為替トレード(FX取引)における「底割れ」とは、為替市場の参加者のコンセンサスとして「これ以上は下げないだろう」と思われていたレートを下抜けてしまうことです。
一般的には、下降トレンドが続いていた相場でついに底堅い状況があらわれ、ダブルボトムなどのパターンも形成された場面でさらに安値を割り込んでいくことを、「底割れした」「底が割れた」と表現します。
底割れすると、大抵はパニック売りが続いて、大きな下落につながっていきます。
こうした値動きは、市場心理から見れば当然の反応だといえ、底割れするまでの値動きの内容によって、パニック売りや投げ売りの程度は変わってきます。
下のユーロドル4時間足のチャートでは、下落してきた為替レートが一旦はサポートラインを形成する形で底堅い相場展開を見せました。
しかしそこから高値更新して上昇へ転じていく値動きには至らず、むしろ上昇の値動きの勢いが徐々に弱まっていき、ついにはサポートラインを下抜けてしまい、文字通りの底割れとなりました。
※チャートをクリックすると拡大します。
青い線で引いたサポートラインの上での売り買いの攻防を細かく追っていくと、徐々に買い勢力のムードが悪くなっていく様子が見て取れます。
底堅い状況の最初のあたりで、強い上昇を全戻しするように押し下げる値動きが、二度繰り返されています。
思ったよりも売り勢力が強いことを示唆していますが、ここではまだ先は分からない状況です。
しかしその後、その強い上昇の高値を目指して買い勢力は頑張りますが、小さなレンジを形成するばかりで、なかなか高値が切り上がっていきません。
この値動きは、買い勢力に嫌なムードを感じさせるのに十分だったでしょう。
買い勢力が強いなら、遠からず高値と安値は切り上がっていき、重要な高値を抜けていきます。
そのような値動きの実現が遅れれば遅れるほど、反対側の勢力を勢いづかせることになります。
特に今回のケースのように、勢いよく下落してきて出来た「底堅い値動き」は、結果的に「更なる下落トレンドの継続」までの調整期間だったというケースがよくあります。
今回のユーロドル4時間足チャートは、目の前のチャートよりも大きな時間軸のチャートを分析する大切さや、大きな流れを把握する大事さがよく分かるチャートだといえます。
以上、FX専門用語「底割れ」の意味と解説についてお伝えしました。