- FX用語「た」退場、ダウ理論、高値圏、建値撤退、ダマシ、ダボス会議…の意味
- FX用語「ち」チャート、ちゃぶつく、調整、チョッピー、チャネルライン…の意味
- FX用語「つ」追加証拠金、ツーウェイプライス、通貨単位、通貨ペア…の意味
- FX用語「て」テクニカル分析、デイトレード、デモトレード、ディーラー…の意味
- FX用語「と」投機、ドテン、トレンドライン、ドローダウン、トレード手法…の意味
投機
投機とは、短期的なレートの変動による価格差から利益(差益)を得るトレードのことです。
投機は、現在と将来の価格の「差額」を得ることが目的という点で、資金を投じる対象の価値が上昇することを期待する「投資」とは異なるとされます。また「投機はゼロサムである」ともいわれます。
投機は「タイミングの違いを価値に変える行為」ということができます。安いときに買っておき高くなったら売ることで利益を得るのです。これは、天気が良い日に安くカサを買っておいて、雨が降ったら高く売るという風にも例えられるでしょう。タイミングの違いによって、同じカサでも価値が変わるということです。
同じ外国為替取引(FX取引)でも、外貨が必要もしくは日本円に換金するために取引する個人や機関を「実需筋」と呼び、投機目的の「投機筋」とは区別されます。
関連用語 投資、投機筋、実需筋
投機筋(とうきすじ)
投機筋とは、短期的なレート変動による価格差から利益(差益)を得ようとする相場参加者のことで、「短期筋」とも呼ばれます。
投機筋のメインは、ヘッジファンドや証券会社などの金融機関のディーラーです。彼らは差益が得られると見込めれば、あらゆるタイミングで売買を繰り広げます。ポジションの保有期間は、アルゴリズム取引であれば一瞬、一般的には数日から数ヶ月の範囲とされています。
相場には、実際に外貨が必要で取引を行う「実需筋」よりも、はるかに多くの投機筋が参加しており、その比率は「実需:投機」が2:8とも1:9ともいわれています。
レートの変動(価格変動)があれば差益が得られるチャンスとなるため、ときには投機筋みずからが値動きの切っ掛けを生み出すケースも見られます。これは、閑散相場でのチョッピーな値動きや、大量の損切り注文を執行させるための「売り(買い)仕掛け」という形で目にすることが出来ます。
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ドテン(途転)
ドテン(途転)とは、今まで持っていたポジションを決済(損切り)した直後に、反対方向へのポジションを持ち直すことです。
買いのポジションを持っていた場合、損切りの直後に売りエントリーを行います。これを「ドテン売り」といい、ドテン買いの場合はこの反対になります。
それまでのトレンド判断を180度反転させて行うドテンは、心理的な抵抗が大きく、多くの場合は「上じゃないなら下だろう」という安易な感情的判断によって行われがちなので、初心者はもとより、多くのトレーダーにとって注意が必要です。
ドテンが使われる場面とは?
ドテンの具体的な場面について、例をあげてみましょう。
レンジ相場の状況で、レンジ上限となるレジスタンスライン付近で売りポジションを持ったとします。
想定通りレンジ上限からレートが下降してきたならば、そのまま目標ラインまでホールドです。しかし、もしレジスタンスラインを上方へブレイクしたならば、そのままレートが上昇していく可能性が出てきます。
そこで、「レンジ上限を確かにブレイクした」と判断したタイミングでドテン買いを行います。つまり、売りポジションを小さく損切りして決済し、すぐに買いエントリーをするのです。
下の図の場合、ドテン買いのタイミングの直前で売りポジションを損切りします。レンジ上限を抜けた高値を更新したタイミングなので、この時点で「レンジ上限を確かにブレイクした」と判断できると考えられます。
この「ドテン買い」は、事前にトレード手法として組み込まれているべきものであり、決してその場の雰囲気や感情に流されて行うものではありません。安易なドテンは、往復ビンタになってしまう可能性があります。
トラックレコード
トラックレコードとは、トレードの詳細な収支記録のことで、過去の実績やトレード履歴が一目で分かるものです。
トラックレコードは、一般には投資信託などの金融商品の運用成績のこととして用いられますが、FXや株式トレーダーの実力を測るものとしても用いられます。
トラックレコードにはトレードした対象(通貨ペアや個別株など)とポジションサイズ、エントリーと決済の時刻、収益と損失などが詳細に記録されていることから、通常の場合おおやけになることは稀です。
しかしリアルトレードコンテストのようなイベントなどでは、通貨ペアとトレード回数、損益額だけが公開されるケースも見られます。
トラックレコードが最も重用される場面は、ヘッジファンドやプロップファームがトレーダーを採用するときです。
トラックレコードを見れば、そのトレーダーがどのようなトレードスタイルで収益を上げてきたのかが一目瞭然なので、採用側は自社の方針に沿った人材を得やすくなります。
広義でいえば、個人が日々記録しているトレードノートもトラックレコードといえるでしょう。
トリガー
トリガーとは、FXのトレード手法を構成する要素のひとつで、エントリーするタイミングを定めたルールのことです。
正確には「トリガールール」と呼び、条件が満たされたタイミングでエントリーしてポジションを持ちます。
一般的な意味としては、トリガーとは「何らかの動作のきっかけとなる合図」のことをいいますが、トレード手法のトリガーもこれと同様に、「エントリーのきっかけとなる合図」という意味を持っています。
ちなみに「銃の引き金」もトリガーといい、狙ったタイミングで弾丸を撃ち出すという意味では、FXトレードのトリガーのイメージにぴったりだといえるでしょう。
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ドルストレート
ドルストレートとは、取引通貨ペアの一方が米ドルになっている通貨ペアのことです。
米ドル/円、ユーロ/米ドル、ポンド/米ドル、スイス/米ドル、豪ドル/米ドル、米ドル/加ドルなどがあります。
現在、基軸通貨は米ドルであるため、米ドルとのペアは直接米ドルと取引されるという意味で「ストレート」と呼ばれます。
反対に、米ドルを介さない通貨ペアのことをクロス通貨といい、ユーロ/円、ポンド/円などの通貨ペアをクロス円といいます。
トレンド
トレンドとは、相場の値動きの方向性を示す言葉です。
「トレンドがある」といった場合、値動きに方向感があって、上下に振動する波を描きながらも一方向へレートが進んでいる状態を指します。
レートに上昇傾向が見られる場合を上昇トレンド、下降傾向が見られる場合を下降トレンドといいます。
反対に、値動きの方向感がなく、レートが上下に不規則に動いている状態を「レンジ状態」といいます。
相場においては、トレンドを見極める判断がトレード結果に大きく関わってきます。なぜなら、シンプルにトレンドに乗ってポジションをもち、損小利大のルールで決済していくだけでも、自然と利益は積み上がっていくものだからです。
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トレンド系テクニカル指標
トレンド系テクニカル指標とは、テクニカル分析で用いられるインジケーターの内、現在のトレンドの有無とその方向性を判断するもののことです。順張り系テクニカル指標とも呼ばれます。
トレンドフォローで用いられ、確率的に妥当なトレード方向を判断してポジションをもつためのガイドやサインとなります。
トレンド系テクニカル指標には、移動平均線、ボリンジャーバンド、一目均衡表、MACD、パラボリックなどがあります。
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関連用語 テクニカル指標、テクニカル分析、インジケーター、オシレーター
トレンドフォロー
トレンドフォローとは、相場の方向感である「トレンド」に従ってトレードしていくことです。「相場に形成されたトレンドを支持(フォロー)する」という意味があります。
トレンドフォローを実践するには、トレンドの有無を判断することと、そのトレンドの中でどのような状況(タイミング)でエントリーと決済をしていくかが重要になってきます。
「ブレイクアウト手法」や「押し目買い手法」は、トレンドフォローを実践していく具体的な方法のひとつで、多数のバリエーションが存在しています。
トレンドフォローで基本となるのは、「高くなったから買う。安くなったから売る」もしくは「下がらなくなったから買う。上がらなくなったから売る」という考え方です。
数多くあるテクニカル指標(インジケーター)の内、トレンド系指標と呼ばれるものは、トレンドフォローを実践するために開発されたものであり、現在のトレンドの有無と方向を示す働きをもっています。
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関連用語 順張り、逆張り、押し目買い、戻り売り、調整、ブレイクアウト
トレンドライン
トレンドラインとは、テクニカル分析で用いられるラインの一つで、「切り上がる安値」もしくは「切り下がる高値」に沿って引かれるラインです。
トレンドラインを引くことで、トレンドの方向が明確になると共に、トレンドラインが支持線・抵抗線として機能する可能性を見て取ることが出来るようになります。
トレンドラインと並行して引かれるラインを「チャネルライン」といい、このラインも支持線・抵抗線として機能する可能性があります。
一般に、トレンドラインの接点となる高値・安値が多いほど、そのラインは強固だと判断されます。しかし、接点が多くなる程「抜けた時のインパクト」が大きくなるため、その動きを期待した勢力によってトレンドラインのブレイクが狙われ、売り買いの激しい攻防になる傾向も見られます。
トレンドラインの引き方には、様々な流派があります。
- 視覚的に分かりやすい(注目されているであろう)安値同士を結ぶ。
- 最高値の1つ手前の安値と最安値とを結ぶ。
- 最安値と2番目の安値とを結ぶ。
- 複数のトレンドラインを組み合わせる。
- etc…
「4」のように、複数のトレンドラインを組み合わせるのは、下の図のように機能するケースが散見されるからです。これは、いうなれば「トレンドラインの入れ子状態」です。
トレード手法
トレード手法とは、優位性のあるトレードを行っていくための、行動(判断)ルールをまとめたもののことです。
FXで利益を上げ続けていくためには、トレード手法に確率的な優位性があることが求められます。
つまり、そのトレード手法を繰り返したときに、総利益と総損失のトータルがプラスになることが必要です。トレード手法に優位性があるかどうかを調べる作業のことを「検証」といいます。
検証に際しては、限られた条件でのみ勝てるようなトレード手法になっていないか、という点に注意が必要です。これをカーブ・フィッティングと呼びます。
トレード手法は、いくつかの部品に分けられます。
- 資金管理のルール(ポジションサイジング)。
- 環境認識のルール(セットアップ)。
- エントリーや決済のルール(トリガー、エグジット)。
いくら優れたセットアップやエントリーのルールだったとしても、資金管理ルールがダメだと利益を出すことは難しくなるので注意が必要です。
逆にいうと、資金管理ルールがしっかりしていれば、乏しい優位性のセットアップやトリガーであっても、長期的には利益を出していける可能性があります。
また、トレード手法を実行する手段によって、以下のような分類が可能です。
- 『裁量トレード』
トレード手法を全て自分の手で実行する。 - 『システムトレード(自動売買)』
コンピューター上で自動的に実行させる。 - 『ソーシャルトレード(委任売買)』
他の優れたトレーダーが代わりに実行する。
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関連用語 検証、トレードスタイル、カーブ・フィッティング
トレードスタイル
トレードスタイルとは、トレードする時間帯や通貨ペアの種類、損失と利益のバランスの取り方、リスクへの対応方針といったもののことです。
具体的にはトレードする期間の違いによって、以下のようなスタイルの分類が可能です。
- 数週間~数ヶ月以上ポジションを持ち続ける、長期ポジショントレード。
- 数日~1週間ポジションをもつ、スイングトレード。
- 一日でエントリーから決済までを行う、デイトレード。
- 短時間でのトレードを繰り返す、スキャルピング。
また、オセアニアタイムから東京タイムでトレードするスタイルや、ニューヨークタイム以降の深夜時間帯にトレードするスタイルなど、時間帯でも分類できます。
さらには、損失と利益のバランスによって、以下のような分類がなされます。
- 小さな損失を重ねながら大きな利益を狙う、損小利大トレード。
- 大きな損失を許容しつつ小さな利益を積み重ねていく、損大利小トレード。
- 利益と損失を同程度にして利益を重ねる、損小利小(損大利大)トレード。
他にも、資金管理の方法によって、以下のような分類が可能になります。
- 破産確率を徹底的に下げてトレードの維持継続を最重要とする、低リスクなトレードスタイル。
- 常に一定のリスク%を維持して、複利で利益を増大させていくトレードスタイル。
- 口座の破綻を前提に、少額の資金を短期的に複利で増大させていく、超積極的なトレードスタイル。
これらのトレードスタイルには、絶対的な良し悪しというものはありません。あくまでも、それを用いるトレーダーごとの目的や、向き不向きといったものが重要になってきます。
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関連用語 トレード手法
ドローダウン
ドローダウンとは、証拠金が「過去最大額からどれくらい減っているのか」をあらわした数値です。「目減り率」や「下落率」とも呼ばれます。
詳しくは、以下の記事をどうぞ。