレード手法の隠れた役割とは?

FXの究極の選択とトレード手法 FXに役立つ話

あなたはきっと、トレード中に判断を迷ったり躊躇したりしたことがあるはずです。

  • 「エントリーしようかな、どうしようかな……」
  • 「損切りした方がいいのかな、でも損切りしたくないな……」

そんな迷いを繰り返したあげく、結局は望まない結果になって後悔してしまう──そんなことが多いのではないでしょうか?

こんにちは、FXトレーダーのmono(Twitter@fxmono1)です。

今回は、あなたがそんな後悔に苦しまないように、興味深いトレード手法のストーリーをお届けします。

この記事を読めば、トレード手法の隠れた役割を知ることが出来て、トレード手法の作成や検証への意識が向上するはずです。

あなたの価値観を揺さぶる質問~その1

突然ですが、あなたは「トロッコ問題」というものをご存知でしょうか?

これは、いわゆる「究極の選択」と呼ばれるもののひとつで、その選択によってその人の道徳観(倫理観)があぶり出されると共に、自分の中で曖昧にしてきた「価値基準や優先順位」といったものを突きつけられます。

「トロッコ問題」という究極の選択

トロッコ問題の図

図の左手から暴走したトロッコが走ってきて、このままではその先で作業中の5人がトロッコに轢かれて命を落としてしまう──という状況です。

あなたの目の前には、もう一本の線路へ切り替える「ポイント切り替え器」があります。

これを操作することによって、5人を助けることが出来ますが、その代わりに別の1人が轢かれて命を落としてしまいます。

さて、あなたはどうしますか?

──これが「トロッコ問題」です。いかがでしょうか、あなたはポイントを操作して5人を助けますか? それとも何もせずに傍観しますか? その理由は何ですか?

どのような決断をするにせよ、そこには倫理的・道徳的な葛藤を感じるのではないでしょうか。

「悩む」という精神面の反応だけではなく、「気持ちがザワザワして疲れる」「脈拍が早くなる」「手に汗をかく」といった反応もあるかもしれません。

もし本当にこうした現場に居合わせてしまったら、いつまでも悩んでいられません。悩んでいる内に目の前をトロッコが通り過ぎてしまい、結局5人が轢かれることになります。

トロッコ問題に正解はある?

さて、このトロッコ問題には、いわゆる“正解”というものはありません。

合理的な判断に徹するのなら、冷徹にポイントを切り替えて5人を助けるべきです。しかし、直接手を下すわけではないにせよ人の命を奪うわけですから、「人が人の命を奪ってはいけない」という価値観をもっているのなら、自らの無力を受け入れつつ傍観すべきなのかもしれません。

どういった決断をするにせよ、その後は「5人を助けた英雄」と呼ばれると同時に、亡くなった1人の遺族から「肉親を奪った憎むべき相手」と呼ばれたり、もしくは「5人を見殺しにした」として非難されたりすることになります。

こうしたことまで含めて考えると、トロッコ問題というものは精神力と体力を非常に消耗する難題だということが分かります。

ちなみにトロッコ問題には様々なバリエーションがあるのですが、倫理学ではこれら問題に合理的に一貫して答えられる指針は示すことが出来ません。ですから、あなたが悩むのは自然かつ当然なことといえます。

あなたの価値観を揺さぶる質問~その2

もうひとつ、選択することに躊躇するような難題を見てみましょう。

しかも今回は過去に実際にあった出来事がもとになっていて、これは「アフガニスタンのヤギ飼い」と呼ばれています。

「アフガニスタンのヤギ飼い」

舞台は2005年のアフガニスタン。あなたは米軍の特殊部隊の一員として、他の3人のメンバーと共に秘密の偵察に出発しました。

事前の情報によれば、偵察目標の人物は、150人ほどの武装したタリバン兵を率いて山岳地帯の村にいるとのこと。

あなたたち特殊部隊はその村に近づいていきますが、何とその道中でヤギを連れた農夫2人と少年(計3人)に遭遇してしまいました。

彼らヤギ飼い3人を、偵察任務の遂行のためにその場で始末するか、それとも解放するか、あなた達は選択を迫られます。

ヤギ飼い3人は民間人ですので、解放しても問題ないかもしれませんが、ここは敵地アフガニスタンなので、米軍への反感から敵に密告される可能性があります。

それに、そもそも彼らは敵側のスパイとして偵察中だったのかもしれません。

あなた達は残念ながら彼らを縛り上げるロープを持っておらず、この場で命を奪うか解放するしかありません。

さて、あなたは彼らヤギ飼い(農夫2人と少年)をどうしますか?

あなたならヤギ飼いをどうするか

ただの民間人かもしれないヤギ飼いたち3人を、偵察任務の遂行のためにその場で始末するか、それとも解放するか、どうすればいいと思いますか?

もし始末してしまうというなら、少年を含めた民間人の命を奪うことになりますし、解放するなら今後の偵察に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。

もし密告されて150人の武装兵士に囲まれたら、あなた達はひとたまりもありません。

──どうでしょう? この「アフガニスタンのヤギ飼い」の答えを出そうとして、あなたは先程の「トロッコ問題」と同様に、心身ともに疲れてしまったのではないでしょうか?

しかし実は、この問題にはシンプルな「正解」があるのです。

「アフガニスタンのヤギ飼い」の正解とは?

この問題の答えを出そうとしたとき、自分が厳然たるアメリカ軍特殊部隊の一員であることを明確に意識していれば、その答えは即答レベルで出せます。

それは「三人を始末する」です。

あなたは軍人である以上、国家レベルでの目的のために、実力組織(軍隊)の一員としてその目的を遂行する義務があります。

その事実に激しい倫理的な抵抗を感じようとも、その場で選択すべき答えはひとつということです。

実際、その場にいた特殊部隊のメンバーの1人は、そう考えた上で「始末すること」に賛成しています。

確かに、武器も持たず恐らく民間人であろう彼らを、しかも幼い少年をも始末してしまうというのは、個人の価値観としては明らかに受け入れ難いことですが、目的と立場を踏まえれば答えは自動的に導き出されます。

※極論をいえば、そういう決断をしたくなければ(受け入れたくなければ)、そもそも軍隊に入ってはいけないということになりますが、これはまた別の話になります。

実際の結果はどうだったか?

この「アフガニスタンのヤギ飼い」の問題に対して、当時の実際の彼らはどのような答えを出したのでしょうか?

──彼ら偵察部隊は多数決によって「解放すること」を選択しました。

その後、生き残った偵察部隊のラトレル二等兵は次のように述懐しています。

「どう考えてもヤギ飼いを解放するわけにはいかなかった。しかし『武器も持たないこの男たちを殺すのは間違っている』と、キリスト教徒の心はささやいた」

ヤギ飼いたちを解放した結果はどうなったのでしょうか?

解放して間もなく、ヤギ飼いはタリバンに偵察部隊の存在を知らせ、偵察部隊は多くのタリバン兵たちに包囲され、ラトレル二等兵以外の戦友は全員死亡してしまいます。

さらに、彼ら偵察部隊を救出しようとした米軍ヘリコプターも撃墜され、この一件で米兵16名が命を落としました。

ラトレル二等兵は、当時の判断をこう振り返っています。

「これまでの人生でもっとも愚かで馬鹿馬鹿しく間の抜けた判断だった。(中略)この事実は私を死ぬまでさいなむことだろう」

後から考えれば「なぜあんな決断を……」と思えるようなことでも、極限状態の中ではどうしても「素の自分の価値観」が顔を出して選択してしまうものです。

彼ら偵察部隊のメンバーたちも、極限状態では軍人としての価値観ではなく、“一市民としての価値観”に従ってしまったということなのでしょう。

FXトレードは常に「究極の選択」に答え続けるようなもの

FXは究極の選択の連続

ここまで2つの「究極の選択」について考えてもらいましたが、いかがだったでしょうか?

実はFXトレードも、その実態はこうした「究極の選択」に答えることの連続だといえます。

例えば「いまエントリーすべきか否か」ということや、「いま決済(利益確定・損切り)すべきか否か」ということは、その最たるものです。

いまエントリーすれば、もしかすると利益が手に入るかもしれません。でも迷っている内にチャンスは過ぎ去ってしまいます。

多くのトレーダーが決断できずに迷い続けてしまうのは、命の次に大切な「お金」が掛かっているからなので、その迷いは当然のことだといえます。

損切りすべきか否かという「究極の選択」

そうした迷いが顕著に現れるのは、損切りを迫られる場面です。

含み損を抱えてしまって「もう損切りをしなければならない」と考えられる場面で、多くのトレーダーは激しい迷いと躊躇を感じます。

  • 「損切りしたくない。だけど、このまま含み損が拡大し続けたらどうしよう……」
  • 「損切りした後で利益方向へレートが動いていったら嫌だなあ……」
  • 「最も少ない損失で済ませられるタイミングで損切りしたいけれど、それがいつなのか分からない……」

こうした「FXトレードのトロッコ問題」を延々と考え続けてしまう結果、冷静さを失い、後から振り返ると最悪ともいえるタイミングで損切りをしてしまうことになります。

しかもどのような判断をしようとも、トロッコ問題で「1人の命を奪った」「5人を見殺しにした」といって批難を浴びるのと同様、「あのとき損切りしていれば」とか「正解のタイミングはあそこだったのに」といって自分を厳しく批難(後悔)し続ける羽目になります。

まさに、損切りするのは地獄、損切りしないのも地獄。そんな苦しく非情な選択を迫られるわけですから、激しい迷いと躊躇を感じるのも当たり前です。

毎回トレードでこうした問題を抱えて悩み続けていては、精神的にも体力的にもやっていけないのは明らかですし、そんなプレッシャーから逃げ出したくなるはずです。

初心者トレーダーの中には疲労困憊して「トレード恐怖症」になってしまい、FXの世界から退場してしまう人も出てくるのは当然といえるでしょう。

「FXの究極の選択」には、どのように答えていけばいいのか?

こうしたトロッコ問題のような「FXの究極の選択」には、どのように答えていけばいいのでしょうか?

その理想形は「アフガニスタンのヤギ飼い」における“正解”のなかにあります。

一市民としての倫理観や道徳観からは決して受け入れられなかったとしても、米国軍人としての立場に則った価値観に従い、冷静に厳然たる姿勢で迅速に行動する──FXでもこの在り方にならうのが望ましいといえるのです。

彼ら特殊部隊の場合は、自分以外の生命にも直接関わっていましたので、その困難さは想像を絶します。

しかし私たちFXトレーダーの場合は幸いなことに、あくまでも自分のトレード資金にだけ関わればいいので、その点ではどこまでも「自己責任」の範疇で対応することが出来ます。

軍人としての行動規範(価値観)=トレード手法

軍人は日ごろの訓練によって、冷静に判断したり、命令通りに行動したり出来るようになっています。

任務を遂行する際に迷いや躊躇が出ないように、徹底的な反復訓練によって軍人としての行動規範を血肉化しているのです。

ときには自分の倫理観を揺さぶられるような選択をしなくてはならないため、こうした訓練や準備は自分と仲間の命を守るために重要なものとなります。

その結果彼らは、例えば特殊部隊がテロ犯を制圧するときのように、一般人には決してマネの出来ない行動を冷静に(時には大胆に)行えるわけです。

私たちFXトレーダーも同様に、困難な問題に迷ったり躊躇したりしないように、こうした方法を応用して実践していくことが有効なのです。

つまり、自分の感覚や感情といった「普段の価値観」をトレード中に持ち込まず、FXトレーダーという役割に求められている行動に徹するのが重要だということです。

そのときFXトレーダーにとって、軍人の行動規範(価値観)に当たるのが「トレード手法」です。

トレード手法という“価値観”を反復練習によって血肉化(身体化)することで、普通の人なら判断に迷うような場面でも、冷静に合理的な対応をとれるようになります。

トレード手法があなたを「究極の選択」から守ってくれる

ここまでをまとめると、以下のようになります。

  1. FXで求められる決断は「究極の選択」の連続なので、普段の感覚や感情に任せていると不合理な選択をしたり決断を先延ばしにしてしまい、深刻な結果を招く。
  2. 自分の感覚や感情といった「普段の価値観」を持ち出さず、FXトレーダーという役割に求められている行動に徹することが重要。
  3. FXトレーダーの行動規範となるものが「トレード手法(ルール)」である。
  4. トレード手法を自分の価値観そのものとして行動し続けることで、トレード中の「究極の選択」に冷静に対応していけるようになる。

トレード手法とは、FXで利益を出していくためのものですが、その重要な役割として「平常心の維持」と「迷いや躊躇のない行動を促す」という働きがあるのです。

値動きがどうなるか、その未来がまったく分からない不安な状況の中、過大な精神的負荷(プレッシャー)や躊躇、後悔といった感情に押しつぶされてしまうことから守ってくれるのが、トレード手法というわけです。

まさにトレード手法は「あなたを守ってくれるもの」なのです。

そしてこのことが、「トレード手法を知っただけではFXでは勝てない」といわれる理由のひとつでもあります。

トレード手法という行動規範が、あなたの価値観だといえるところまで血肉化(身体化)されていなければ、実際のトレード現場で決断を迫られたときにはオロオロするばかりで、トレード手法の知識自体は何の役にも立ってくれないのです。

例えば、損切りするかどうか迷ってしまうのは多くの場合、そのルールを信頼できていない(血肉化されていない)ことが原因です。

「FXで勝つため」という以前に、FXの世界で生き残って勝利のチャンスをつかむために、トレード手法を「あなたを守ってくれるもの」として捉え直してみることを強くおすすめします。

トレード手法を血肉化するための反復練習については、下の記事で詳しく解説しています。

記事内で紹介しているFX教材は無理に使わなくてもいいので、解説している「血肉化するための方法」をあなたの役に立ててみて下さい。

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FXの究極の選択に迷わない方法~まとめ

トレード手法は、FXで利益を出していくためのものですが、トレード手法には「平常心の維持」と「迷いや躊躇のない行動を促す」という大切な働きがあります。

トレード手法は、未来が分からない状況の中で「過大な精神的負荷(プレッシャー)」や「躊躇・後悔」といったものに押しつぶされてしまうことから、あなたを守ってくれるのです。

だからこそ、あらかじめトレード手法とあなたとの間に、強い信頼関係を築いておく必要があります。

自分で作ったトレードルールであれ、FXブログやFX教材から学んだ手法であれ、そのルールに従っていれば勝ったり負けたりしながらもトータルでは利益が出るのだということを、事前に納得して理解するプロセスが大事なのです。

それが検証作業であり、トレード練習というわけです。

FXの世界は想像以上にメンタル的に過酷ですが、正しいプロセスを経て鍛錬を重ねれば慣れていくことが出来ます。

勝っているFXトレーダーたちは皆、平常心(当たり前だという感覚)を持ちながら、日々淡々とトレードを繰り返しているのです。

その背景にあるのは、迷いや躊躇の無い「トレードについての価値観」が具体化されたもの──すなわち血肉となったトレード手法です。

恐らくあなたは今、トレード手法を製作中だったり練習中だったりするでしょう。そのトレード手法があなたを守ってくれるものになるというイメージを持つことで、FX相場でのあなたの生存確率は高まり、目標を達成できる可能性が大きくなるはずです。

以上、FXの究極の選択に迷わない方法。トレード手法の隠れた役割とは?──についてお伝えしました。

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