- FX用語「ま」マージンコール、マイナー通貨、マルチタイムフレーム分析…の意味
- FX用語「み」見送り、ミセス・ワタナベ、南アフリカランド、見逃し…の意味
- FX用語「む」ムーディーズ、ムキになる、無限ナンピン…の意味
- FX用語「め」メンタル崩壊(メンホー)、メンタル・アカウンティング…の意味
- FX用語「も」保ち合い、戻り売り、もみ合い、モメンタム…の意味
保ち合い(もちあい)
保ち合いとは、値動きがなくレートが上下どちらにも動かないか、動きがあったとしても狭い値幅の範囲での動きしかない状況のことです。
見た目は静かですが、その中では売り買い双方の激しい攻防が行われていることがあるため、保ち合いが発生した状況をしっかり観察する必要があります。
例えば、上昇トレンドのなかで起きた狭いレンジやトライアングル(三角保ち合い)は、典型的な保ち合いの状況ですが、これら保ち合いの中では次のような思惑を持ったトレーダーたちによる激しい売買が行われており、次なる値動きへ向けてエネルギーをため込んでいる状態だといえます。
- 上昇トレンド初期からポジションを持っていたトレーダーによる決済の売り。
- 上昇トレンド中に逆張りを仕掛けていた売りトレーダーによる損切り撤退の買い。
- 買いエントリーしそびれていたトレーダーによる新規の買い。
- この保ち合いを契機に反転下降すると想定しているトレーダーによる新規の売り。
こうした様々な思惑の売買注文が保ち合いの中で交錯しているため、狭い値幅で上下しているだけだといって無視したり漫然と傍観するのではなく、次の動きにしっかりと対応していくことが大切です。
保ち合いはいずれ解消されて、新たな値動きに展開していきます。これを「保ち合い放れ」といい、トレード戦術としてはこの保ち合い放れについていくことが基本になります。
ちなみに株式相場で保ち合いといえば、「買いたいトレーダー達はほとんどポジションを持っており、決済しよう(売ろう)とする者も乏しく、結果として狭い範囲の値動きを繰り返す状態」を指します。
保ち合い放れ
保ち合い放れとは、狭い範囲の値幅で推移して「保ち合い」となっていた値動きが、上下どちらかへと再び動き出すことです。
相場の格言に「保ち合い放れにつけ」という言葉があるように、この保ち合い放れの値動きを捉えてトレードすることは重要な手法の一つといえます。
レンジやフラッグ、三角保ち合いが、それまでのトレンドの継続方向へとブレイクしていく動きは、典型的な保ち合い放れです。
また、ダブルボトムやトリプルトップ、ヘッドアンドショルダーといった反転パターンが成立して新たなトレンドへ移行していくことも、これら反転パターンを大きなレンジと見ることで「保ち合い放れ」と捉えることが出来るでしょう。
戻り売り
戻り売りとは、下降トレンドにおいて一時的に上昇している場面で売りエントリーをすることです。
FXのレートは波を描いて動いていくので、下降トレンド中であっても、一時的に上昇する状況があらわれます。
この状況のことを「調整」と呼び、「戻り」とか「戻している」と表現します。この状況でタイミングよく売りポジションをもつことで、利益を上げやすくなるのです。
このようにトレンド状態で戻り売りをすることは、トレンドフォロー手法の基本となります。
戻り売りのポイント
どこで戻りが終わって再下降するかは誰にも分かりませんが、テクニカル分析によってそのポイントを想定しておくことは可能です。
一般的に知られているものとしては、前回安値や戻り高値、移動平均線、フィボナッチ・リトレースメント(38.2%や61.8%まで押したポイント)などがあります。
相場に「絶対」はありませんから、確率的に優位性のあるポイントでエントリーして、損切りを駆使しながらトータルで利益を上げていくことが正攻法だといえるでしょう。
「戻り待ちに戻りなし」という格言
トレンドに乗ろうと、戻り売りのタイミングを待っていても、グングン下落を続けていってしまったり、あと少しで自分のエントリーポイントだというところで反転下降していったりして、ポジションをもてないケースもよくあります。
これを「戻り待ちに戻りなし」といいます。
あまりに戻り売りが上手くいかないと、戻りを待たずに安値を追っていく、いわゆる「積極的なブレイクエントリー」をするようになるトレーダーも多く見られます。
戻りを待ってエントリーするのか、それとも安値を更新していくタイミングでエントリーするのかは、各トレーダーのトレード戦略次第であり、各自の検証に裏付けられたトレード判断こそが重要になってきます。
戻り高値
戻り高値とは、下降トレンド中の最安値の1つ前の高値のことです。
反対に、上昇トレンド中の最高値の1つ前の安値のことを、押し安値といいます。
戻り高値は「これ以上はレートが上がらない」と相場参加者たちが認めたレートになりますから、今後とても注目されるポイントになります。
ちなみに、この下降トレンドで売りポジションをもっているトレーダーは、損切りや利食いの逆指値注文を、この戻り高値のすぐ上に置くのが1つのセオリーになっています。
また、もし戻り高値まで上昇してきた場合、この戻り高値を背にして売りエントリーをしてくるトレーダーたちが現れて、戻り高値付近から再度下落する可能性もあります。
もみ合い
もみ合いとは、小幅な値動きが続いて値動きに方向感がない状態のことです。上下どちらに行くのかはっきりしない様子を指して「ヨコヨコ」と呼ばれることもあります。
FXでは「もみ合い」と「保ち合い」が区別されずに曖昧に使われているケースが目立ちますが、実際に正確な定義が存在するわけではないため、慣用的に使われているのが実情といえます。
これは私案ですが、強いて分類するならば「もみ合い」は値動きの状態を指し、「保ち合い」はチャートに現れる形を指すものと考えることが出来るでしょう。例えば、トレンド中に現れた狭いレンジは「保ち合い」であり、そこでは「もみ合い」が起こっている──と見立てるのが現実的だと考えられます。
モメンタム
モメンタムとは、値動きの勢いを表す言葉です。テクニカル分析で用いられるインジケーターの中にも、この値動きの勢いを数値化する「momentum(モメンタム)」というものがあります。
一般的にFXでモメンタムといえば、後者のインジケーターのことを指す場合が多いです。
一定期間の値動きの変化が大きければ「モメンタムが大きい」、小さければ「モメンタムが小さい」と表現します。
インジケーターのモメンタムは、次のような計算式で表されます。
- n期間のモメンタム = 現在のレート ー n期間前のレート
モメンタムがプラスなら上昇、マイナスなら下降の勢いがあり、数値の大小によってその程度を判断します。また一般的には、極度に大きなモメンタムが現れた場合は「行き過ぎた状態」と捉え、調整の反転が起きる可能性を見て取りますが、安易な逆張りはリスクが高くおすすめ出来ません。
模様眺め
模様眺めとは、売買の判断材料が不足していて相場予測が立てられないため、市場参加者たちの多くが取引を手控え、相場の成り行きを見守っている状態のことです。重要な経済指標の発表前にも模様眺めの状態になることがあります。
市場参加者自体が少なくなってしまう「閑散相場」とは異なり、模様眺めでは虎視眈々と次のチャンスを狙っているトレーダーたちが存在している点に注意が必要です。