『リスク』とは?その意味とFX初心者が知るべき不確実性の対処方法

FXのリスクの意味

あなたはFXのリスクというものを、しっかり分かった上でトレードしていますか?

  • 「FXはハイリスクだから、気をつけてトレードすればいいんでしょ?」
  • 「ハイリターンで稼げるんだから、リスクがあるのは当然」

そんな風に思っているなら、それは危険信号かもしれません。

こんにちは、FXトレーダーのmonoです。

『FX初心者に伝えたい大切なこと』シリーズの3回目となる今回は、よく耳にする「FXのリスク」について、多くのFX初心者が知らない事実やその本当の意味について、詳しく解説していきます。

これを知ることで、あなたがFXで勝てるようになる確率は、これまでよりも確実に向上するはずです。

そもそも『リスク』とは何か?

リスクとは、一般的には「危険性」のことを指します。

別の表現でいうと、リスクとは事前に想定できる“好ましくないこと”だといえます。

「リスクがある」とか「リスクが高い(大きい)」という場合、危険な状況が迫っているとか、それがとても危ないものだということを表しています。

例えば、お酒を飲んで車を運転することは、自分と周囲の人々に大きな危険を及ぼす可能性がありますから、「とてもリスクが高い(大きい)」行動だといえます。

また、何の知識も経験も無いのにいきなり商売を始めるというのも、開業までに必要な時間と手間、そして資金が全部無駄になってしまうでしょうから、これも「リスクが高い」行動です。

こうして見ると、リスクの意味は分かり切ったもののように感じます。

しかしリスクには「もう一つの意味」があり、私たちFXトレーダーにとっては、実はこちらの方が重要なのです。

『リスク』のもう一つの意味とは?

その「もう一つのリスクの意味」で先程の2つの例を見てみると、どちらも「リスクが低い行動」だといえるのです。

……それはどういうことでしょう?

実はFXを始めとした金融の世界では、リスクとは「不確実さの程度」を表す言葉だからなのです。

未来はそもそも不確実なものですが、状況によってその不確実さの程度は様々です。

「きっと、こうなるだろう」という決まり切った状況もあれば、「一体どうなってしまうのか、まったく分からない」という想定不可能な状況もあります。

FXでは、不確実性が低くて「きっと、こうなるだろう」と思われる状況を「リスクが低い」といい、不確実性が高くて「どうなるかまったく分からない」という状況を「リスクが高い」というのです。

先程の2つの例を、この視点で改めて見てみましょう。

飲酒運転をすれば、高い確率で何らかの問題や事故を引き起こすため、不確実性は低いといえます。「きっと何か問題が起きるに違いない」わけですし、何かあった時の被害が大きくなる確率は極めて高いです。

ですからこれは「リスクが低い(不確実性が低い)」ということになります。

また、無謀な商売を始めることも高い確率で失敗してしまうでしょうから、不確実性は低いといえます。商売に投じたお金はほとんど失われるでしょうし、収支は大きなマイナスで終わることが容易に想定できます。

ですからこれも「リスクが低い(不確実性が低い)」ということになるのです。

ちなみにこれらを言い換えるなら、「大きな被害や損失を出すための低リスクな行動は、飲酒運転をしたり無謀な商売を始めたりすることだ」となります。

プラスであれマイナスであれ、結果が容易に想定できて、その利益や損失の程度も想定できるなら、それは「リスクが低い」──これがFXの世界での『リスク』の考え方です。

「FXはハイリスクだ」といわれる理由

FXへのイメージとしてよく耳にする「FXはハイリスクだ」という言葉。FX初心者のあなたも一度は目にしたことがあるはずです。

この言葉は、ここまで見てきた「リスクの意味」を踏まえることで、正しく理解することが出来ます。

一般の多くの人々は、FXの「ハイリスク」というものを、単に「危険なもの」という風にしか捉えられていません。これ自体が間違っているという訳ではありませんが、本質を捉えられていないのです。

確かにFXはハイリスクです。これは間違いありません。

では何がどうハイリスクなのかというと、「どれくらいの利益や損失になるのか、とても不確実だ」という意味でハイリスクなのです。つまり、結果の不確実性が極めて高いということです。

大事なのは、先程の2つの例とは違って「どれだけ大きな“利益”になるのか」も分からないという点です。

先程の例では、その行動によって生じる結果の不確実性は低いものでした。

どちらも「大きなマイナスの結果になる」ということが想定され、「大きなプラスの結果になるのでは?」という風には考えられませんでした。

しかしFXトレードでは、良い結果と悪い結果の両方が起きる可能性があります。

さらに、それがどの程度の大きさの結果になるのかも不確実であり、起きる結果の範囲がとても広い(大きな損失から大きな利益まであり得る)ということなのです。

リスクは積極的にマネジメント(管理)していくことが大切

FXのリスクマネジメント

ここまで見てきたように、FXはハイリスク──つまり、どれだけ大きな利益や損失になるかが分からない、とても不確実な(不確実性が高い)世界です。

確かに大きな利益が得られる可能性があるわけですが、同時に大きな損失になるかもしれないので、冷静に考えればFXは恐ろしくてやっていられません。

しかし現実には、こうしたことを理解しないまま、大勢のFX初心者たちが「大きな利益の可能性」だけを求めてトレードしてしまい、ハイリスクのもう一方である「大きな損失」を現実化させてしまっています。

まずFX初心者に求められるのは、正しいリスクの理解とその対策を知ることです。本来はFXを始める前に、まずリスクをマネジメント(管理)する方法を学ぶことが必要なのです。

ここからは、リスクへの対策方法である「リスクマネジメント(リスク管理)」について、その概要を解説していきます。

今すぐ理解して実践できなくても、リスクマネジメントのことをあらかじめ知っておくことで、いずれ将来その必要性に気づいたときにスムーズに身につけていけますので、ここでしっかり目を通しておいて下さい。

不確実なものを確実に当てることは不可能

FXの世界は、誰に対しても平等に「ハイリスクな不確実性」を突きつけてきます。

そんな中で多くのトレーダーは、勝つか負けるかというトレードの結果だけにこだわって、確実に勝つことを目指しています。

これを言い換えるなら、「確実に未来を当てる(予想する)ことによって不確実性を克服しようとしている」といえます。

FXトレーダーの多くが囚われてしまっているのが、この「不確実なものを確実に当てる」という方法なのです。

人は未来のことは決して分かりませんし、FXという不確実性の高い世界ではなおさら不可能なことですから、そのような試みは残念な結果に終わるだけです。結局は、不確実性に翻弄されるばかりになってしまいます。

FX初心者のあなたに知っておいて欲しいのは、未来を確実に当てようとしなくてもFXで利益を出すことは十分可能だということです。

不確実性のなかにある確率的な傾向に従っていく

未来を確実に当てようとしなくても利益が出せるというなら、一体どうやればいいのでしょうか?

それは、不確実性のなかに存在している「確率的な傾向」を利用することです。

FXはその多くの時間、値動きがどうなるか分からない状態になっています。レートがこれから上昇するのか下降(下落)するのか、まったく分からないのが通常の相場状況なわけです。

しかし何らかのタイミングで、上か下かどちらかへ動く確率が高くなるときが訪れます。

そのとき、その確率的な偏りに従ってトレードすることが、利益を出していくために重要なことなのです。

これを「確率的な傾向に従う」といい、その確率的な偏りが発生する状況のことを「優位性がある状況」と呼びます。

私たちFXトレーダーがポジションをもつ場合には必ず、この「優位性がある状況」でなければなりません。

優位性がある状況を見極め、その状況でのみトレードをしていくことよって、損失の確率をおさえられるわけです(損失のリスクを小さく出来ます)。

損失のリスクは限定させて、利益が得られるリスクを残す

FXはハイリスク──つまり、どれだけ大きな利益や損失になるのか分からないわけですが、私たちトレーダーは、その損失については一定の範囲でコントロールすることが可能です。

それは「損切り」をつかうことによって可能になります。

簡単にいえば、大きな利益になるリスク(不確実性)を残しつつ、大きな損失になるリスク(不確実性)を限定させるのです。

エントリーするときには常に、あなたが許容できる損失額の範囲内で損切り注文(ロスカット注文)を入れておきます。

こうすることによって、突発的で大きなアゲインスト(逆方向)の値動きになっても、損失を許容範囲内に抑えることが出来ます。

例えるなら、もしものためのシートベルトをしっかりと装着しておくということです。

このとき、損切りするレートまでの値幅と証拠金の量をもとにポジションの大きさを決めることを「ポジションサイジング」といい、リスク管理の重要な要素になります。

リスクに対する損切り注文の必要性については、下の記事で具体的に解説していますので参考にして下さい。

あなたはFXでエントリーするとき、損切り注文を入れていますか? 「ダメなときは自分で損切りするから、入れてないよ」という人も多い...

不確実性の世界で関われるのはプロセスだけ

リスク管理の実践

FXという不確実性が支配する世界では、結果を完全に予測することは不可能です。未来を当てることは出来ませんし、結果をコントロールすることも無理なのです。

では私たちトレーダーは、FXの不確実性に対して無力なのかというと、決してそうではありません。

ひとつ、あなた自身がコントロールすることが出来るものがあります。

それが「トレードのプロセス(過程)」です。つまり、それまでの準備と今現在の行動は、あなた自身が選択して決められるのです。

ここまで見てきた「優位性の判断」も「損切り注文の活用」も、未来の不確実なトレード結果が確定する前の「トレードのプロセス」として行うものです。

あなたはトレードのプロセスにフォーカス(注目)することによって、不確実性に翻弄されずに「確率的な傾向(優位性)」に従ってトレードしていくことが可能になります。

結果がどうなるかは分からないが、リスクマネジメント(リスク管理)をしながら、優位性のある状況でのみトレードをしていく。

──このことをFX初心者のあなたは、しっかりと記憶しておいて下さい。

テクニカル分析もリスクマネジメントのひとつ

あなたは、テクニカル分析は利益に直結する「お金を稼ぐための方法そのもの」だと思っているかもしれません。

しかし実際は、テクニカル分析は“FXトレード”という全体の一部に過ぎず、他の様々な要素と関係し合ってその役割を果たしています。

ここまでの内容によって既にお気づきのように、そもそもテクニカル分析は未来を当てる道具ではありません。

あくまでも、チャートから優位性を見出して活用していく際の「ガイド役」であり「ものさし」です。

そこから分かることは「こうなる確率が比較的高い」という確率的な傾向に過ぎません。

しかし、このテクニカル分析によって明らかになった「確率的な傾向(優位性)」を利用することで、本来ならば極めてハイリスクなFXにおいて、損失リスクを限定しながらトレードをしていくことが可能になります。

つまりテクニカル分析は、リスクマネジメント(リスク管理)の手段でもあるということです。

「テクニカル分析は勝つためのもの」という考え方を一度脇へ置いて、「テクニカル分析はリスクを限定するためのもの」として捉えてみることで、トレードで大きな損失を出してしまったり、一回のトレード結果の勝敗に苦しんだりすることが減るはずです。

無駄な損失を減らすだけで、トータル収支がプラスになる可能性がある

多くのトレーダーがやりがちな失敗のひとつは、せっかく積み重ねた利益を、大小様々な「無駄で無用な損失」によって失ってしまうことです。

「あんなトレード、しなければよかった……」という後悔は、誰もが一度は経験するものです。

あなたはこの先、FXトレードを続けていくわけですが、もしいつまでも利益が出せなくて苦しくなったら、次のことを思い出して下さい。

  • 無駄なトレードによる損失を減らすだけで、すぐにでもトータルプラスに出来る可能性がある。

感情的になって飛びついてエントリーしたり、損切りを遅らせたりしてしまうことも、マネジメント(管理)すべきリスクのひとつです。

そのために出来ることを取り入れていくことで、徐々に無駄なトレードによる損失を減らすことができ、手元に残る利益が増えていくはずです。

損失のリスク(不確実性)を減らしつつ、利益のリスク(不確実性)を残していくことを繰り返していけば、その先には自然と「トータルでのプラス」という成功の果実が待っているということなのです。

無駄な損失を減らすための方法のひとつとして、下の記事を参考にしてみて下さい。

「自分なりのトレード手法もあるし、どこでエントリーして、どうやってエグジットすればいいのか分かっているつもりだ」 「でも...

FXで稼ぐには生き残らなければならない

トレードの成功者は全員、相場の世界で生き残った者たちです。

FXにおける『リスク』というものをしっかり理解して、日々のトレードでとにかく生き残っていくこと。これを続けていれば、心配しなくてもチャンスは繰り返し訪れますし、いずれ結果が得られます。

しかしそのチャンスをつかむには、チャンスが訪れたその時、あなたがFXの世界で生き残っていなければなりません。

生き残るためには、リスクを管理することが必要です。

難しく考えずに、損失の確率が少しでも減るようなことを行えばいいのです。そのための方法とその概要は、ここまで説明した通りです。

理想をいえば、一通りのリスクマネジメントを学んで実践できるようになってから、本格的なFXトレードを始めるのが一番リスクが低いですが、それは難しいかもしれません。

ですが、何かのきっかけでその必要性に気づいたなら、それ自体があなたの「FXでの生存率」を上げることにつながり、チャンスをつかめる確率が高まることでしょう。

リスクの意味と不確実性への対処法~まとめ

リスクとは、一般的には危険の有無や程度をあらわす言葉ですが、FXを始めとした投資・投機の世界では、不確実性の度合い(変動幅)をあらわす言葉としても用いられます。

利益であれ損失であれ、そうなる確率が不確実であればあるほど「リスクが高い」とされ、反対に確実性が高ければ「リスクが低い」とされます。

FXはハイリスクだといわれていますが、その本質は「結果の分からなさの程度」が大きい点にあります。大損するのか大儲けになるのか、どうなるか分からないということです。

このようにFXは極めて不確実な世界であり、そんな不確実性の高い状況で何かを判断していくときには、結果がどうなるかに注目していては駄目。

あくまでも確率が高いか低いかに注目し、確率が高い(優位性のある)場面でのみ行動していくことが必要です。

不確実性が支配するFXの世界において、あなたが関わることが出来るのは「結果」ではなく「行動(プロセス)」だけなのです。

以上、『リスク』とは?その意味とFX初心者が知るべき不確実性の対処方法についてお伝えしました。

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