- FX用語「ま」マージンコール、マイナー通貨、マルチタイムフレーム分析…の意味
- FX用語「み」見送り、ミセス・ワタナベ、南アフリカランド、見逃し…の意味
- FX用語「む」ムーディーズ、ムキになる、無限ナンピン…の意味
- FX用語「め」メンタル崩壊(メンホー)、メンタル・アカウンティング…の意味
- FX用語「も」保ち合い、戻り売り、もみ合い、モメンタム…の意味
見送り
見送りとは、エントリーできると思われるトレードチャンスがあったものの、何らかの条件や裁量判断によってエントリーしなかったことを指す言葉です。
また、エントリーだけではなく、決済やポジション調整のタイミングを(何らかの条件や裁量判断によって)先送りすることも「見送り」と呼ぶことがあります。
よくあるケースとして、例えば次のようなものがあります。
- 上昇トレンドでの押し目買いを狙っていたところ、エントリー可能なサイン(チャートパターンやインジケーターによるサイン)が現れたが、何のサポートラインにも支持されていない場所だったので見送った。
- 絶好の買いのエントリーサインが現れたが、上位時間足チャートが下降トレンドであり、そのトレンドに逆らうのはリスクが高いため見送ることにした。
- マルチタイムフレーム分析によってエントリーポイントを見つけたが、間もなく重要な経済指標が発表されるため見送った。
- 利益確定する予定のレートに到達したが、勢いが継続すると思われるチャートパターンが現れているため、決済を見送った。
このように、見送りとは冷静な判断の結果としてトレードを見送ることであり、本来エントリーすべきだったのに「感情的な葛藤」や「不注意」によって出来ないという、いわゆる「見逃し」とは大きく異なるものです。
損切りしなければいけないタイミングで、どうしても感情的に決済できなくてズルズルとポジションを持ち続けてしまうことは、決して見送りではないということです。
見送りのもう一つの意味
ここまで解説してきた内容は、FXトレードにおける一般的な「見送り」の意味でしたが、相場の世界全般では「見送り」にもう一つの意味があります。
取引材料となる指標発表やニュースなどが無く取引が手控えられた結果、値動きがほとんどない状態のことも「見送り」と呼ばれています。
これは株式市場を中心に「見送り商状」と呼ばれているもので、「模様眺め」や「様子見」とほぼ同じ意味を指しています。
関連用語 見逃し
ミセス・ワタナベ
ミセス・ワタナベとは、日本のFXの一般投資家のことを指した言葉です。
2000年代半ば頃にあった「日本のFXブーム」において、一般家庭の主婦までもがハイ・リスクなFX取引を行っていたことから、それに驚いた海外メディアが「ミセス・ワタナベ」と名付けたのが由来です。
その当時の円相場は円安局面が長く続いていたため、金利差による利益獲得を狙った外貨買い&円売りの取引(円キャリー取引)が広く行われていました。当時の高金利通貨の豪ドル(オーストラリア・ドル)の買いポジションをもち、その金利と為替差益を得るというトレードスタイルです。
このときは、高いレバレッジで豪ドルのポジションをしこたま持ち続け、高いスワップポイント(金利)を得ながら、さらに円安のトレンドに乗ることで豪ドル自体の値上がり益も得るという、ある意味、理想的なトレード戦略が実現していました。
その結果、一般家庭の主婦の中には大きな利益を手にした者も現れ、度々ニュースにも取り上げられました。
しかしその後、サブプライム問題によって円安局面が終わると、一気に円高が進行した影響から、確固としたトレード戦略を持たない多くのミセス・ワタナベたちのポジションは、大きな損失を被っていくことになったのです。
南アフリカランド
南アフリカランドとは、南アフリカの通貨単位のことで、FX取引での表記は「ZAR」です。
南アフリカは1994年にアパルトヘイト政策を完全撤廃し、その後も順調に経済を発展させてきました。鉱物資源に恵まれた資源大国であり、特に金の産出量は世界1位です。
このように南アフリカランドは豪ドルやノルウェー・クローネなどと同じ資源国通貨であり、金利が高いため、FX取引においてもスワップポイント(通貨間の金利差による利益)を目当てにしたトレードにおいて人気があります。
しかし南アフリカランドはそもそもマイナー通貨であり、取引量が少なく流動性も低いため、突発的なレートの変動が発生するような事態に陥った場合は、ポジションの決済もままならなくなる可能性が少なからず存在しますので、トレードの際にはこうした点に注意が必要です。
見逃し
見逃しとは、本来であればエントリーすべきタイミングにおいて、何らかの理由でエントリーできなかった状態のことです。
またエントリーだけではなく、決済やポジション調整のタイミングを先送りしてしまうことも「見逃し」と呼ぶことがあります。
よくあるケースとして、例えば次のようなものがあります。
- トレードルールではエントリーしなければならない状況だったが、「こんなところで買えない(売れない)」と感じてしまい、どうしても怖くてエントリー出来なかった。
- チャートを監視していたが、退屈になって目を離した隙にエントリータイミングがやって来てしまい、絶好のチャンスを見逃してしまった。
- 利益確定や損切りの決済タイミングに迷い続けた結果、妥当な決済ポイントがあったにもかかわらず、ズルズルとポジションを持ち続けてしまった。
このように「見逃し」とは、感情的になったり集中力が切れたりすることによって、想定や意図に反した結果を呼び込むものです。冷静な判断に基づいた「見送り」とは異なるものだという点に注意が必要です。
関連記事 トレード資金が減るのが怖くてエントリーできない状態を克服する方法とは?
関連記事 FXのトレード手法はシンプルにした方がいい理由とは?ルールが複雑だと困る理由
関連用語 見送り