目の前にエントリーチャンスがやってきたけど、「損切りになって資金が減るのが怖い……」と思ってしまい、どうしてもエントリーできない──そんなこと、ありませんか?
今回の内容は、「自分のトレードルールに優位性があると分かっていても、損切りになるのが怖くてエントリーできない」という場合のアドバイスをお伝えします。
なぜエントリーに恐怖を感じるのか?
なぜ、FXでエントリーするときに、これほど強い恐怖を感じてしまうのでしょうか?
まずは、そのことについて見ていきましょう。
日常の中では、ほとんど恐怖を感じない理由
人間は「未来がどうなるか分からない状態」に対して、本能的に強い恐怖を感じるように出来ています。
でもよく考えれば、そもそも未来がどうなるかは、決して分からないものなのですから、本当なら24時間いつも恐怖を感じていなければならないはずです。
しかし、実際の生活のなかでは、いつもいつも恐怖を感じているわけでは無いですよね?
それはなぜかというと、人は「これからも今と同じ状態が続く」と無意識に思い込むことで、安心して暮らしていける生き物だからなのです。
いま住んでいる家は、明日も明後日もちゃんとあるし、食べ物も手に入るし、仲のいい友達はこれからも仲良く付き合ってくれる──そういう風に「今と同じ状態がずっと続くものだ」と思うことで、安心できるのです。
FXでは「まったく分からない未来」を突きつけられる
ところが、FXでは日常のような安心感を感じることは決して出来ません。
FXでは、為替レートの上下動という、とてもシンプルで単純な「たった二つの動きだけの世界」に放り込まれます。
上だと思ったら下へ、下だと思ったら上へと、一瞬先も予想がつきません。
このFXという、あいまいさの全くない、いいわけの効かない厳しい世界から、「未来など絶対に分からない」という現実を、イヤというほど突きつけられるのです。
しかも、その「上下二つの動きだけの世界」の未来が、あなたの大切なお金の行く末を決めるとなれば、それはもう冷静ではいられません。
そのため、人はそこで「未来がまったく分からない恐怖」を激しく感じてしまうのです。
どうすればエントリーに恐怖を感じなくなるのか?
これを読んでいるあなたは、何かしらの優位性のあるトレード手法をもっていると思います。
もし持っていないなら、下の記事を参考にトレード手法を作っていくことをおすすめします。
自分で作る以外にも、下のリンクで紹介しているトレード手法を使うのも選択肢の一つです。
さて、FXの世界で「優位性がある」というのは、言い方を変えると「そのルールを繰り返せば繰り返すほど、利益が積み重なっていく」ということです。
つまり、「勝ったり負けたりを繰り返しながら、トータルではプラスになっていく」というトレードルールが、優位性のあるルールです。
もし、そのことが理屈の上では分かっていても、実際にはエントリーで恐怖を感じるのだとすれば、そこには二つの原因が考えられます。
ひとつ目の原因は、「自分のトレードルールへの信頼」が欠けていることです。
二つ目の原因は、「勝ったり負けたりを繰り返しながら、トータルではプラスになっていく」ということが、ちゃんと理解できていないということです。
この二つの原因を解消していくことで、エントリーでの恐怖を解消できる可能性があります。
「自分のトレードルールへの信頼」を築くには?
自分のトレードルールへの信頼が欠けているというのは、つまり「このルールに優位性があるのかどうか、本当はよく分かっていない」という状態だといえます。
要するに、検証が不足しているということですから、この場合やることは明確です。
過去チャートでの検証作業をすることであり、MT4やForexTesterなどをつかって仮想トレード(模擬トレード)を重ねていくことです。
その上で、リアルタイムで動くチャートでデモトレードをおこない、実際のトレード結果がどうなるかを確かめていきます。
そうやって、「なんだかんだとありながらも、トータルでは勝てるぞ」という実感を持てるようにしていくことで、自然と「自分のトレードルールへの信頼」を築いていくことが出来ます。
言葉にすると当たり前のことなのですが、この当たり前のことをどれだけ素直に実践できるかが、勝てるトレーダーと負け続けるトレーダーの違いになってきますから、どうか分かった気になってしまわずに、しっかり行動に移して欲しいと思います。
トレード手法への信頼と検証作業については、下の記事でも解説していますので参考にして下さい。
「勝ったり負けたりしながらトータルでプラスにしていくこと」を理解するには?
「勝ったり負けたりを繰り返しながら、トータルでプラスにしていく」ということを、ちゃんと実感として理解するにはどうすればいいのでしょうか?
これについては、「サイコロをつかった方法」をつかって理解することができます。
以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひそちらを読んで実践してください。
大切なのは、メリットのある行動を続けること、つまり「優位性のあるサイコロ」を、正しい状況でふり続けることです。
当然、負けの目も出ますし、これからふるサイコロが負けになるかどうかは、決して分かりません。
負けの目が出ること自体は、ルールの優位性に含まれた現象なのであり、負けの目が出たからといって、ルールの優位性は何ひとつ揺るがないのです。
こうした事実を、あなたも「サイコロゲーム」を通じて、実感として理解してください。
エントリーの恐怖に負けると「後悔」が待っている
目の前のトレードで負けるのが怖くてエントリーできないと、その先に待っているのは「後悔」です。
「エントリーしていれば勝ててたのに!」といって後悔するのは、まさに典型的な「FXあるある」です。
「見送った後悔」と「エントリーした後悔」
そこで考えてみてほしいのですが、つぎの二つの状況のうち、どちらがいいと思いますか?
- エントリーを見送って「勝ててたのに!」と後悔する。
- エントリーして損切りになって「やらなきゃよかった!」と後悔する。
どちらも、自分の思い通りにいかなかったイヤな状況ですが、トレードルールの優位性という面から考えれば、答えは明らかです。
それは、2番の「エントリーして損切りになる状況」です。
そのトレードは損切りになってしまいましたが、優位性のあるルールに従ってエントリーしたならば、その時点でもう「ナイストレード!」なのです。
これは、先程の「サイコロゲーム」をしてもらっていればお分かりのように、エントリーを見送ってしまうことは、「サイコロをふらない」ということですから、利益を重ねていくチャンスを自分の手で捨てているということなのです。
「優位性のあるサイコロ」をもっているのなら、それをふり続けることが正しい行動です。
怖くてエントリーできない状態を克服する方法~まとめ
あなたがエントリーで恐怖を感じる原因は──
- 自分のトレードルールの優位性の根拠があいまいで、ルールを信頼できていない。
- そもそも「FXでトータルで勝つ」ということが実感として理解できていない。
──と考えられます。
そのため、「目の前の勝ち負けという結果でしか、自分のトレードを判断できない」という状態になってしまっている可能性が高いです。
その状態だと、「ひとつの損切り=利益が減った」としか見ることができなくなるため、エントリーが苦しいものになってしまいますし、未来がわからないFXでは、「眼の前の損失の可能性」に激しい恐怖を感じてしまうことになります。
私からのアドバイスは次の通りです。
エントリーの恐怖を克服するためのアドバイス
- チャート検証をして、「自分のトレードルールへの信頼」を築く。
- サイコロゲームを通じて、「勝ったり負けたりを繰り返しながら、トータルでプラスにしていく」ということを、ちゃんと実感として理解する。
一見、遠回りに見えることが一番の近道なのが、FXの世界に限らず真実なのだと思います。
以上、トレード資金が減るのが怖くてエントリーできない状態を克服する方法とは?について、お伝えしました。
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