私にはFXトレーダーの友人や知人が何人かいますが、その中でも突出してトレードの腕が凄く、莫大な金額を稼ぎ続けている億トレーダーがいます。
その億トレーダーからは、FXで勝つ姿勢という「在り方」や、テクニカル分析やトレード手法への深い洞察力について学び、実際のトレード手法も教えてもらいました。
今回はその人物についてのエピソードと、彼から学んだ「勝つ姿勢」と「トレード手法の優位性」についてお伝えします。
リアルトレードから感じ取れるFXトレーダーとしての強さ
そもそもの出会いは、私が情報収集のためにネット上を検索していたとき、偶然にその億トレーダー(以下「Aさん」と呼びます)のSNSを見つけたことが切っ掛けでした。
最初はあいさつ程度でしたが、あれこれやり取りを重ねる内に意気投合し、お互いの経験談や込み入った話をするようになっていきました。
そこからはお互いのトレード手法について、その背景にある根拠や優位性の活かし方など、有意義な情報交換をすることが出来ました。
Aさんはとてもフランクな方で、リアルトレードの様子も気軽に見せてくれました。
やはりというか、流石というか、チャート分析のスピード感とエントリー判断の躊躇いの無さは抜群だと感じました。
膨大な過去チャート検証に裏付けられたテクニカル分析のスキルを用いて、細かな値動きの変化を次々と捉えていくその様子は、まさに「勝ち組トレーダーのあるべき姿」だったのでした。
「それはもう、大量の過去チャート検証をしましたし、MT4でローソク足を1本ずつ進めながらトレードのシミュレーションもやりました」
Aさんは淡々と、そう語っていました。
億トレーダーが使用するFX手法は、水平線を軸にしたプライスアクションだった
億トレーダーAさんのトレードスタイルは、狭い損切りを駆使しながら短期的なモメンタムに乗って値幅を取るスキャルピングと、レンジブレイクからの伸びを狙うデイトレードを、同時並行して行うものでした。
聞いたところによると、FXトレードを始めた最初の頃はレンジブレイクだけを専門にしていたそうです
Aさん曰く「特定のレンジブレイクの相場状況での収益が大きいことが、過去チャート検証から明らかだったので、とにかく種銭(証拠金)を短期間で増やすことを優先していた」とのこと。
実際、億トレーダーになれた要因は、このレンジブレイクトレードだったそうです。
詳しく聞いてみると、使用しているトレード手法は、水平線(サポート&レジスタンスライン)を主軸としながらプライスアクションを詳細に追っていく内容でした。
このとき驚いたのは、プライスアクションを分析する解像度がとても高かったことです。
普通のFXトレーダーたちが漠然と眺めているチャートから、Aさんはとても細やかな「値動きの変化の兆し」を見抜いていたのでした。
私もプライスアクションを使ってトレードしているので、この観察眼の鋭さには舌を巻きました。
億トレーダーAさんと優位性について情報をシェア
お互いに裁量トレードをしているということで、話は自然と「チャート上に現れる優位性の活用方法」になりました。
「時間足に関わらず、すべてのFXトレーダーが同じものを見ている。それが高値と安値です」
Aさんは、水平線を重視している理由をそう語りました。
他にも次のようなやり取りがありました──
「大口トレーダーたちに意識されている水平線は優位性の源になり得る」
「大量の資金が投入された攻防の跡は、ローソク足に証拠として残っている」
「自分が検証したところ、テクニカル指標の○○には統計的に有意な偏りは見られなかった」
「一本のローソク足の形状情報には想像以上に価値がある」
「○○インジケーターを設定値○○で使うと環境認識で役に立つ」
「相場は値動き(波)を反復している。そのパターンが変化するとき優位性が生まれる」
──等々、私の方が受け取る情報が多かったのですが、Aさんは快く情報をシェアしてくれました。
お互いのトレード手法の基礎が似通っていたこともあって、私とのやり取りからAさんも色々と得てもらえたのではないかと思っています。
小さな優位性を細かく積み上げて、高確率で一方向へ値が動く相場状況を狙い撃ちする
億トレーダーAさんのトレード手法で特徴的だったのは、とにかくエントリータイミングを遅らせて、優位性が多数積み重なった状況を待ち構えるという点でした。
私から見ると「それはもう “出遅れ追っかけ” ではないのか」と思うほど、エントリーを粘っていたのです。
しかしトレード結果を見ると、確かに勝率は抜群に高く、リスクリワード比も1:1.5~2.0という優秀な数値になっていました。
まさに、徹底した「後出しジャンケン」のスタイルです。
Aさんのトレード手法をシンプルな言葉にすると「最後の決着がつく場面において勝敗が決したタイミングでエントリーする」という感じになります。
少し具体的に説明すると、レンジブレイクの際にライン際で構成される停滞(小さなレンジ)の中で、さらにプライスアクションを追跡して「抵抗側が諦めるようなローソク足のパターン」がいくつも現れて、最後に背を押すようなローソク足が出来たらエントリーです。
この一連の「エントリーまでの流れ」には、小さな優位性がいくつも組み込まれており、Aさんが丁寧に過去チャート検証を重ねて来られたことが伺えます。
失敗トレードに対する億トレーダーの対応姿勢
億トレーダーAさんのトレード手法には、フローチャート的なトレードルールや細かい条件表といったものは用意されておらず、個々の小さな優位性をいかに数多く積み重ねられているかによってエントリーを判断されていました。
いわゆる「フィルタールール」と呼ばれる、「この条件が満たされていなければ、他の条件がOKでもトレードはしない」という必須条件ルールが無いわけです。
このような必須条件ルールが無いという点には、「普通はこんな状況ではエントリーしないが、しかしあまりにもプライスアクションが絶好である」という場面で積極的にトレードすることを可能にする効用があります。
これは経験豊富な裁量FXトレーダーならではのルール設定だと言えるでしょう。
普通のFXトレーダーだと目先の値動きに引っ張られてしまい、簡単にルール無視のポジポジ病に陥ってしまうに違いありません。
弘法も筆の誤り
あるとき、Aさんが苦笑しながら「久しぶりに失敗をやらかしました」といって、次のような話を聞かせてくれました。
その失敗トレードは、「全体の相場環境は好ましくなかったが、プライスアクション的に絶好の値動きを見せていた」という状況で起きました。
エントリー時点ではスキャルピングとしてポジションを持ったのですが、その後の値動きからトレンドに乗れる可能性が出てきたため、損切りと利確目標をデイトレードを想定したものに切り替えました。
そしてホールド中のプライスアクションに従い、一部のポジションを決済して利益確定をしながら、残りのポジションをホールドし続けたそうです。
残念ながらそこからアゲインスト(Aさんに不利な方向)の値動きが始まり、為替レートは大きく反転を始めます。
そこでAさんは何を思ったのか、「ポジションサイズは小さいことだし、想定しているトレンド方向への値動きは高確率で続くはずだから、損切りを遠ざける」という決断をします。
エントリー時の、あまりにも絶好なプライスアクションに気持ちを引っ張られたのか、自分のポジションへの執着が出てしまったのです。
その結果は、手法のルールで許容されるフルサイズでの損切りを余儀なくされ、小さくはない損失を被る結果となりました。
「失敗から学ぶ姿勢」と「失敗への備え」
「自分もまだこんな失敗トレードをするんだなと痛感しましたし、それと共に、資金管理ルールをしっかり守っていたので大事に至らずに済みました」と語っていました。
やはり勝ち組トレーダーは、めったに転んで怪我をしませんし、転んだとしても大丈夫なように備えているものなのです。
そして転んだ事実を直視して、そこから学び取ろうという気概があります。
なぜなら、転んだ事実の中には「さらに上達するためのヒント」が隠されている可能性があるからであり、そのチャンスを逃すことが勿体ないと感じるからです。
後日、Aさんから「この前の失敗トレードのメモを作成しました」といって、キャプチャーされた取引チャートに膨大なコメントが書き込まれた資料を見せてもらいました。
そこに書かれていたのは、単なる精神論的な反省コメントではなく、どのプライスアクションを認識した時点でどのような対応が可能だったのかについて、理路整然と検討し考察した文章でした。
「どこで引き返せたのか、それを明らかにしておけば次の機会では同じ道を進まずに済みます」とAさんは語り、後でそのターニングポイントが妥当かどうかを検証する予定であるとも述べていました。
億トレーダーはFX以外にも収入源を複数所有。お金稼ぎが大好き
さて既述のように億トレーダーAさんは、レンジブレイクアウトの場面に絞ったトレードで証拠金を大きく増やし、億トレーダーとなりました。
FX取引は小さな資金からでも、レバレッジ取引という仕組みによって大きく資金を増やせる可能性があります。
Aさんの場合は、もともと事業をされていたので、FXの種銭となる資金は十分に確保できたそうです。
ただ、トレード資金の心配が無かったことが裏目に出て、FXを始めた当初はボコボコに負けて、数百万の損失を出してしまいます。
「イライラしてメンタルが崩壊すると、本当にモニター画面にパンチを食らわせてしまうものなんですよ」
Aさんは当時を懐かしみながら、なかなか激しいネタを語ってくれたりもしました。
「お金を稼ぐ」という行為が大好き
そんなエピソードを聞かせてもらいながら、気になったことを質問してみました。
「当時、既にある程度のお金があったのなら、FX取引ではなく、手堅い投資とかでも良かったのではないですか?」
この質問に対してAさんは、こう言います。
「自分の手でお金を稼ぐのが大好きなんです。誰か人任せにするのではなく、自分の手でお金を采配して、どんどんお金を増やしていきたいんです。だからその方法としてFXに魅力を感じたのです」
Aさんは事業を持っていますが、それも一つや二つではなく、様々な分野で色々な人たちと共同事業を行っています。
その理由は「お金を稼ぐのが大好きだから」。
それはシンプルでありながら、とてもパワフルな理由です。
ここで勘違いしてはいけないのは、Aさんは「お金を稼ぐこと」が好きだと述べている点です。
つまり、単にお金が欲しいのではなく、「自分の手でお金を稼ぐという行為」が大好きなのです。
ですから、今現在いくら大金を持っていようと、あちらに楽しそうな儲け話があれば顔を出し、そちらに魅力的な事業があれば自分も参加して、日々お金を稼ぐことを続けているのです。
過去チャート検証も日々のトレードも、FXの取り組みはどれも大好きな「お金を稼ぐための行為」なので、苦しかったりうんざりすることがあっても、結果が出るまでやり続けられるわけです。
億トレーダーAさんの「多くの人はお金が欲しいと言いますが、お金は欲しがるものではなく、稼ぎ出すものです」という言葉が印象的です。
知人のFX億トレーダーの話~まとめ
友人・知人のFXトレーダーたちに共通する点というのは、やはりFXの世界で言われている「勝ち組トレーダーの共通点」の通りだという実感があります。
そこに加えて、それぞれのFXトレーダーの個性ともいえる「特質」が絶妙なスパイスになって、FXで結果を出すパワーを生み出しているように思われます。
Aさんにもそんな「特質」があり、それを自らの手で活かしながらFXに取り組んでいる──そんな印象を持ちました。
以上、知人のFX億トレーダーの話。トレード手法の優位性と勝つ姿勢──についてお伝えしました。