FXの相場格言・ことわざの解説&まとめ

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「休むも相場」とは?

休むも相場とは、相場の先行きが不透明で見通しが立たなかったり、自分のトレード手法に合ったチャート状況にならないなど、トレードに相応しくない場面でじっと静観をすることです。

FX取引では、「買う」と「売る」のトレード判断のほかに、「休む」という選択肢があります。

為替相場を休むというと消極的でチャンスを逃してしまうような印象をもってしまいがちですが、本来「休む」とは、極めて積極的かつ能動的なトレード態度なのです。

トータルで勝つことが出来るFXトレーダーは皆、この「休む」という行動をマスターしているのだといっても過言ではありません。

負けトレーダーの多くは、本来であれば静観しているべき場面で売ったり買ったりを繰り返してしまう結果、それまでの利益を吐き出してしまうケースがとても多くみられます。

言い方を変えると、休むべき相場状況で休んでさえいれば、それだけでFXの勝ち組トレーダーになれる可能性すらあるのです。

この「休むも相場」という有名な格言は、トレードで勝つための本質的事実を示したものとして、実はとても重要な意味を持ったものといえます。

トレードノートをつけていれば分かることですが、一見して無駄なトレードがあることに気づくはずです。

FX取引で無駄なエントリーをいかに排除していくか──それだけに注力してみることで、一気にトータル成績が好転することも珍しくありません。

休むことを積極的に取り入れることでトレード回数は減りますが、損失は減って利益が残る結果になるはずです。

参考記事 トレード手法よりも重要な「勝ち方の本質」とは?FXを腕相撲で例えてみた

参考記事 FXトレードノートの書き方。効果的で意外な方法教えます

「利食い千人力」とは?

利食い千人力とは、欲張らずに早めに利益確定をすべしと教える相場格言です。

含み益というものは、確定しない限り実際の利益にはなりません。

そのためこの格言には「例え小さな利益だとしても確定させることに意味がある」という思いが込められています。

「利食い千人力」という格言は、本来であれば「欲をかいて利益を深追いしてはいけない」という戒めの意味があるのですが、実際には「ポジションの含み益が無くなる前に早めの利食いをすべし」という意味に都合よく拡大解釈されてしまっている傾向があります。

FXトレードで「利食い千人力」を逃げ道にして安易な利食いを重ねてしまうと、自分のトレード手法の本来の力が発揮できなくなってしまいます。

「損切りはこれまで通りで、利食いは早く」ということを行うと、以前よりもプロフィット・ファクター(トータル損益の比率)は低下しますので、当然の結果としてトータル利益は以前よりも悪化するのです。

困ったことに、「利食い千人力」による早い利食いで見かけ上は勝率が上昇するため、感覚的にはFXトレードが上手くいっているように錯覚してしまうので注意が必要です。

含み益を失う恐怖をごまかすために「利食い千人力」という格言を誤用して「ポジションをルール通りホールドし続ける」ときの恐怖から逃げ回るのではなく、目の前の一回のトレード結果に執着せずにトータルでの損益と向き合うことが大切になります。

関連記事 損小利大トレード手法のメリット・デメリットをサイコロで理解する方法とは?

「濡れ手で粟」とは?

濡れ手で粟とは、FX取引においてエントリーしたポジションが想定外の大きな利益を生み出したことを指す言葉です。

また、「楽に儲かる」という、為替取引(FXトレード)への世間の間違ったイメージを表す言葉としても用いられます。

よくあるケースとしては、リスクを無視して大きなポジションでエントリーしたところ、たまたま要人発言や経済ニュースなどで大きな為替レートの変動が生じ、一気に大きな含み益や決済利益を得るというものです。

しかしこれは、運良くエントリー方向への為替レートの値動きが生じたから良かったものの、逆方向へレートが動いていたら想定外の含み損を抱えることになったでしょうし、運が悪ければ強制ロスカットという結末が待っています。

他のケースとしては、ハイリスクな指標トレードによって大きな利益が得られたというケースです。

特にFX初心者トレーダーは、初心者の頃に濡れ手で粟の利益を得てしまうと悪い癖がついてしまい、その後のトレード姿勢に悪影響を及ぼしかねません。

FXでは、利益確定に対して「濡れ手で粟」という気持ちを抱くこと自体、そのエントリーが過大なポジション(リスクの取り過ぎ)であることを表しており、いずれは為替相場から手痛いしっぺ返しを食らうことになるでしょう。

FXで長期的に利益を上げ続けられるようになるためには、このような「濡れ手で粟」を喜んだり期待したりする気持ちとは、しっかりと距離をおく必要があります。

関連記事 『経済指標』とは?指標カレンダーの使い方&指標トレードのリスク

関連用語 悪い癖

「割に合わない」とは?

割に合わないとは、為替取引(FX)において、利益のために証拠金をリスクにさらしたものの、そのリスクの大きさに見合わないトレード結果となってしまった状態のことです。

いわゆる為替相場での「骨折り損のくたびれ儲け」と呼ばれるものがこれに当たります。

割に合わないFXトレードの具体例としては、次のようなものがあります。

  1. 大きな含み損に耐え、ポジションがようやく含み益になってきたのに、早々に利益確定してしまった(チキン利食いをした)。
  2. 難しい相場状況で何度もエントリーと決済を繰り返したものの、トータルでは微益(わずかな利益)もしくは損失に終わってしまった。
  3. 重要な経済指標の発表による大きな値動きに乗ってトレードしたものの(指標トレードをしたが)、為替レートの激しい乱高下に巻き込まれて精神的にへとへとになった上に、結果も微益にとどまった。
  4. トレンドに乗ってポジションが大きな含み益になったが、利益確定のタイミングを見失ってしまい、ズルズルとホールドし続ける内に、結局は建値撤退で終わってしまった。

どれも「労多くして実り少なし」を体現しており、文字通り「骨折り損のくたびれ儲け」であることが分かります。

FXトレードというものは、たくさんエントリーすればするほど証拠金が増える(利益が多くなる)ようなものではありません。

FXトレードの利益を労働の対価のように捉えてしまうと、「これだけ頑張ったのに」という徒労感に襲われてしまい、心身共に疲労困憊に陥ってしまうでしょう。

FXで必要なのは、その場その場の為替相場の状況やテクニカル指標のサインに反応してエントリーと決済を繰り返すことではなく、統計に裏付けられた検証結果を元に淡々と優位性のあるトレードを重ねていくことです。

以上、FXの相場格言・ことわざの解説&まとめ──についてお伝えしました。

執筆者プロフィール

fx-monoロゴ名前:mono(モノ)
FX歴13年の為替トレーダー。

FXトレードで収益を上げながらIT系の事業経営もしています。20年以上取り組んできた心理学と脳科学の専門知識(アドラー心理学、NLPなど)を活かして《トレード技術の上達法》を研究し実践してきました。

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