FXの「チャート分析」とは?
チャート分析とは、チャートに描かれた過去の値動きをもとにして、トレードの判断をおこなうことです。一般的には、テクニカル分析と呼ばれます。
ローソク足の形やその並びを分析する酒田五法をもとに、チャート上にあらわれる形状(チャートパターン)を分析したり、テクニカル指標(インジケーター)をつかって、将来の値動きの可能性を分析したりします。
チャート分析は、自分のトレード手法を規律をもって繰り返していく際の、土台となる技術・スキルです。チャート分析のスキルを磨くことは、そのままトレードの結果につながってきます。
FXの「テクニカル分析」とは?
テクニカル分析とは、為替チャートに描かれた過去の値動きをもとにして、エントリーや決済といったトレードの判断をおこなうことで、チャート分析とも呼ばれます。
テクニカル分析によって、現在の値動きの把握と、今後の値動きの傾向の分析(確率的な予測)をおこないます。
そして、テクニカル分析の結果を元に「売りと買いをどのタイミングで執行するか」を検討していきます。
テクニカル分析の基本要素には次のようなものがあります。
- 高値と安値のラインによる分析。
(サポート・レジスタンスライン、トレンドライン、チャネルラインなど) - 為替チャートに現れる幾何学パターン(チャートパターン)による分析。
(ダブルトップ・ダブルボトム、ヘッドアンドショルダー、トライアングル、ペナント、エリオット波動理論など) - テクニカル指標と呼ばれるインジケーターによる分析。
(トレンド系とオシレーター系のインジケーターに分類される)
テクニカル分析は、自分のトレード手法を規律をもって繰り返していく際の、土台となる技術・スキルです。
テクニカル分析のスキルを磨くことは、そのままFXトレードの結果につながってきます。
テクニカル分析で判断すべき大切なこと
多くのFXトレーダーにとって、テクニカル分析とは「エントリーポイント」を知るためのツールだという認識が多いと思われます。
もちろんそれもテクニカル分析の大切な要素であり、目的のひとつであることに違いは無いですが、もうひとつ大切な目的があります。
それは「相場を様子見するべき場面を明らかにすること」です。
テクニカル分析の技術が向上すれば、どんなチャート状況でもエントリーして利益を出すことが可能だ──もしそんな風に考えていたとしたら、その考えを改めてもらえればと思います。
FXトレードで大切なのは、数多く勝つことではなく、自分のトレード手法で勝ちやすい相場状況で勝つことです。
言い換えると、優位性が見られない場面ではトレードを避けるということです。
トレードを避ける、つまり様子見をすべき状況を見極めるためにテクニカル分析を使うということです。
シンプルでよく用いられる具体例としては、トレンド相場用のトレード手法の場合、複数の移動平均線(例えば120、60、20期間)が横を向いて絡み合っている状態ではエントリーを控える、というものがあります。
ちなみにこの移動平均線の例は、レンジ相場に適応した逆張りトレード手法だと好ましい相場状況になる可能性があります。
勝ち難い状況=優位性の乏しい状況を避けてしっかり様子見しておけるように、テクニカル分析でその相場状況を特定してルール化しておきましょう。
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FXの「チャートポイント」とは?
チャートポイントとは、相場参加者たちが注目していると想定される、チャート上の特定のポイントのことです。
最も一般的なチャートポイントは、直近の高値・安値であり、サポート・レジスタンスラインがこれに当たります。トレンドが発生している場合、押し安値・戻り高値が重要なチャートポイントになります。
他にも、トレンドライン、チャネルライン、ネックラインなどもチャートポイントです。
また、移動平均線やボリンジャーバンドなど、チャート上に表示させたテクニカル指標(インジケーター)も、チャートポイントと呼ばれます。
例えば、上昇する移動平均線とレートが重なるポイントは、多くの相場参加者たちに注目されるチャートポイントといえますし、フィボナッチ・リトレースメントも同様です。
チャートポイントは多くのトレーダーに注目されており、レートがそこに近づくと激しい売買が行われ、抜けたり反発したりして更なる値動きが発生する傾向があります。
FX相場の「高値圏」とは?
高値圏とは、ある期間のなかで最も高いレートをつけた価格帯のことです。
高値圏を判断する期間は、1日、1週間、1カ月、1年などの範囲や、直近の数分から数時間の範囲など、チャートを注目する視点によって変化します。
高値圏の反対に、ある期間で一番安い価格帯は、安値圏といいます。
高値圏では、相場参加者の間で「さらに上昇していくのか?」それとも「高値圏が天井になって下降していくのか?」という意見の対立が生じます。
そのため、値動きが不安的になり、レンジ系のチャートパターンになりやすい傾向があります。
下のチャートは、ユーロドル4時間足での、高値圏での値動きの様子です。
※クリックすると拡大します。
関連用語 頭打ち
FX相場の「安値圏」とは?
安値圏とは、ある期間のなかで最も安いレートをつけた価格帯のことです。
安値圏を判断する期間は、1日、1週間、1カ月、1年などの範囲や、直近の数分から数時間の範囲など、チャートを注目する視点によって変化します。
安値圏の反対に、ある期間で一番高い価格帯は、高値圏といいます。
安値圏では、相場参加者の間で「さらに下降・下落していくのか?」それとも「安値圏が底になって反転~上昇していくのか?」という意見の対立が生じます。
そのため値動きが不安的になり、レンジ系のチャートパターン(反転パターン)になりやすい傾向があります。
下のチャートは、ユーロドル4時間足での、安値圏での値動きの様子です。
※クリックすると拡大します。
為替相場の「ボラティリティ」とは?
ボラティリティとは、変動の大きさや激しさを表す指標・尺度のことで、FXの場合、レート(価格)がどれだけ激しく変動しているかを表すものです。
直訳すると「変動性」となるため、ボラティリティのことを「価格変動性」と呼ぶこともあります。
簡単にいえば、一定期間に変動したレートの幅が大きければ「ボラティリティが大きい(高い)」と判断され、反対に小さければ「ボラティリティが小さい(低い)」と判断されます。
ボラティリティが大きい状況のことを「ボラタイル」といい、こうした状況の例として次のようなものがあります。
そしてボラティリティが小さい状況の例としては、次のようなものがあります。
- 狭いレンジの中で小刻みに値が動いている状況。
- 激しいブレイクもなく、ゆるやかにジワジワとトレンドが継続している状況。
ボラティリティを視覚的にシンプルに把握するためのテクニカル指標として、ボリンジャーバンドというものがあります。
FXの「相場観」とは?
相場観とは、相場の状況に対する、主観的・主体的な見通しや判断のことです。
FXで「相場観がある」という場合、そのFXトレーダーの見通しや判断が、為替相場の状況にマッチしている傾向があって、トレード判断の結果が相場の流れに乗れている状態を指します。
こういった相場観は、長年のトレード経験のなかで培われた観察力によるものといえるでしょう。
それは決して未来を当てているのではなく、経験として蓄積された「為替相場のデータベース」とでもいうべきものから、確率的な傾向を導き出していると考えるのが妥当と思われます。
見方を変えると、正しい(相場に合った)相場観を身につけていくためには、トレードルールを「相場の観測基準点」として用いていくことが有効だと考えられます。
つまり、1つのトレードルールを何度も繰り返していくからこそ、為替相場の変化に気づけるようになるということです。
為替相場の「目先」とは?
目先とは、数日から1ヵ月程度の短い期間における相場の推移のことです。FX取引では、ほんの数時間ほど先の状況も目先と呼ぶことがあります。
為替相場での用例としては次のようなものがあります。
- 「目先の変化に合わせていく」
- 「目先は底堅く推移するだろう」
- 「目先の反転を見込んだ早い仕掛け」
- 「目先はしばらく実需筋の売りが続くのではないか」
FXトレードにおいては、目先の動きに翻弄されるのではなく、大きな視点でトレンドを捉えた上で、トレードルールに従った冷静なエントリーと決済を重ねていくことが大切です。
関連用語 相場観
FXの「歴史的高値・安値」とは?
歴史的高値・安値とは、過去数年~数十年にわたって更新されたことのない、特徴的で突出した高値・安値のことです。
具体的にはドル円の場合、2011年10月31日につけた75.54円がこの通貨ペアの歴史的安値(最安値)となっています(国内報道の表現的には「円高」なので歴史的高値となります)。
この場合、米ドルの価値が1ドル=75.54円だったということであり、米ドルの歴史的安値が75.54円という意味でもあります。
こうした唯一無二の最高値・安値ばかりではなく、週足チャートレベルでの高値・安値も、多くの市場参加者に注目される歴史的高値・安値といえます。
そうした高値・安値を抜けて更新するかどうかは、為替市場の需給バランスとムードを変える要因として重要視されているため、歴史的高値・安値にレートが近づくと売り買いの攻防が激しくなる傾向が見られます。
FXにおける「ファンダメンタルズ」とは?
FXトレードにおける「ファンダメンタルズ」とは、その国の経済活動や金利の動向など、FX市場に影響をもたらす基礎的な経済指標や要因のことです。
経済成長率、GDP、物価上昇率、財政収支、貿易収支、政策金利など、いわゆる経済指標として公表されているものがこれに当たります。
そして為替市場でのファンダメンタルズ分析とは、こうした経済指標や要因を元に経済動向を分析し、将来の為替レートの値動きを予測することをいいます。
ファンダメンタルズ分析は、過去の為替レートの値動き(FXチャート)に着目して分析をおこなうテクニカル分析と対比される形で取り上げられることがあります。
ちなみに株式トレードでのファンダメンタルズ分析は、為替市場におけるファンダメンタルズに加えて、各上場企業の企業価値を分析していくものです。
以上、FX専門用語「ファンダメンタルズ」の意味と解説についてお伝えしました。
「ファンダメンタルズ」参考情報(外部リンク)
為替市場の「動く時間帯」とは?
「動く時間帯」とは、為替市場で取引が活発に行われてレートがよく動いて(変動して)、ボラティリティが高まる時間帯のことです。
為替取引(FXトレード)において取引が活発になる時間帯は、東京市場、ロンドン市場、ニューヨーク市場それぞれのオープン時間や、各市場の取引時間が重なる時間帯です。
東京市場で取引されている時間帯(東京タイム)の中では、株式市場のオープン時刻の午前9時から仲値が決まる9時55分までを中心に、ドル円の為替レートが動きやすい傾向があります。
ロンドン市場では、日本時間の15時頃(サマータイム時)から「ロンドン早出勢」と呼ばれる現地早朝参加組の大口トレーダーたちが参戦し始め、ユーロドルが動き出す傾向があります。
それまでのユーロドルのトレンドを一旦否定する値動きが現れたり、停滞していた場合はダマシのブレイクアウトが起きたりするケースが散見されます。
ロンドンタイムでは欧州各国の経済指標発表の結果を踏まえながら、ユーロドルを中心に為替レートが動いていきます。
日本時間の21時30分(サマータイム時)からニューヨーク市場が始まりますが、この時間帯はロンドン市場の後半と重なるため市場参加者も多く、値が動きやすくボラタイルな時間帯といえます。
米国の重要経済指標の発表も合わさり、ユーロドルやドル円、ポンドドルを中心に値が動く傾向があります。
一見するとこの時間帯は、トレードチャンスとなる値動きが現れやすいと感じられる時間帯です。
しかしボラティリティが高まる(為替レートがよく動く)からといって、必ずしもトレードチャンスになるわけではない点に注意が必要です。
短時間で大きく動くレートというものは、短時間で利益になりやすいと同時に、短時間で損失を出しやすいということです。
買っては損切り、売っても損切りという往復ビンタになる可能性も高く、うかつにエントリーを繰り返すと、あっという間に証拠金を失ってしまうでしょう。
為替レートが動く時間帯には、チャンスと共にリスクも潜んでいることを忘れないようにしましょう。
以上、FXのチャート分析&テクニカル分析用語の意味と解説まとめ──についてお伝えしました。