FX初心者がお金を稼げるようになるためには、普段あまり語られることのない「ある大切な準備と練習」をしておく必要があります。
その「準備と練習」とは、FX口座をつかって実際にお金をリスクにさらしながら行うもので、そこには実戦さながらの真剣さが求められます。
今回は、その特別で大切な「準備と練習」と、それを実践するときに大変役立つ「スクラッチトレード」について、詳しく解説していきます。
スクラッチトレードとは、簡単にいえば「エントリー後、損益がプラスマイナスゼロになったらすぐに決済してしまう」という、特殊なトレード練習方法のことです。
この記事の内容を実践すれば、あなたは鍛え上げられた新兵のように、為替相場という戦場で冷静かつ的確にトレーディングしていけるようになるでしょう。
FX初心者が受ける“厳しい洗礼”
あなたは、初めてFXトレードをしたときのことを覚えていますか?
虎の子の大金をリアル口座に入金してチャートを開き、チカチカと動く画面を見つめます。
ドキドキする胸の鼓動、冷たくなってきた指先。
目の前に映っているのは「利益への期待」、いや「爆益の確信」でしょうか。
そして緊張しながら、おもむろにエントリーボタンをクリック。
画面には「約定しました」というアラートと「ドル円:買い:○○万通貨」の表示。
「あっ、売買ロット数を設定するのを忘れてた!」
そこに表示されていたのは、予定にはなかった大きな買いポジションであり、一気に血の気が引きます。
「どうする……? 今すぐ決済してしまおうか。でもスプレッド分でいきなり○千円の損になるし……」
ハラハラしながら考えていると「ズドン!」とレートが下がります。
その瞬間に含み損は一気に増え、怖くなってパニック状態になりながら「決済ボタン」をクリックします。
ところが、そこに表示されたのは「約定しました。買い:○○万通貨」という文字。
ああ、なんということでしょう……!
決済ボタンと間違って再び「買い注文」をクリックしてしまい、さらにポジションをもってしまったのです。
しばらく呆然としながらも、その間にさらにレートは下がっていき、泣く泣く損切りをする結果になり、こうしてFXデビューはほろ苦いものとなりました。
FX初心者のトラブルの多くは準備不足が原因
こうなってしまった原因を一言でいえば、つまりは「準備不足」です。
FXトレードは、その見た目だけを見れば「買い注文か売り注文かを決めてマウスをクリックするだけ」でしかありませんから、何も難しいことはないように見えます。
しかし、そんな簡単な動作だったとしても、やはりFX初心者は事前にしっかりと予行練習をしておかないと、先程の例のように実戦でオロオロする羽目になります。
それに、準備不足だと精神的にも余裕がなくなって、ますますミスを呼び込みやすくなります。
そうした負のスパイラルによってパニックに陥ってしまうと、自分でも思ってもみなかったような「とんでもない行動」をしてしまう可能性も生じます。
先ほどのエピソードでの「売りと買いの注文を間違える」というのは、トレード中の典型的なパニック行動のひとつであり、FX初心者あるあるとして有名なものです。
そして何よりも、「FXトレードでのミスは、常に大きな損失に直結している」ということを忘れてはいけません。
例えるなら──為替相場でトレードすることは、壊れやすい宝物を両手に抱えながら、細い平均台の上を歩くようなものです。
ほんの少しの気のゆるみによってバランスを崩せば、その大切な宝物もろとも落下してしまいます。
壊れてしまった宝物を見つめながら「もっと慎重に行動すればよかった……」と嘆いても後の祭りです。
このように、ちょっとしたうっかりミスが、あなたの証拠金に大きな傷を残す結果につながってしまいますから、ミスの芽は初心者の内に摘んでおく必要があるのです。
FXのリアル口座をつかって練習を行う
このブログを熱心に読んで下さっているあなたなら、FXでお金を使ったリアルトレードを始める前に「チャート検証」や「トレード練習」をすることが大切だということは、きっとよくご存じだと思います。
検証や練習はまさに、リアルトレードへ向けた“準備”なわけですが、しかしそれだけではどうしても足りないものがあるのです。
それは、リアル口座をつかって行う準備と練習です。
つまり、あなたの大切な資金が相場のリスクにさらされた状態でやらなければ意味がない、そういう大切な「準備と練習」があるということです。
FX初心者がこの「準備と練習」を行うことによって、リアルトレード中にオロオロと狼狽したり、パニックに陥ったりすることが減り、先程のエピソードにあったようなミスを防ぐことが出来るようになります。
これを本格的なリアルトレードへ向けた大切な一項目として捉えて、普段のチャート検証やトレード練習と併せて、ぜひ実践していってもらいたいと思います。
この「準備と練習」の内容は、次のようなものです。
FXのリアル口座をつかって行う「準備と練習」
こうした準備と練習を、ひとつずつ個別に行っていっても良いのですが、実はこれらを一つの方法で実践することが出来る、とてもいい方法があるのです。
それが「スクラッチトレード」です。
スクラッチトレードとは何か?
スクラッチトレードとは、簡単にいえば「エントリー後、損益がプラスマイナスゼロになったらすぐに決済してしまう」という、特殊なトレード練習方法のことです。
エントリーして、レートがスプレッドの分だけ動いて損益が±0になったら、直ちにそこで決済する──これがスクラッチトレードです(反対方向へ動いたら小さく損切りします)。
これだけを見ると、一体なんのためにトレードしているのか分からないと思います。
どれだけポジションを決済しても利益は得られず、ただ単に小さな損失を出しているだけにしか見えないでしょう。
しかしこれこそが、FX初心者がトレードの実戦的なスキルを向上させるための格好の手段なのです。
実際、欧米の投資機関やプロップファームでは、トレーダーを養成する際に活用されていて、新米トレーダーはこのスクラッチトレードで訓練をすると言われています。
しかし欧米では、この特殊なトレード方法が訓練に用いられていることから、スクラッチトレードといえば「ブレイク・イーブン」ではなく「特殊なトレード方法」のことを指す場合が多いです。
スクラッチトレードをすることで得られるもの
一見すると、いくらトレードを繰り返しても、ただ小さな損失を増やしていくだけに見えるスクラッチトレード。
スクラッチトレードをすることで一体どんなメリットがあるのでしょうか? その損失(コスト)に見合うものが得られるのでしょうか?
では、そのメリットをリストアップしてみます。
スクラッチトレードのメリット
- FX口座での発注操作に慣れていくことが出来る。
- FX口座の資金(証拠金)をリスクにさらすことの「心理的プレッシャー」に慣れていくことが出来る。
- 自分が冷静に売買できるロット数の限界を知ることが出来る。
- トレード手法に淡々と従い続けることを習慣にすることが出来る(規律が身につく)。
- 目の前の1トレードの損益結果ではなく、“統計”(一定回数のトレード結果)に注目できるようになる。
- 利用しているFX口座の「約定力(取引注文の通りやすさ)」と「本当のスプレッド」を知ることが出来る。
このように、スクラッチトレードを行うことには数々のメリットがあります。
そして、先ほど示した「準備と練習」──
- 取引ツールでの売買方法に習熟すること
- リアルなポジションをもつ心理的プレッシャーに慣れること
- 注文の通りやすさを確認すること
──これらすべてを、スクラッチトレードによって満たすことが出来るのです。
これが、FXでリアルトレードを始める前にスクラッチトレードをおすすめする理由です。
続いて、スクラッチトレードのメリットについて具体的に見ていきましょう。
①プレッシャーの中での発注操作に慣れていくことが出来る
実際にやってみると分かるのですが、ルールに従ってエントリーすると、そのときの値動きによってはエントリー直後に決済することになり、取引ツールでせわしなく売買注文を繰り返すことになります。
その間も、ちゃんと注文が約定されたのか、ロット数は正しいか、スリッページはどうだったか、といったことを確認していく必要があります。
何よりも、それらをデモトレード環境ではなくリアルなFX口座をつかった状態──すなわち「大切な証拠金が実際にリスクにさらされた状態」で行わなくてはなりません。
このような心理的負荷が掛かった状態のなかで、シンプルなトレード判断と発注操作を何度も繰り返すことによって、取引ツールの操作にぐんぐん習熟していくことが出来ます。
しかもスクラッチトレードでは、あらかじめトレード中の判断が最小限にとどめられています(スプレッド分だけ値が動いて建値撤退するか、所定の値幅だけ逆行したら問答無用で損切りする)。
ですから、普通のリアルトレードよりも「判断ミスによるリスク」を抑えた状態で練習することが可能なので、FX初心者に適しています。
②FX口座の資金をリスクにさらす「心理的プレッシャー」に慣れていける
あなたが初めてリアルなFX口座でポジションをもったとき、どんな気持ちがしましたか?
自分の大切な証拠金が損益モニター上で時々刻々と増減する様子を、冷静に見ていられましたか?
ちなみに、私の初めてのリアルトレードのときは、トレード手法もちゃんと理解できておらず、エントリー前からドキドキしていました。
いざクリックしたら、その瞬間からチャートからまったく目が離せなくなり、それどころかマウスを握る手が固まって動かせなくなり、全身から血の気が引いていったのです。
その後は怖くなって、訳の分からないまま微損で決済しました。
その直後、激しい緊張から解放されて、まるで命が助かって逃げ帰って来たかのように、イスの上でぐったりとしてしまいました。
FX初心者のあなたがこれから取り組むスクラッチトレードでは、あらかじめトレード手法が明確に決まっている上に、決着がつくのも早いです。
やるべきことがハッキリと決まっていて、決済タイミングもすぐに何度も訪れるため、自然に無理なく反復練習をしていけます。
FX初心者が心理的プレッシャーに慣れるための基本は、シンプルな動作を何度も繰り返して、小さな成功体験を積み重ねていくことです。
スクラッチトレードには、この「シンプルさ」と「小さな成功」が詰まっているのです。
こうしてスクラッチトレードを繰り返していくことで、証拠金を相場のリスクにさらすプレッシャーに少しずつ慣れていくことが出来ます。
③自分が冷静にトレードできるロット数の限界を知ることが出来る
スクラッチトレードを始めるとき、まずはそのFX口座で発注できる「最小ロット」でエントリーします。
そこから徐々にポジションサイズ(ロット数)を大きくしていって、自分が冷静にスクラッチトレードを出来るかどうかを観察していくわけです。
観察ポイントとしては、例えば次のようなものがあります。
- 呼吸が浅くなる。
- 指先が冷たくなってくる。
- 腰がふわふわしてくる。
- 心拍数が上がる。
- 画面から目が離せなくなる。
- マウスから手を離せなくなる。
- etc…
こうした体調変化が目立ってきたら、そこがあなたのポジションサイズの限界です。
もうひとつ重要な観察ポイントは、「損切りに大きな苦痛を感じるかどうか」です。
わずか2~3pipsの損切りにすら大きな苦痛を感じるようなポジションサイズは、すでにあなたの限界を超えています。
こうして、あなたが冷静にトレード可能な上限を知ることによって、それ未満のポジションサイズでのトレードに自信がもてるようになり、リアルトレードの安定感が増します。
④「トレード手法に淡々と従い続けること」を習慣にすることが出来る(規律が身につく)
FXで利益を上げていくときに重要なのは、優位性のあるトレード手法をルール通りに淡々と繰り返していくことです。
これがとても大切なのですが、実際には実践できていないトレーダーが目立ちます。
多くのFXトレーダーが手法通りに売買を繰り返せないのは、そのトレード手法が複雑だったり、裁量判断が多過ぎたりすることが原因の可能性があります。
その点、スクラッチトレードはルールがシンプルで、裁量判断も必要ないので、反復することが簡単です。
ですからスクラッチトレードを繰り返すことで、FX初心者は「手法通りに繰り返す習慣」を自然と身につけていくことが出来るのです。
⑤“統計”(一定回数のトレード結果)に注目できるようになる
FXで勝つというのは、目の前の1つのトレードで利益を出すことではありません。
勝ったり負けたりを何度も繰り返しながら、損益トータルでどれだけの利益を残せるかが大事です。
そのためには「これを〇〇回やってみたら、〇〇回利益になった」という風に、一定回数のトレード結果をもとに“統計”を出していく必要があります。
しかし、これが出来るFXトレーダーは多くありません。
出来ない理由のひとつは、④でお伝えしたことと同様、トレード手法の複雑さや裁量判断の多さが原因の可能性があります。
ですから、スクラッチトレードというシンプルな方法を活用すれば、「同じトレードを繰り返し、その統計結果に注目する」という習慣を身につけやすくなります。
例えば、スクラッチトレードを数十回やってみて、ブレイク・イーブンで決済できたのが半分に満たなかったことが分かれば、次はそのトレード手法を別のものに変えて、ブレイク・イーブンの数の違いを見てみる──このような「検証作業のエッセンス」を体験することも可能です。
この「トレード手法」と「検証」についてはこの後、詳しく解説します。
⑥リアルなFX口座での「取引注文の通りやすさ」と「本当のスプレッド」を知ることが出来る
スクラッチトレードでは、同じトレードを短時間に何度も繰り返しますので、FX会社の約定力やスプレッドの「定点観測」が出来ます。
宣伝で低スプレッドを謳っているFX口座(FX会社)の中には、約定のスリッページが大きく、実質的なスプレッドが大きくなっているところも散見されます。
また、ある特定の時間帯や指標発表の前後などで、スプレッドが大きく変動するところもあります。
こうした約定力は普通、自分で実際にリアルトレードのなかで確かめていくしかないものです。
しかしスクラッチトレードを使うことによって、約定力やスプレッドの実態を低リスクで確認することが可能です。
下の記事でおすすめしているFX口座も試しながら、あなたが納得できるFX口座を探してみて下さい。
このように、FX口座の約定力とスプレッドを事前にチェックしておくことで、本格的なリアルトレードを始めてから「あれ? いつも不利なレートで約定したり決済されたりするぞ」という事態に陥らなくても済みます。
デメリットは小さな損失が積み上がっていくこと
このように数々のメリットがあるスクラッチトレードですが、もちろんデメリットもあります。
いうまでもなく、いくら売買を繰り返しても決して証拠金は増えない(利益が残らない)ですし、損切り決済の回数だけ損失が積み上がっていきます。
スクラッチトレードのルール上、決して利益は出ません。
ですが気持ちとしては、これを何とか勝率を上げることで対処しようと思うかもしれません。
しかし勝率を上げることが目的になってしまうと、たちまちメンタル的に不安定になり、これほどシンプルなスクラッチトレードですら上手くいかなくなります。
ですから、あなたの売買トレーニングの練習代だと思って、コストを支払う意識で取り組むことをおすすめします。
それでは、いよいよ次からはその具体的な実践方法を解説していきます。
スクラッチトレードの方法
やり方自体はとてもシンプルで、FX初心者にも十分実践できます。
基本は、エントリーしたらスプレッドの分だけプラス方向へ動いたところで決済する──これだけです。
スクラッチトレードの方法
- エントリー手法(後述)のタイミングに従ってエントリーをする。
- その後レートがスプレッド分だけプラス方向へ動き、損益がプラスマイナスゼロになったら決済する。
- もしレートがマイナス方向へ動いていったら、-2~3pipsで損切りをする(決して粘ったりナンピンをしたりしない)。
- (1)へ戻り、これを繰り返す。
お分かりのように、スクラッチトレードをすると、そのトレード結果は常に「プラスマイナスゼロ」か「小さな損失」で終わり、決してプラスになることはありません。
しかしこれは、次のような目的のために、敢えてそうしているものなのです。
- 意図的に「トレード判断が最小限で済む状況」を作るため。
- 「目先の利益を求める“欲”」に影響されるのを防ぐため。
こうすることでFX初心者でも、比較的リスクが少ない「実弾訓練場」でトレード練習をすることが可能になるのです。
逆にいえば、通常のFXのリアルトレードというものは、目先の利益を欲しがる感情のせいで冷静さを欠いた状態になりやすく、常にそんな心理状態で難しい判断を求められているということです。
そうした難易度の高いトレード環境で無理にリアルトレードをする前に、FX初心者の内にこのスクラッチトレードという「実弾訓練場」で準備と練習をすることをおすすめします。
損切りの逆指値注文を入れて「シートベルトを締めておく」
スクラッチトレードでは、原則としてすべての操作を手動で行いますが、突発的な値動きで不慮の含み損を抱えないために、「損切りの逆指値注文」をエントリーと同時に発注するようにしましょう。
この損切りの逆指値注文は、エントリーから-5pipsに入れておけば十分です。
シートベルトを締めるように損切り注文を入れておくことの重要性については、下の記事で詳しく解説しています。
エントリーと同時に損切りの逆指値注文を入れる方法は、各FX会社の発注ツールの説明書を参照して下さい。
大抵は、FX口座の発注画面に設定項目があるか、事前に設定画面で指定しておく形になっています。
スクラッチトレードで使うトレード手法
エントリーの具体的な方法は、アイデア次第でいくらでも考えられるのですが、「どうぞご自由に」といっても困ってしまうでしょうから、いくつかトレード手法(エントリールール)をお伝えしておきます。
なお、一応ブレイク・イーブンを目指してトレードするわけですが、それを「勝ち」だと思って執着しないように注意して下さい。
さて、スクラッチトレードのエントリーは普通のトレードとは違って、値動きの揺らぎの波長と噛み合うかどうかという部分が大きいです。
ですから、トレンドフォローの考え方をそのまま使っても、あまり効果がありません。
シンプルにいうと、エントリーのタイミングは次のどちらかになります。
- 値動きが順行する勢い(モメンタム)に乗る。
- その勢い(モメンタム)が一旦逆方向へ戻る流れに乗る。
こうした小さな値動きの波に乗ろうとしますので、スプレッド幅の大小によって、あるFX会社のFX口座ではブレイク・イーブンで決済できても、別のFX会社だと出来なかった──というケースも出てきます。
また、同じように見えるエントリータイミングでも、そこで買うのが好ましいケースと、売るのが好ましいケースの両方があり得ます。
こうしたことを念頭に置きながら、スクラッチトレードの目的である「準備と練習」のこと、そして「得ようとしているメリット」を忘れないようにして実践していきましょう。
もし、ブレイク・イーブンという結果にこだわり出したら、イエローカードが出たと思って一度トレードを止めて、立ち止まって「得ようとしているメリット」をよく思い起こして下さい。
エントリー手法その1.
このエントリー手法は、「一時的なモメンタム(レートが順行する勢い)」に乗るタイプのエントリーです。
しかし、直近の高値・安値を抜けるタイミングというのは、利益確定をしようとするトレーダーたちの決済注文も多く入ってくるポイントでもあります。
ですからエントリー後、瞬間的に押し戻されるような形で損切りになる可能性がありますので、しっかり損切りをするように注意して下さい。
また、状況によっては、このタイミングで逆張りをした方がブレイク・イーブンの確率が高まる可能性があります。
このルールであまりに損切りが多い場合は、「売り」と「買い」を反転させてみる価値があります。
こうしたことを判断するためには、しっかりとトレード結果を把握して統計を出すことが必要です。
例えば、20回エントリーして14回損切りになったのなら、次の20回は「売り」と「買い」を反転させて同じようにトレードしてみて、結果を比べてみましょう。
これが「検証」というものであり、FX初心者の段階からこうしたことに馴染んでおくことが、あなたにとって将来大きなアドバンテージ(優位性)になります。
エントリー手法その2.
- 使うチャート:1分足から5分足までのいずれか。
- 1本前のローソク足の安値の1pips手前で「買い」エントリー。
- 1本前のローソク足の高値の1pips手前で「売り」エントリー。
このエントリー手法は、直近の安値での「買い支えの動き」に乗るタイプのエントリーです(売りの場合は、この逆)。
ある程度の下ヒゲが現れた場合、その安値で買い支えられたことを示しています。
そのため、再度その安値付近で反発する可能性がありますので、その反発の動きを利用していきます。
しかし、反発せずに直近の安値を抜けて、そのままレートが走っていく(急落していく)可能性が十分ありますから、油断せずに損切りをして下さい。
注意点としては、1本前のローソク足の下ヒゲが短く、安値までの値幅が狭すぎる場合は見送ります。
この「見送る値幅」は、事前に〇pipsと自分で自由に決めておいて構いません。肝心なのは、その決めた数値を守り続けることです。
その他のエントリー手法
この他にも、ティックチャートを見て、一方向へ連続でティックが動いたらその方向へエントリーする方法や、単純に「陽線が確定したら買い」「陰線が確定したら売り」とする手法もあります。
スクラッチトレードのエントリー方法は、あくまでもポジションを持つ“きっかけ”として使うものだということを、あらかじめよく理解しておいて下さい。
繰り返しますが、スクラッチトレードには「勝ち」というものはありません。
トレード結果は「統計を出して検証すること」を実体験するために利用しましょう。
FX初心者がFX口座で行うスクラッチトレードの方法~まとめ
FX初心者は、いきなりリアルなFX口座でトレードを始めても、上手くトレード出来ないものです。
ポジションを持っただけで心臓がドキドキして冷静でいられず、しかも取引ツールにも慣れていませんから、エントリーや決済で心理的に狼狽して「売り」と「買い」を間違ったりしてしまいます。
そんな状態でFXトレードを繰り返していけるはずがありませんので、そうならないための「準備と練習」が必要になってきます。
そこでFX初心者におすすめしたいのが、リアルなFX口座でスクラッチトレード(損益トントンにするトレード)を行うことです。
リアルなFX口座でスクラッチトレードを行うことによって、FX会社が提供する取引ツールに習熟すること、リアルなポジションをもつ心理的プレッシャーに慣れること(そして自分の限界を知ること)、FX口座の注文の通りやすさ(約定の速さやスリッページの程度)を確認すること──これらが可能になります。
欲をかいて焦ってリアルトレードを始める前に、このスクラッチトレードを実践してみることをおすすめします。
以上、『スクラッチトレード』とは?FX初心者がリアル口座でやるべき練習方法──についてお伝えしました。