ボリンジャーバンドの意外な使い方とは?FXのレートの勢いを判断する方法

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あなたが、ボリンジャーバンドをつかってトレードしているなら、今回の内容は「目からウロコ」かもしれません。

実は一般にはあまり知られていない、ボリンジャーバンドの意外な使い方があります。

今回は、普段からテクニカル分析でボリンジャーバンドを使っている人向けに、「高値・安値と各バンドとの位置関係を見て、レートの勢いの変化を判断する方法」についてお伝えします。

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ボリンジャーバンドの各σ(シグマ)ラインの見方

まず改めて、ボリンジャーバンドの±1σや±2σといった、各ラインの見方を、おさらいしておきます。

シンプルな見方の一つとして、次のような場合はレートに「バンドの外方向への勢い」があると判断できます。

  1. レートが±1σよりも外側にある。
  2. ミドルバンド(中央のMA)も傾斜している。

いい方を変えると、ミドルバンドが傾斜している状況では、レートがボリンジャーバンドの外側にあるほど、レートの勢い(トレンドの勢い)が強いと判断できるということです。

ボリンジャーバンドの各σ(シグマ)ラインの見方の具体例

下のチャートは、20期間のボリンジャーバンドです。

スクイーズからエクスパンションが起こって、上昇トレンドになった場面です。

ボリンジャーバンドの図1

このとき、レートはボリンジャーバンドの±2σに沿うように動いたり、±1σとの間を行ったり来たりしながら動いていきます(これをバンドウォークと呼びます)。

この状態は、トレンドが発生していて、上昇する勢いがあると判断することができます。

こうした見方が、一般的なボリンジャーバンドをつかった「レートの勢いの見方」です。

トレンド発生前の±1σラインは、レートが停滞したままか、動き始めるかの、最初の注目ポイントとなります。

そして、±1σを外側へ抜けて、そのレートがさらに±2σにタッチして、そこからボリンジャーバンドの外側へと、バンドを押し広げるように動いていくかが、次の重要な注目ポイントになってきます。

基本的に、±2σラインにタッチしたレートは、確率的にはミドルバンドのある内側へと収束していきやすい傾向がありますが、それはボラティリティ(バンド幅)や、ミドルバンドの傾斜具合によります。

ボリンジャーバンドの「±1σライン」がトレンドの勢いの分岐点

ここまでの見方を踏まえるならば、次のような判断は妥当な考え方だといえるでしょう。

  1. 「±1σラインを外側へ抜けた」ならば、レートの勢いが出始めたと判断できる。
  2. ならば、勢いが出てトレンド状態になったレートが「±1σラインより内側に戻った」のであれば、そこでいったん「勢いがなくなった」と判断できる。

例えば、下のチャートのように、レートがボリンジャーバンド±1σの内側に戻ってきた時点で、レートの勢い(下降トレンドの勢い)が弱まった可能性があると判断できます。

そうならば、売りエントリーは様子見しておいて、もしその後、再度±1σを抜けたら売りエントリーをする、というトレードプランが考えられます。

ボリンジャーバンドの図2

ちなみに、このとき、バンドの抜けを「終値で判断する」のか、「ローソク足の実体が抜けるのを見届けるのか」は、あなたの検証によって決めるべきことですので、過去チャートをたくさん見て、考えてもらえればと思います。

ローソク足が確定する前に判断するのは、ダマシに惑わされる原因になるので(抜けたと思ったらヒゲになって戻ってしまうケース)、いずれにせよ終値を基準にしていおくことをおすすめします。

「レートがボリンジャーバンドの外側にあるほど勢いがある」というならば……

さて、こうして見てきたように、ミドルバンドが傾斜している状況では、レートの位置がボリンジャーバンドの外側であればあるほど、レートの勢い(トレンドの勢い)が強いと判断できるわけです。

ならば、この見方を応用して、こんなボリンジャーバンドの使い方も出来るということに気づくはずです。

使い方~各バンドとの位置関係を見て、レートの勢いの変化をつかむ

下のチャートでは、高値「A」をつけたあと、+1σで支持されて再度上昇して高値を更新し、高値「B」をつけました。

ボリンジャーバンドの図3

その後、下落していき、ミドルバンド(MA)も下抜けていきました。

ここで注目したいのが、高値「A」では+2σを大きく抜けているのに、高値「B」では+2σまで届かずに反転していることです。

これを図にすると、以下のようになります。

ボリンジャーバンドの図6

つまり、高値は切り上がっているけれど、各バンドとの相対的な位置関係をみると「切り下がっている」ということです。

そして、「ボリンジャーバンドの外側にレートがあるほど、勢いがある」と考えられるならば、これは「レートの勢いが弱まっている」と判断できるわけです。

では、いくつか例を見てみましょう。

ボリンジャーバンドの図4

上のチャートでも、安値「B」は安値「A」を更新していますが、安値「A」が-2σを大きく抜けているのに対して、安値「B」は全然-2σに届いていません。

その後、ミドルバンド(MA)まで戻して再度、安値の更新をトライしましたが、反転上昇していきました。

では、次のチャートです。

ボリンジャーバンドの図5

上のチャートも、よく似た場面ですが、こちらは安値「A」をつけたあと、-1σにタッチする前に再下落していきました。

この時点では、かなり勢いがある状況のようでしたが、安値「B」では-2σにはまったく届かずに、-1σの内側へ戻ってきました。

その後は、ミドルバンド(MA)付近で上下しながら、反転上昇していきました。

 このボリンジャーバンドの使い方を、実際に試す前に

「へえ、そうなんだ!」と思った、あなたへ注意点があります。

今回のボリンジャーバンドの使い方を、いきなり実戦で試してはいけません。

まずは過去チャートをつかって「本当にこういう傾向があるのか、この使い方に優位性はあるのか」を、自分の目で確認することが必要です。

そうすることで、「案外、そうでもないなあ……」とか、「こうなる場合に共通するものがあるぞ」ということに自然と気がつくでしょう。

トレードにおいては、こうしたノウハウ自体よりも、あなた自身が過去チャートを通じて実感したことの方がとても重要なのです。

ボリンジャーバンドの意外な使い方~レートの勢いを判断する方法のまとめ

ボリンジャーバンドの基本的な使い方として、ミドルバンドが傾斜している状況では、レートがボリンジャーバンドの外側にあるほど、レートの勢い(トレンドの勢い)が強いと判断できます。

であるならば、高値・安値と各バンドとの位置関係をみることで、勢いの変化がわかると考えられます。

その場合、高値・安値と各バンドとの位置関係が、切り上がったり、切り下がったりしたことに注目します。

今回の内容によって、あなたのボリンジャーバンドへの理解が深まり、テクニカル分析のスキルが向上するきっかけになれば幸いです。

以上、ボリンジャーバンドの意外な使い方とは?FXのレートの勢いを判断する方法について、お伝えしました。

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