いくつものチャートを表示してマルチタイムフレーム分析をおこなったり、複数の通貨ペアを同時に監視したりする場合には、パソコンのモニター環境を整えることが大切です。
この記事では、FXトレードのモニター画面構成について、いくつかのプランをあげながら解説していきます。
※マルチタイムフレーム分析とは、複数の時間足チャートを使って総合的におこなうテクニカル分析手法です。
マルチタイムフレーム分析の基本やFX手法については、下の記事をご覧ください。
解説記事 『マルチタイムフレーム分析』とは?やり方とコツ、FX手法を解説
マルチタイムフレーム分析や複数通貨ペアの監視をしやすいモニター画面構成について
実際のFXトレードで、マルチタイムフレーム分析や複数通貨ペアの監視を実践する際には、「パソコンモニター上で複数のチャート画面をどのように表示させるか」という点について検討しておく必要があります。
- マルチモニター環境を使って、複数のモニター画面でチャート分析や監視を行うのか?
- 大きなひとつの画面上に、複数通貨ペアの各時間足チャートを並べて行うのか?
- 一画面だけを使って時間軸や通貨ペアをこまめに切り替えながら行うのか?
FXのデイトレードやスキャルピングにおいては「値動きへの即応性」を高めておくことが大切です。
また、使用するチャート環境の良し悪しは「マルチタイムフレーム分析の精度」や「複数通貨ペアの監視の労力」に大きな影響を及ぼします。
ですので、チャート画面の構成にはしっかりと注意を払うようにしましょう。
チャート画面のモニター構成プラン
マルチタイムフレーム分析や複数通貨ペアの監視に使うモニター構成は、トレーダーによって好みやスタイルが異なるため、実際には多種多様です。
そんな中、長年私がFXトレードをしてきた経験から、いくつかのマルチタイムフレーム分析&複数通貨ペア監視向けのモニター構成プランについて、メリットとデメリットのアドバイスをお伝えしていきます。
マルチモニター環境を構築して各時間足チャートを割り当てる
トレーダーのパソコンといえば、この「マルチモニター環境」が有名であり定番といえるでしょう。
3台以上のモニター画面があれば、チャートの配置の自由度はかなり高まり、すべての時間足チャートを常時一覧したり、複数通貨ペアを同時に表示しておくことが可能になります。
その反面、マルチモニター環境を構築することは、ハードウェア(パソコンとモニター)とソフトウェア(チャートツール)の両面で技術的なハードルが高いものです。
また、FX会社が提供するチャートツールによっては、マルチモニター環境に対応していない場合もあるので、その場合はMT4をチャートツールとして使用することになります。
さらには、チャート上に引いたラインが他の時間足チャートにも同期表示される機能の有無は、マルチタイムフレーム分析をスムーズに行う上で大切なポイントになってきますので、その対策も必要になってきます。
このような事情から、FX初心者がいきなり3台以上のマルチモニター環境に手を出すにはハードルが高く、無理に導入する必要性は低いといえます。
一般的なフルHDモニター上に各時間足チャートを並べる
これが最も無難で、今のパソコン環境そのままでマルチタイムフレーム分析環境を実現できる方法です。
ただ、1画面だけのモニターにすべてのチャートを表示させることになるため、チャート1枚当たりの面積が狭くなります(1枚当たりの情報量が少なくなる)。
その結果、各時間足チャートに表示できるローソク足の本数は、チャートを1枚だけ表示していたときと比べて数分の1になってしまいます。
そこでローソク足を小さく縮小表示して、出来るだけ多くのローソク足を表示させようと考えるわけですが、フルHDモニターの画面だと縮小させていくほどローソク足がつぶれてしまい、視認性が落ちて見辛くなってしまうことが避けられません。
フルHDモニターにチャートを並べてマルチタイムフレーム分析をする場合は、見やすさと情報量の多さを天秤にかけながら、自分なりのバランスを探す必要があります。
広い4Kモニター上に各時間足チャートを並べる
容易にモニター環境を整えられる方法としておすすめなのは、大きな4Kモニターにすべての時間足チャートを並べて配置するという方法です。
これは現在の私のモニター環境でもあります。
画面が広くて高精細だと、すべての時間足チャートや複数通貨ペアを常時見やすく一覧することが可能になる上に、パソコン環境の変更や調整も比較的少なくて済みます。
ただこの方法の場合も、チャート上に引いたラインが他の時間足チャートにも同期表示される機能の有無が、マルチタイムフレーム分析をスムーズに行う上で大切なポイントのひとつになってきますので、その対策が必要です(※詳しくは「MT4で引いたラインを各時間足に同期表示させる方法」を参照)。
MT4の場合は対策方法が用意されていますが、もし同期表示ができない場合は、自分の手で各時間足チャートへラインをコピーする手間が加わることになります。
事情によっては1枚だけのチャートを切り替えて使うのも選択肢の一つ
PCモニターのサイズが小さかったり、水平線やマーキングを各チャートに同期・反映させるのが難しい場合は、ひとつのチャート上で時間軸や通貨ペアを切り替えながらテクニカル分析をするのも選択肢の一つです。
各チャートの同時一覧性の面では不自由ですが、引いたラインは切り替えた時間軸上でそのまま表示されますから、複数チャートを同期表示させる際のような環境構築の手間は不要になります。
また、トレードスタイルがスイングトレードやゆったりしたデイトレードである場合、チャート監視において即応性はあまり要求されないため、常時すべてのチャートを一覧できるようにしておく必要性はさほど高くありません。
ですのでスイングトレードなどの場合は、複数通貨ペアの各時間足チャートを一覧表示させてマルチタイムフレーム分析をすることに拘らなくても大丈夫な可能性があります。
MT4で引いたラインを各時間足に同期表示させる方法
マルチタイムフレーム分析をする場合には、一般的には複数の時間足チャートを同時に表示させておく方法が便利です。
そのため多くのFXトレーダーは、チャート配置&設定の自由度が高い「MT4」でチャートを表示させています。
MT4で複数チャートを同時に使用してマルチタイムフレーム分析をする場合にあると便利なのが、各種ラインを他の時間足チャートに同期表示するインジケーターです。
もしこのような同期表示の機能がないと、長期時間足チャートで引いたラインを中期や短期時間足チャートへ自分の手でコピーしないといけません。
MT4の場合、こうした手間を省いてくれるインジケーターが提供されているので、それを利用するのがおすすめです。
詳しくは、下の記事で解説していますのでご覧ください。
マルチタイムフレーム分析や複数通貨ペアの監視をしやすいモニター画面構成~まとめ
FXでいくつものチャートを表示してマルチタイムフレーム分析をおこなったり、複数の通貨ペアを同時に監視したりする場合には、パソコンのモニター環境を整えることが大切です。
FXトレードの実戦のほとんどは「通貨ペアの監視」ですので、ストレスなく即応できるモニター環境が重要なファクターとなります。
この記事を参考に、あなたのパソコンにモニターを追加したり、新たなモニターに入れ替えたりして、テクニカル分析と通貨監視のクオリティを向上させましょう。
以上、マルチタイムフレーム分析や複数通貨ペア監視向けモニター構成について──についてお伝えしました。