- FX用語「ま」マージンコール、マイナー通貨、マルチタイムフレーム分析…の意味
- FX用語「み」見送り、ミセス・ワタナベ、南アフリカランド、見逃し…の意味
- FX用語「む」ムーディーズ、ムキになる、無限ナンピン…の意味
- FX用語「め」メンタル崩壊(メンホー)、メンタル・アカウンティング…の意味
- FX用語「も」保ち合い、戻り売り、もみ合い、モメンタム…の意味
名目GDP
名目GDPとは、その年の経済活動(国内の生産額)を単純に足して算出されたものです。この名目GDPに物価の影響を加味したものは「実質GDP」と呼ばれます。
GDPとは「国内総生産」のことで、その年に生産された財(商品やサービス)について、それぞれの生産数量に市場価格を掛けることによって、この「GDP=生産された価値(生み出された付加価値)」を算出します。
名目GDPは、実際に市場で取引された価格を元に算出されるため、物価の影響は加味されていません。そのため、物価の影響を考慮した「実質GDP」が実際には注目されます。
例えば、インフレが起こっている状況下では名目GDPが自然に増えますので、経済が本当に大きくなったのかどうかを、実質GDPの値によって見ていく必要があるのです。
メキシコ・ペソ
メキシコ・ペソとは、メキシコ合衆国の通貨単位のことで、FX取引での表記は「MXN」です。
ブラジルの通貨「レアル」と並んで中南米での主要通貨の一つであり、また、メキシコが産油国ということもあって、メキシコ・ペソはペトロ・カレンシーとして認識されています。
現在はアメリカとの経済協定を結んでいる関係から、アメリカの経済状況や景気動向に左右されやすい傾向があります。
スワップポイント(通貨ごとの金利差による利益)を目当てに取引をする個人トレーダーも見られますが、メキシコ・ペソはマイナー通貨であるため流動性が低く、大きな相場変動時にはポジションの決済もままならなくなる可能性があるため、取引には注意が必要です。
関連用語 メジャー通貨、マイナー通貨、基軸通貨、安全通貨、避難通貨
目先
目先とは、数日から1ヵ月程度の短い期間における相場の推移のことです。FX取引では、ほんの数時間ほど先の状況も目先と呼ぶことがあります。
用例としては次のようなものがあります。
- 「目先の変化に合わせていく」
- 「目先は底堅く推移するだろう」
- 「目先の反転を見込んだ早い仕掛け」
- 「目先はしばらく実需筋の売りが続くのではないか」
FXトレードにおいては、目先の動きに翻弄されるのではなく、大きな視点でトレンドを捉えた上で、トレードルールに従った冷静な判断を重ねていくことが大切です。
関連用語 相場観
メジャー通貨
メジャー通貨とは、外国為替市場で頻繁かつ大量に取引されている通貨のことで、一般的には米ドルやユーロ、日本円、英ポンド、スイスフランのことを指し、「主要通貨」とも呼ばれます。
また、資源国通貨である豪ドルとカナダドルもメジャー通貨として扱う場合があります。
メジャー通貨の特徴は「流動性が高いこと」です。常に多くの相場参加者によって売買がなされていて、それら資金の動きが流動性をもたらし、実需筋や投機筋の大きな注文は滞りなく執行されていきます。そのためマーケット・インパクトも生じ難くなっています。
メジャー通貨以外の通貨のことはマイナー通貨といい、基本的に流動性が不十分なため、エントリーや決済がままならなかったり、マーケット・インパクトが生じやすくなる傾向があります。
また、マイナー通貨にはカントリーリスクもある点に注意が必要です。メジャー通貨はその国の信用や政情には基本的に不安はありませんが、マイナー通貨の各国ではそういった信用リスクや政情不安が比較的多く見られます。
メンタル・アカウンティング
メンタル・アカウンティングとは、「心の会計」とも呼ばれるもので、お金に関する意思決定に見られる不合理な傾向を表しています。これは行動経済学の権威でノーベル賞を受賞したリチャード・セイラー氏が提唱しました。
メンタルは「心理」、アカウンティングは「個々の財布(勘定科目)」ということで、直訳すると「心の中に複数の財布をもつこと」という意味になります。
自分のお金を一つの全体としてとらえるのではなく、自分の心に複数の財布をつくり出し、その財布ごとに損得を判断してしまうため、結果として不合理な選択や判断をしてしまう傾向を指しています。
具体例としては、次のようなものがあります。
- 財布に1万円札がたくさん入っているときは、無駄遣いして後で後悔する。
- 新車を購入するとき「オプションのカーナビ20万円」を安く感じてしまう。
- ギャンブルで当てたお金は、あぶく銭としてパーっと使ってしまう。
- アルバイトで必死に貯めたお金は、もったいなくて使えなくなる。
このように、そのお金が手に入った経緯や使用目的によって、それぞれ心理的にお金の重みづけを変えてしまう結果、全体としては同じ自分のお金のはずなのに、まるで価値が異なるかのように扱ってしまうのです。
さらにFXトレードに直結した例として、次のようなものがあります。
- 前回のトレードでは勝ったので「次に負けたとしても損にはならない」と思い、今回のエントリーが雑になってしまった。
- 前回のトレードで負けてしまったので、怖くなって資金が貴重に思えてきて、今回のトレードでは小さなポジションでエントリーしてしまった。
こちらも、どれも同じFX口座の資金であるにもかかわらず、直前の資金の増減(手に入ったり失ったりした経緯)に心理的に引きずられる結果、不合理な判断をしてしまっています。
「勝ったお金は、もし無くなったとしても平気」というのは、リスクを取ってトレード資金を増やした事実を蔑ろにする、とても不合理な行為です。しかしメンタル・アカウンティングという心理的な傾向によって、こうした判断に容易に陥ってしまう可能性があるのです。
日常生活とトレード双方において、メンタル・アカウンティングに自覚的になってみることが、トレードでの成功に近づくための一つの要因となるでしょう。
メンタル崩壊(メンホー)
メンタル崩壊とは、思い通りにならないトレードが重なって損失が膨らんだ結果、破れかぶれの感情に襲われてしまい、衝動的かつ復讐的なトレードを行ってしまう心理状態のことです。
インターネットスラングでは「メンホー」と呼ばれています。
よく見られるケースとしては、次のようなものがあります。
- 上昇トレンドなので買いエントリーを繰り返したが、ことごとく損切りになった。
- 「じゃあ下へ行くんだろう」と思い売りエントリーをしたが、これも損切りになってしまった。
- 「ほら、やっぱり上なんだよ」と考え直して再び買いエントリーをしたが、これもまた損切りになった。
- ついに感情の糸が切れてしまい、「なんだよ!どっちなんだよ!」と感情的になり、「売ればいいんだろ!売ってやるよ、この野郎!」といって大きなポジションで売りエントリーをした。
- そこからついに上昇ブレイクとなって大きな含み損を抱えてしまったが、ふてくされて「もう知らん!」といって塩漬けにして寝てしまった。
- その後はマージンコールも無視した末に強制ロスカットされた。
これは後で「メンホーしてしまった……」「なんであんな馬鹿なことを……」といって激しく後悔するパターンです。
メンタル崩壊の特徴の一つは、思い通りにいかない状況が続く中で、徐々に「自分が相場から攻撃されたり馬鹿にされたりしている」と思い始めてしまうことです。
その結果、最終的には「相場に目にもの見せてくれる!」とばかりに、復讐的・報復的な態度で過激なトレードをしてしまいます。
本来、相場自体には何の人格もありませんし、誰に対しても平等に「決して分からない未来」をもたらす存在です。ですから「感情的にさせられた」「メンタル崩壊させられた」のではなく、「感情的になることを自ら選択してしまったのだ」と謙虚に認めることから始める必要があるでしょう。
メンタル崩壊を避けるためには?
メンタル崩壊に陥ることを避けるためには、危険な心理状態になり始めた段階で、自らそれに気づけるようになることが必要です。
そのための方法としておすすめしたいのが、科学的にも効果が実証されている「マインドフルネス瞑想」を活用する方法です。
詳しくは下の記事で解説していますので、参考にしてください。

参考記事 恐怖ストレスと闘争・逃走反応。FXで勝てないのはバカになってるから?
参考記事 FXのリスク。初心者必見、危険への対策と解決方法10記事
参考記事 「メンタルの悩み解消法」カテゴリー
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