FXで勝てるトレード手法を求めて、あなたもネット上を探し回ったり本を読んだりしながら、それを実際に試したりしていると思います。
もしそうなら、ちょっと待って下さい。そのままだと不安と迷いの中、いつまでも結果が出ずに稼ぐことができない可能性があります。
『FX初心者に伝えたい大切なこと』シリーズ2回目の今回は、FX初心者のあなたがリアルトレードでいきなり大怪我をしないように──
- FXの世界のとても重要な約束事。
- 勝っているFXトレーダーたちが大切にしていること。
- FXの世界で勝ち抜いて稼ぐための方法。
──についてお伝えします。
これらを理解することで、不安と迷いに苦しみ続けるのではなく、勝つために本当に大事な行動を実践していけるようになるでしょう。
シリーズ『FX初心者に伝えたい大切なこと』
FXは真剣勝負のゼロサム競技である
FX初心者に知っておいて欲しい、FXの世界のとても重要な約束事。その一つ目は「FXは真剣勝負のゼロサム競技である」ということです。
FXは「ゼロサム」の世界です。
ゼロサムとは、利益を得て稼いだ人たちの「利益の合計金額」と、損失を出した人たちの「損失の合計金額」をトータルすると、プラスマイナスゼロになることを指します。
FXの実態をシンプルに言えば、みんなでひたすら通貨を両替し合っているだけであり、誰かが稼いでいるその裏では、必ず誰かが損失を出しています。
つまり、世界中のトレーダーたちが自分の資金を賭けて奪い合う「真剣勝負の競技」をしている──ということなのです。
あなたがFXで利益を得たとき、そのことで相手に申し訳ないとか、良くないことをしているといって気後れする必要はありません。
なぜなら、FXに参加しているトレーダーは皆、この競技のルールを受け入れて承知した上で、「自らの意思」でこの真剣勝負に参加することを決断したはずだからです。
逆に言えばFXを始めたあなたも、FXが「お金を賭けた真剣勝負の競技」であることを受け入れているはずですし、そもそも、そうでなければFXに参加してはいけないのです。
FXは自己責任の世界である
FX初心者に知っておいて欲しい、FXの世界のとても重要な約束事。その二つ目は「FXは自己責任の世界である」ということです。
FXに参加する以上、相場で大きな損失を出してしまったとしても、それは他の誰のせいでもなく、あなた自身の責任なのだということを忘れてはいけません。
「今のは無かったことにして!」といって泣こうが喚こうが、誰も相手にしてくれません。FXの初心者だからといって大目に見てくれることもありません。ここは完全な自己責任の世界です。
もし損失に異議があるなら、それこそ自己責任で相手(FX会社など)を訴えて主張を通す──そういうところまでを含めて自己責任が問われるのが、このFXという世界です。
あなたも過去に、次のようなニュースを見たことがありませんか?
こうした報道を見たあなたは、こう思っていたのではないでしょうか──「そうなったのも自己責任だよね」と。
これからあなたは、このニュースに登場したFXトレーダーと同じ立場に立つ可能性があるのであり、その「自己責任」という言葉を自分自身へしっかりと向け直すことが大切です。
FXという自己責任の世界で稼ぐためには“依存心”は大敵
FX初心者のあなたは、これからFXについて学んだり、チャート検証やトレード練習をしたりしていくことでしょう。
そこで最初に注意しておきたいのは、本やFX教材、ブログなどで解説されているトレード手法を、「この通りにすれば勝てる」と思って、いきなりリアルトレードで使ったりしないことです。
例えその手法が本当に素晴らしいものであり、実際にその手法で勝っている人がいたとしても、それを使っていきなりトレードをしてはいけません。
それは、柔道や空手の本を読んだだけなのに、それだけで実戦に挑むようなものだからです。
例えば将棋やチェスなどでは、ルールブックや解説書を読むことで、確かに初心者でも一通りの戦術や勝率の高い「手法」を知ることは出来ます。
また、スポーツでも優れたコーチに指導してもらうことで、効果的な体の動かし方やスポーツ理論を教えてもらうことが出来ます。
しかしそうした知識は、実戦的な練習を通してしっかりと身につけていく必要がありますし、いざ競技が始まれば、そこで頭と体を動かして戦うのは自分自身であり、書籍やコーチが手取り足取りあなたの体を動かしてくれたり、代わりに競技をしてくれるわけではありません。
こうして他の競技に例えると当たり前に思えることが、なぜかFXトレードになると分からなくなってしまう人が多いものなのです。
依存心によって生まれる誤解
次のようなFX初心者が思いがちなことは、どれも間違いです。
- 勝っているトレーダーのトレード手法を知れば、それだけで稼ぐことが出来るはずだ。
- 勝っているトレーダーのエントリーと決済のタイミングを真似(コピー)すれば、自分も今すぐ稼ぐことが出来るはずだ。
- 勝っているトレーダーに教えてもらえさえすれば、稼げるようになるはずだ。
そして、これらの考え方に共通しているのは「依存心」であり、自己責任の世界であるFXにおいては、これが最も危険な要素なのです。
(1)の場合、そのトレード手法ですぐに勝てなければ(稼げなければ)、「手法が悪い」といって別のトレード手法を探し始めることになるでしょう。
そもそもトレード中に「本当にこの方法で大丈夫なのか?」と迷いが生じて、手法通りにトレードできない可能性も大きいです。こうした迷いがあっては、いくらそれが本当に勝てるトレード手法だったとしても、結果を出すことは困難です。
自分の理解不足や未熟なスキルが原因で手法を扱い切れなかったかもしれないのに、そこで自分を省みることが出来なければ、また次のトレード手法でも同じように稼げない可能性があります。
(2)の場合、勝っているトレーダーから配信されてきたエントリー情報を受け取っても、「え?ここで買うの?無理ムリ!」と感情的に受け入れられず、結局は指示通りにトレードが出来ない可能性があります。
(3)の場合、なかなか稼げない状態が続くと、「教え方が悪い」といって指導者を責めるようになり、もっといい指導者から教えてもらおうとするでしょう。そしてまた「教え方が悪い」といって、次々と指導者を乗り換えていくことになるでしょう。
このような依存心がある内は、自己責任のFXの世界で生き残ってお金を稼ぐことは、極めて難しいと言わざるを得ません。
依存心が引き起こす「聖杯探しの罠」についても、下の記事を読んで理解しておいて下さい。
FX初心者のあなたは、こうしたFXの約束事を十分に心得ておく必要があります。
次は、ここまでの内容を踏まえながら、初心者がこのFXの世界で勝ち抜いてお金を稼いでいくにはどうすればいいのかについて、具体的に解説していきます。
FXという“自己責任の世界”で、初心者が勝ち抜いて稼ぐための方法
自己責任の世界であるFXトレードで稼ぐためには、何事もすべて自分自身で決めていくことが重要です。
リアルトレードという実戦の場で、トレード判断に迷いが生じないようにするためには、「何事もすべて自分自身で決めていく」という姿勢で取り組んでいくことが求められます。
そこでFX初心者のあなたには、次の「自分で決断して勝ち抜くためのステップ」を活用してもらいたいと思います。
「自分で決断して勝ち抜くためのステップ」
- 情報(自分で試した結果や新しい知識)を集める。
- 情報をもとに仮説を立てる。
- 検証して確かめる(理解する・納得する)。
- 実際のトレードで試してみる。
- (1)へ戻る。
このステップは、自分で一からトレード手法を作り上げる場合はもちろん、本やFX教材によって手に入れた手法を使う場合にも活用して下さい。
ここからは、この「自分で決断して勝ち抜くためのステップ」について具体的に解説していきます。
自分でトレード手法を作る場合
①情報(自分で試した結果や新しい知識)を集める
FX書籍やブログを通じて、テクニカル分析の知識やトレード手法作りの情報を集めていきます。そして、勉強してみて新たに出てきた疑問点についても、さらに深堀りして調べていきます。
このブログの記事や、下のFX専門用語集も参考にして役立てて下さい。
②情報をもとに仮説を立てる
収集した情報をもとに、「こういうときは、こういう値動きになることが多いんじゃないか?」という風にして仮説を立ててみます。
難しく考えたり、誰も気づいていないような新発見を求めたりする必要はありません。ごく当たり前に思えるようなことこそ、ここで仮説として取り上げておくことが大切です。
「そうはいっても、仮説を立てるなんて難しい」という場合は、下の記事を参考にしてみて下さい。仮説を立てて検証をしていく流れについて、具体的に解説しています。
③検証して確かめる(理解する・納得する)
止まった過去チャートを振り返って、実際に仮説通りの値動きが現れているかを確かめます。
例えば「特定のローソク足の組み合わせが現れたら、そこから反転していく」という仮説を立てたのなら、過去チャートの中で、そのローソク足の組み合わせをある程度の数(30個以上)探してチェックします。
30個中、20個で反転していったという結果が得られたなら、それまでは「このパターンは何となく反転するものなのかもしれない」という程度だった理解が、「約67%の確率で反転する」という“納得”へと変わるはずです。
検証で明らかになったことを組み合わせて「トレード手法の試作品」が出来たら、過去チャートやトレード練習ソフトを使って模擬トレードを行ってみます。
模擬トレードを何度も繰り返してみて、このトレード手法で確かにトータルで利益を上げて稼げるのだという「納得」を得ていきましょう。
こうした「自分自身の実感を伴った“理解と納得”」を得ていくことが検証の目的であり、この実感があるからこそ、リアルトレードでも迷わずに行動していけるのです。
④実際のトレードで試してみる
検証で明らかになったことを組み合わせてトレード手法の試作品が出来たら、実際にリアルタイムで動くチャートで試してみます。
その際、いきなりお金を使ったリアルトレードで試すのではなく、まずはデモトレードで試していきます。
日常の生活のなかでリアルタイムに動くチャートだからこそ生じる「トレードの問題点」が色々と出てくるでしょうから、それをしっかり記録して対応していきましょう。
ここでの焦りは禁物です。デモトレードで安定した成績が出せるかどうかを見極めてから、リアルトレードに進んで下さい。
デモトレードについては、下の記事を参考にして下さい。
⑤ステップ1へ戻る
実際に試してみたことによって、修正点や問題点、疑問点などが出てくるはずです。それを新たな情報として収集し、再びステップ1へ戻りましょう。
このようにして①から⑤のステップをグルグル何度も繰り返し、らせん階段を昇るようにしてトレード手法をブラッシュアップして(磨きをかけて)いきましょう。
本やFX教材によって手に入れたトレード手法を使う場合
①情報(自分で試した結果や新しい知識)を集める
まずは、手に入れたトレード手法を理解するために必要となる知識を集めていきます。
その手法で用いられている専門用語やテクニカル指標など、手法を使う上でよく分からないことについて、しっかりと情報を集めて勉強していきましょう。
例えるなら「教科書を理解するために、参考書をつかって勉強する」ということです。
②情報をもとに仮説を立てる
すでにトレード手法を手にしているので、最初のうちは仮説を立てる必要はありません。
しかしこのステップを何周かしているうちに、トレード手法を自分に合わせてカスタマイズするアイデア(仮説)が浮かんでくる可能性があります。
最初から我流でトレード手法に手を加えるのは、素人がシェフの料理をいじるようなもので、不味い結果になるだけです。
ですが、手法への理解度と納得度が向上してきたら、その理解と納得に裏付けられた改善が可能になってきますので、浮かんできた仮説は次のステップで検証して活かしていって下さい。
③検証して確かめる(理解する・納得する)
トレード手法を手に入れた場合に重要になってくるのは、この「検証する」ステップです。
多くのFX初心者はこのステップをすっ飛ばして、いきなり手法を使ってリアルトレードを始めてしまうため、迷いと混乱のなかでルール通りの判断ができない結果、稼げないばかりか無用な損失の山を築くことになってしまうのです。
最初は止まった過去チャートの上で、手法に従った場合のエントリー&決済ポイントを追っていくことから始めていきましょう。
こうして手法への理解を深めていったら、次にトレード練習ソフトを使って模擬トレードを行っていきます。
模擬トレードを何度も繰り返しながら、自分が正しくトレードルールに従えているかをチェックしましょう。そして、このトレード手法で確かにトータルで利益を上げられるのだという「理解と納得」を積み重ねていきましょう。
④実際のトレードで試してみる
検証をすることによって、借り物の道具ではない「あなたの手に馴染んだ武器」となったトレード手法をつかい、次は実際にリアルタイムで動くチャートで試してみます。
その際、いきなりお金を使ったリアルトレードで試すのではなく、まずはデモトレードで試していきます。
日常生活のなかで、リアルタイムに動くチャートでのトレードだからこそ生じる「問題点」が色々と出てくるでしょうから、それをしっかり記録して対応していきましょう。
繰り返しますが、ここで焦ってリアルトレードで稼ごうとするのは禁物です。デモトレードで安定した成績が出せるようになってから、まずは少額でリアルトレードを始めるようにして下さい。
そのリアルトレードをする前にも、出来るだけ下の記事で解説しているような取り組みをしてみて下さい。
⑤ステップ1へ戻る
実際にリアルタイムに動くチャート上で試してみたことによって、手法への思わぬ理解不足や疑問点などが出てくるはずです。
それを新たな情報として収集し、再びステップ1へ戻りましょう。
このようにして①から⑤のステップをグルグル何度も繰り返し、らせん階段を昇るようにしてトレード手法に習熟していき、その手法をあなた自身のものにしていきましょう。
勝っているFXトレーダーは、自分が納得したものしか使わない
FX初心者のあなたは、これから優れたトレーダーになってお金を稼いでいこうと考えているなら、FXトレードでは自己責任が鉄則だということを忘れないで下さい。
不安になったり弱気になったりしたら、人はすぐに依存心に囚われてしまうものです。
「弱り目に祟り目」という言葉があるように、そうした状態に陥ると安易な解決方法に引き寄せられてしまいやすくなります。
そんなときに「これを使うだけで簡単に稼ぐことが出来る」とか「誰でもすぐに結果が出せる」といった甘い言葉をささやかれると、グラッときてしまう──そんな気持ちも分かります。
しかしそういう時こそ、FXが自己責任の世界であること、そしてFXで本当に力を発揮するのは「自分が理解して納得したことだけだ」ということを思い出して下さい。
多くのFX初心者は、先ほど解説したステップの②と③(仮説と検証)を実行しないものです。
そして、①と④(情報収集と実際のトレード)だけを力尽きるまで、ひたすら繰り返してしまいます。
そこにあるのは不安と迷いばかりです。
これでは稼ぐことは出来ず何も身に付きませんし、何の自信も積み上がっていきません
勝っているFXトレーダーは皆、自分のトレード手法への深い理解と納得感をもっていて、常に「理解と納得に裏付けられた行動」をすることを大切にしています。
勝っているトレーダーにとっては、一回のトレード結果が利益になろうと損失になろうと何の意味もなく、重要なのは「自分が納得して信じていることに従って、しっかり行動できたか?」ということなのです。
この心境に至ることによって、冷静にトレードを繰り返して利益を重ねて稼いでいけるのであり、そのためには仮説と検証を繰り返して、「自分なりの理解と納得」を深めていく必要があるのです。
FX初心者が相場で勝ち抜いて稼ぐ方法~まとめ
FXは決して甘い世界ではありません。
確かに小さな資金でも始められて、大きな利益を生み出す可能性がある、とても魅力のある世界ではありますが、その実態はとても厳しい戦場なのです。
その厳しさを象徴する言葉のひとつが「自己責任」です。
FXでは稼げる可能性と共に、大きな損失を出してしまう可能性もあり、そこで生じた結果はすべて、他でもないあなた自身の責任になります。
この事実を認めて覚悟を決めることで、あなたが取るべき行動は自ずと変わってくるはずです。
FXトレードでどう判断し行動するかは、最終的にはあなた自身が決める必要があります。ですから、そこに「迷い」があってはいけません。
FXの世界では「あなたが納得して信じることが出来るもの」しか使いものにはなりません。そして、トレード中は「自分が決めたことをしっかりと守って実行できているか」ということに意識を向けて下さい。
以上、FX初心者が自己責任の相場で勝ち抜いて稼ぐ方法とは?についてお伝えしました。
引き続き、こちらの記事をどうぞ
シリーズ『FX初心者に伝えたい大切なこと』第3弾。