FX用語「ま」マージンコール、マイナー通貨、マルチタイムフレーム分析…の意味

あ行か行さ行た行な行は行ま行や行・わら行

マーケット・インパクト

マーケット・インパクトとは、自分自身の取引によって市場の為替レートに変動を与えてしまうことです。

マーケット・インパクトは、大口注文(大量の売買を一気に行うこと)や、そもそも市場の流動性が低いことが原因で起こります。

例えば、ある通貨量の買い注文を出したとします。しかし市場にはその買い注文を受けられるだけの売り方がおらず、買い注文の半分しか執行されませんでした。

残りの注文は希望よりも高いレートでしか執行できないため(今よりも高いレートでしか売ってくれない売り方しかいないため)、想定よりも高いレートで買いポジションをもつことになってしまいました。

為替レートとは、そのとき成立可能な売買レートのことですから、結果として為替レートは上昇することになり、こうしてマーケット・インパクトが生じることになるわけです。

マージンコール

マージンコールとは、取引の損失を支払える証拠として預け入れたお金(=証拠金)が、現在の含み損を差し引くと一定割合以下になる状況になった場合に出される、FX会社からの警告通知のことです。

マージンコールは、強制ロスカットによって決済されてしまう直前の「最後通告」ともいえるものです。

マージンコールの計算方法や算出タイミング(通知タイミング)は、FX会社によって異なりますので、自分のFX口座がどういった仕組みになっているのか、よく理解しておく必要があります。

この通知が来たら、追加証拠金をFX口座に入金してポジションを維持するか、もしくは相場の見込み違いを認めて自ら損切りの決済(手仕舞い)をおこなう必要があります。

追加証拠金を入金してポジションを維持できたとしても、さらにレートが反対方向へと進んでいけば再びマージンコールとなって、更なる追加証拠金を求められることになります。

マージンコールを放置しておくと、いずれ維持証拠金を下回った時点で強制ロスカットされることになります。運良くポジションが建値方向へ戻ることもあり得ますが、それを期待してズルズルと持ち続けることは傷を大きくするばかりと言えます。

基本的に、マージンコールが発生するようなポジションはそもそも大き過ぎる、もしくは思惑と反対方向への動きを許容し過ぎていると考えられますので、リスク管理のプランを立て直す必要があるといえるでしょう。

関連用語 追証(おいしょう)ポジションサイジング

マーチンゲール法

マーチンゲール法とは、カジノで生まれた手法で「倍賭け法」とも呼ばれる方法です。

負けトレードになったら、次のトレードのポジションサイズ(通貨量)を倍にしてエントリーします。その結果もし勝ちトレードになれば、前回の負けトレードの損失を補填した上に利益を得ることが可能になります。

もし2連敗になってしまったら、さらにポジションサイズを倍にしてエントリーします。この時点で最初の4倍のポジションサイズでトレードすることになります。もしこれも負けトレードに終わってしまったら、さらに8倍のポジションサイズでトレードします。

お分かりのように、マーチンゲール法のメリットは「いくら負けても1回の勝ちトレードで挽回して利益が得られる」というものですが、問題は連敗によって巨大なポジションサイズでトレードしなくてはならなくなる点にあります。

例えば5連敗したら32倍のポジションを持つ必要がありますし、7連敗目には128倍にもなってしまいます。最初にわずか1万通貨でトレードしていたとしても、128万通貨ものポジションになってしまいます。

そこからあと2連敗してしまえば、なんと512万通貨になり、これは多くのFX会社では一回の成行注文では執行できないサイズです。

マーチンゲール法にはポジションサイズの問題だけではなく、どれだけ大きなポジションでもいつもと同じトレードを行えるだけのメンタルが求められる──という課題もあることを忘れてはいけません。

マーチンゲール法は、これが考案された当初は多くのギャンブラーたちが実践して話題になりましたが、必要な資金量が膨大になることから破産する者が後を絶たず、さらにカジノ側による「ポジションサイズの上限設定」が行われるに至って下火になっていきました。

現在でも改良型のマーチンゲール法が考案されていますが、FXトレーダーにとっては正当なポジションサイジングの手法を身につけることが第一だといえます。

マイナー通貨

マイナー通貨とは、メジャー通貨(主要通貨)以外の、限れらた地域(ローカル市場)で取引されている、取引量や流動性が少ない通貨のことです。

具体的には、米ドルユーロ日本円英ポンドスイスフランといったメジャー通貨以外は、基本的にどれもマイナー通貨と呼ばれます。ブラジルレアルやシンガポールドル、トルコリラ、南アフリカランドなど、世界各地にはそれぞれの地域に根差したローカルな通貨が存在します。

カナダドルや豪(オーストラリア)ドルといった比較的流動性の高い資源国通貨も、一般的にはマイナー通貨と呼ばれるケースが多いです。実際、FX取引ではこれらに絡む通貨ペアの取引量はとても少ないとされています。

関連用語 メジャー通貨エマージング通貨安全通貨基軸通貨避難通貨ローカルカレンシー

曲がり屋

曲がり屋とは、相場の予想を外したり負け続けたりしているトレーダーのことです。予想したレートの動きを外すことを「曲がる」といい、常に曲げてしまうことから「曲がり屋」と呼ばれます。

曲がり屋とは反対に、勝ち続けているトレーダーのことを「当たり屋」といいます。

相場の格言には「当たり屋に乗れ」「曲がり屋へ向かえ」というものがあり、それぞれ勝ち馬への便乗の有用性と、裏目指標としての活用を指しています。

自分自身が曲がり屋だった場合、自分のトレード判断を裏目指標として活用したいと思うものですが、こうした欲が絡むことでいつもの判断ができなくなり、結局は正しい判断につながらず「負けという結果」だけを招くことになりがちです。

MACD(マックディー)

MACD(マックディー)とは、テクニカル分析で用いられるインジケーターのひとつで、移動平均線オシレーター化したものです。

下のチャートは、MT4で表示させたMACDです。

MACDのチャート

MACDは、長短2本の移動平均線(EMA)の乖離率を計算してグラフ化したものです。トレンドが発生しているときには、期間の異なる移動平均線はそれぞれ離れていく(乖離していく)傾向が見られるため、これをインジケーターにすることでトレンド判断がしやすくなるわけです。

MACDの計算式とグラフ化を理解するには、チャート上に同じ設定の移動平均線を表示させてみるのがおすすめです。

下のチャートでは、MACDの設定と同じ12期間と26期間のEMA(指数移動平均線)を表示させてあります。

MACDのチャート2

2本のEMAの乖離(離れている幅)とグレーのグラフの形が一致しているのが分かると思います。EMAのクロスが起きるとグラフがセンターから上下に切り替わるので、センターから上で買い、下で売りという判断材料にするケースが見られます。

積極的な判断方法としては、グラフの傾斜方向へトレードするというものもありますが、これは往々にして逆張りトレードになる傾向があるためリスクが高く、さらにはポジポジ病に陥るきっかけにもなり兼ねないため注意が必要です。

ちなみに、MACDライン(赤いライン)はその乖離の値をさらに平均化したもので、このチャートでは9期間の乖離率を平均化しています。いうなれば「乖離率の移動平均線」です。

MACDは視覚的に判断しやすいインジケーターのため、多くのトレーダーに利用されているもののひとつです。

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関連用語 テクニカル指標チャート分析

窓(まど)

窓とは、チャートのローソク足同士の間にできる「すき間」のことで、ギャップとも呼ばれます。

具体的には、あるローソク足の終値と次の足の始値との間に出来る大きなすき間を「窓」といい、それを指して「窓が開いた(ギャップが開いた)」と呼びます。

ギャップ(窓を開ける)

開いた窓が値動きによって閉じられることを「窓埋め(埋める)」といい、重要な値動きの一つとして注目されます。

大きな窓は、株式相場では日足チャートで頻繁に見られるものですが、FXでは一般的には週末と月曜日の間でしか見られないものです。

重要指標の発表時に、始値が大きく離れたところに付くことがありますが、これは「値が跳ぶ(飛ぶ)」と表現されることが多いようです。

関連用語 値が跳ぶ(飛ぶ)

マルチタイムフレーム分析

マルチタイムフレーム分析とは、複数の時間足チャートを用いてチャート分析を行うことです。

1つのチャートだけでは把握しにくい「大きな視点~微視的な視点までの値動きの傾向」を捉えられるため、精度の高いトレードのために役立つ分析手法として知られています。

具体的には、例えばデイトレードの場合、日足で大きなトレンドの有無と注目されるであろうサポート・レジスタンスラインを捉え、4時間足~1時間足でも同様にトレンドと各ラインを把握し、これらの情報をもとにシナリオを立て、その上で30分足~5分足でエントリータイミングを見極め実際にトレードしていく──というものです。

マルチタイムフレーム分析を実践するに際しては、チャートのフラクタル構造に着目することが大切です。

例えば反転パターンは、大小どの時間足チャートでも同様に現れます。この傾向を利用して、大きなトレンド転換を把握したり、小さな時間足を使って反転や継続のエビデンス(根拠)を捉えて早期にエントリーすることが可能になります。

「大きな流れはそう簡単には変化しない」といわれるように、大きな時間足の状況を把握しておくことで目の前の小さな動きに翻弄されなくなりますし、押し目買い戻り売りを冷静に待ち構えることも出来るようになります。

また、「大きな流れの変化は小さな時間足から表れる」といわれるように、大きな時間足の反転の兆しを小さな時間足の状況から早期に捉えて、低いリスクで根拠のあるエントリーを実践していくことも可能です。

こうしたことは、トレードを執行する時間足チャートだけを見ていては難しいものですが、マルチタイムフレーム分析に習熟すれば自然と判断できるようになります。

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