ワイルダーの定義とは、短期的なトレンドが継続もしくは転換する値動きの傾向を、一本前のローソク足の四本値から判断するための定義のことです。
ワイルダーの定義は主に日足チャートで用いられます。
定義といっても、あくまでも経験則による定義なので、当然ですが絶対性はありません。
ワイルダーの定義をシンプルに表すと次のようになります。
- 上昇トレンドにおいて、1本前のローソク足(前日の足)の安値を下回らない限りは、トレンドが継続する傾向がある。
- 上昇トレンドにおいて、1本前のローソク足(前日の足)の安値を下抜けたなら、トレンドの継続に疑問が生じ、反転する可能性がある。
- 下降トレンドの場合は、この逆になる。
基本的にワイルダーの定義は1本前のローソク足に注目していきますが、高値と安値の重要性に着目することが肝心なので、次のような応用的な判断が大切になってきます。
高値と安値は、「それ以上(以下)では買われなかった(売られなかった)」という明確な事実を表した重要なレートです。
そのレートを上抜けたり下抜けたりしたということは、市場参加者のコンセンサス(共通見解)が変化したということを表しています。
より多くのトレーダーたちに注目される高値と安値を特定することで、ワイルダーの定義を実戦的に活用することが可能になります。
次の図は、こうした「重要な高値と安値」が現れた例です。
大陽線が現れたということは、そこで大きな買い勢力による買いが行われたということと、売り勢力の撤退(損切りの買い)があった事実を示しています。
ですから「ローソク足C」の安値は、「これよりも上のレートでは買うべし」というコンセンサスがあると考えられます。
ですので、この「安値2」よりも高い位置にレートがある内は、トレンドが継続する傾向があるといえます。
近視眼的にワイルダーの定義を用いると、「安値1」にだけ注目してしまい、「ローソク足A」が「ローソク足B」の安値を下抜けた事実だけを見てしまいがちです。
しかし現在のローソク足に至るまでの値動きの流れ(ストーリー)に着目することで、大局を見失わずに判断することが可能になります。
以上、FX専門用語「ワイルダーの定義」の意味と解説についてお伝えしました。