FX取引の注文方法と関連用語の意味と解説まとめ

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「約定(やくじょう)」とは?

約定とは、FXや株式をはじめとした金融取引において、買いもしくは売りの注文が執行されて取引が成立することです。

売買注文が約定したときの価格のことを「約定レート」「約定価格」といい、約定した日時のことを「約定日」といいます。

約定のことを「やくてい」と読むケースが散見されますがそれは間違いで、正しくは「やくじょう」と読みます。

「買い注文が約定した」とか「指値注文が約定された」というように使われます。

注文が執行されたものの何らかの理由で取引が成立しない場合があり、これを「約定拒否」といいます。そのときは「約定されなかった」もしくは「約定を拒否された」と表現されます。

約定拒否となる具体例としては、次のようなものがあります。

  1. 値動きが激しくて注文時の為替レートが変動した結果、許容スリッページを上回る為替レートになってしまった。
  2. 為替介入や重大事件などによる一方的な値動きが起きていたので、売買注文を受けられるだけの流動性をFX会社側が確保できなかった。

約定拒否を避けるには、許容スリッページの設定を大きな数値にしておく必要がありますが、思わぬ不利な為替レートで約定されてしまう可能性が生じることに注意が必要です。

関連用語 約定力

「成行注文(なりゆき)」とは?

成行注文とは、FX会社から提示されているレートを受け入れて売買する注文方法のことです。「マーケット注文」とも呼ばれます。

指値注文や逆指値注文のように、こちらから売買したいレートを指定して注文を出すのではなく、今現在取引されているレートでの売買を受け入れる形になります。そのため、成行注文は基本的にほぼ100%成立します。

こうした注文の特徴から、成行注文は、今すぐにポジションを持ったり決済したりするための注文として用いられます。

しかし、FX会社から提示される取引レートを受け入れる形のため、急激な値動きの中で成行き注文を出すと、想定していたレートから掛け離れた思わぬレートで約定(注文成立)してしまう可能性があるので注意が必要です。

こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、FX会社の約定力を調べておくことが大切です

成行注文を出した瞬間のレートと、実際に約定されたレートとの誤差のことを「スリッページ」と呼びます。FX会社によっては、ツールの設定で「許容スリッページ幅」を指定できる場合があります。

関連用語 指値注文逆指値注文スリッページストップ・ロス・オーダーエントリー損切り

「指値注文(さしね)」とは?

指値注文とは、自分が売買したいレートを指定する注文方法のことです。

指値の買い注文は、現在のレートよりも低いレートを指定して行い、指値の売り注文は、現在レートよりも高いレートを指定して行います。

指値注文を使うことによって、いわゆる「自分の望む価格帯まで引きつけてエントリーする」ということが可能になりますが、その反面、どんどんレートが離れていって、結局エントリーできないというケースも起こります。

「今のレートでエントリーする」もしくは、「今よりも高くなったら買う(安くなったら売る)」という場合は、成行(なりゆき)注文をおこないます。

指値注文はエントリー時だけではなく、利益確定にも用いられ、「指定したレートまで到達したら、決済して利益を確定する」という注文が、指値注文によって可能です。

関連用語 成行注文IFD注文OCO注文IFO注文

「逆指値注文(ぎゃくさしね)」とは?

逆指値注文とは、現在のレートよりも高くなったら「買い」、安くなったら「売り」をおこなう注文方法のことです。

例えば、買いのポジションをもっているとき、「このレートよりも下落したら損切りをする」と決めたレートに「売りの逆指値注文」をおくことで、損失を限定することができます。

この、損切りのための逆指値注文は、トレードのリスクを限定するための重要な注文となります。

逆指値注文は、損切り用の注文として用いられる場合には、「損失を食い止める」という意味で、ストップ・ロス注文と呼ばれることがあります。

IFD(イフダン)注文や、OCO(オーシーオー)注文などでも、この逆指値注文が用いられます。

損切り以外での逆指値注文の例

他にも、上値抵抗線を上へブレイクアウトしたら、そこからさらに上昇すると見込んで、あらかじめ上値抵抗線よりも少し上のレートに「買いの逆指値注文」を入れておく──というケースがあります。

ちなみに、逆指値注文によるエントリーは、「上がると分かっているなら、いま買えばいいのに」と思われることがあります。

しかしこれは、注目すべき重要なポイントをレートが抜けるのを待つことで、「相場の上昇へのコンセンサスを確認できる」というメリットがあるものなのです。

関連用語 指値注文

「決済注文」とは?

決済注文とは、保有しているポジションの反対売買をおこなって、利益や損失を確定させる注文のことです。

決済することを「手仕舞い」「エグジット」ともいい、損失に終わった手仕舞いのことを「損切り」、利益が出た手仕舞いのことを「利食い」といいます。

FXでエントリーしてポジションをもったら、決済注文を出すまでは見た目上の利益や損失は「含み益・含み損」の状態であり、まだ実際には確定していません。

ただし、FX取引レバレッジをつかった証拠金取引なので、必要とされる証拠金維持率を含み損によって下回ってしまわないよう、損切りの決済注文を活用してリスク管理していくことが大切です。

決済注文の種類

決済注文には、あらかじめ決済レートを指定しておくタイプの注文と、現在の為替レートで即決済する成り行き注文があります。

決済レート指定しておく決済注文は、利益確定の場合は「指値注文」によって行います。

反対に損失を確定させる際の決済注文は、「逆指値注文」によって行います。

またエントリー注文時に、同時に決済レートを組み合わせて注文を出すことも可能で、組み合わせ注文にはイフダン注文など、いくつかの注文方法の組み合わせ方法があります。

差金決済について

証拠金取引であるFXは、決済方法が「差金決済」となっています。

売買注文がFX会社によって執行され取引が成立(確定)することを「約定」といいますが、決済注文が約定すると、エントリーした為替レートと決済したレートとの差額が清算されて証拠金に計上される仕組みになっています。

この決済方法が「差金決済」です。

FX取引では、差金決済を採用することによって、少ない手元資金でも大きなポジションサイズの通貨ポジションを保有することが可能になります。

ですが同時に、差金決済だからこそ、当初の想定以上の大きな損失を被る可能性がある点には注意が必要です。

FX取引が「小さな資金を大きく増やせる」と言われている理由は、FXが差金決済を背景としたレバレッジ取引だからです。

そしてFXが「大変な損失を出してしまう可能性がある」と言われている理由も、同じくFXがレバレッジ取引だからなのです。

大きな損失を出してから「知らなかった」は通用しないのが相場の世界ですので、レバレッジについては下記の関連記事をよく読んで理解しておくことをおすすめします。

関連記事 『FXのレバレッジ』とは?その意味と仕組みを分かりやすく解説

関連用語 損切り利食い、売り抜け、建値撤退

「ストップ・ロス・オーダー」とは?

ストップ・ロス・オーダーとは、損失を限定する目的で出される逆指値注文のことです。日本語では、「損切りの逆指値注文」「ストップ注文」と呼ばれます。

買いポジションの場合、「これ以上、含み損が大きくなったら損切りをする」というレートに、売りの逆指値注文を出します。売りポジションの場合は、この逆です。

このストップロスオーダーによって、想定外の大きな損失から資金を守ることができますので、FXで利益を重ねていくためには必須の注文です。

関連記事 FXで損切り注文を入れないリスクとは?その危険さと対策方法について

関連記事 FXのリスク。初心者必見、危険への対策と解決方法10記事

関連用語 損切り

「イフダン注文(IFD)」とは?

イフダン注文(IFD)とは、2つの注文を同時に出しておいて、最初の注文が約定したら2つ目の決済注文が、自動的に有効化される注文方法のことです。

イフダンとは英語で「lf Done」の略で、「もし取引が成立したら……」という意味になります。

例えば「1ドル=100円でドルを買う」という指値注文を出すとき、同時に「もし買いが約定したら1ドル=110円でドルを売る(決済する)」という指値注文も出しておけるのが、イフダン注文です。

イフダン注文(IFD)は、逆指値を組み合わせることも可能です。

例えば「1ドル=100円でドルを買う」という指値注文を出すとき、「もし買いが約定したら1ドル=90円で損切りする」という逆指値注文を同時に出すことができます。

どちらの例も、2つ目の決済注文は最初の注文が約定しない限り有効になりません。

イフダン注文は、パソコンの前にいられないときのエントリー利益確定、もしくは損切りの注文方法として有効な方法のひとつです。

日中は仕事があって為替チャートを見られない場合、イフダン注文(IFD)のような組み合わせ注文を活用することで、上手くFX取引をすることが可能です。

その際、イフダン注文(IFD)を使うときには、リスクを避けるためにも「損切の逆指値注文」を組み合わせることをおすすめします。

利益確定のタイミングを逃すことはともかく、損切りのタイミングを逃すことは深刻な損失(証拠金トラブル)につながり兼ねないからです。

「OCO(オーシーオー)注文」とは?

OCO(オーシーオー)注文とは、指値注文と逆指値注文を同時に出す注文方法のことです。

OCO注文をつかうことで、利益確定のための指値注文と、損切りのための逆指値注文を同時に出すことができます。

その後、利益確定もしくは損切りの注文が成立したら、その時点でもう片方の注文は自動的にキャンセルされます。

リスク管理の面からも、エントリーしたらOCO注文を入れておくことをおすすめします。

「IFO(アイエフオー)注文」とは?

IFO(アイエフオー)注文とは、IFD(イフダン)注文OCO(オーシーオー)注文を組み合わせた注文方法のことです。

「イフ・オーシーオー注文」とも呼ばれます。

最初のエントリー注文が約定した後に、自動的に決済用のOCO注文が発動される仕組みになっています。

IFO注文は、IFD注文の2つ目の注文をOCOでおこなう仕組みで、エントリーから利益確定損切りまでの取引~決済の流れを、すべて自動でできる注文方法のことです。

IFD注文では、決済注文は1つしか発注できませんが、OCO注文では一度に2つの決済注文が可能です。

この両者を組み合わせることによって「エントリー」「利益確定」「損切り」の3つの注文を自動的に行うことが可能になるため、とても重宝する注文方式のひとつです。

FXトレードでの具体的な利用法としては、スキャルピングや短い時間足のデイトレードといった、素早い対応が必要なトレードスタイルでの利用が考えられます。

事前に決めておいた利益確定Pipsと損切りPipsでIFO注文を設定しておくことで、あとは相場状況を踏まえつつエントリータイミングを見計らって注文ボタンを押すだけという、シンプルなトレーディングが可能になるわけです。

以上、FX取引の注文方法と関連用語の意味と解説まとめ──についてお伝えしました。

執筆者プロフィール

fx-monoロゴ名前:mono(モノ)
FX歴13年の為替トレーダー。

FXトレードで収益を上げながらIT系の事業経営もしています。20年以上取り組んできた心理学と脳科学の専門知識(アドラー心理学、NLPなど)を活かして《トレード技術の上達法》を研究し実践してきました。

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