利益確定とは、含み益が生じていたポジションを決済して利益を確定させることで、「利食い」とも呼ばれます。
為替取引(FX)では、保有していた買いポジションに含み益が出ていた場合、反対売買の「売り」をおこなって決済して利益確定を行います。
売りポジションを保有していた場合はこの逆になります。
ちなみに、含み損になっていたポジションを決済することは「損失確定」といい、一般には「損切り」と呼ばれます。
決済の仕方がFXトレードの結果の明暗を分けることも
「含み益のポジションを決済すれば利益が得られる」──この当たり前の言葉通りにFXトレードを実践するのは、想像以上に困難なことです。
その理由は様々ですが、その中の重要な理由として「利益確定のタイミングをどうすればいいか」というものがあります。
FX初心者のみならず、経験豊富なFXトレーダーでも利益確定は難しく、「利益確定に正解など無く、生涯追及するか、さもなくば諦めるかだ」という趣旨の意見も見られます。
利益確定に関する典型的な問題(悩み)は、チキン利食いだということは間違いないでしょう。
これは、手中に収めている(と錯覚している)含み益を逃したくないあまり、為替レートのわずかな逆行でビビッてしまい、小さな含み益を確定してしまうというもので、FXトレーダーあるあるのひとつです。
チキン利食いの克服は一朝一夕には出来ませんが、大切なのは一度、ガチガチの決済ルールを用いて反復練習をおこなってみることです。
複数回のトレードの結果を通じて「利益が残る」という実感を得ることを通じて、徐々にメンタル面での改善を進めることが出来るでしょう。
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「利食い千人力」という格言について
「利食い千人力」という格言の意味は、本来であれば「欲をかいて利益を深追いしてはいけない」という戒めの意味なのですが、実際には「ポジションの含み益が無くなる前に早めの利食いをすべし」という意味に都合よく拡大解釈されてしまっています。
FXトレードで「利食い千人力」を逃げ道にして安易な利食いを重ねてしまうと、自分のトレード手法の本来の力が発揮できなくなってしまいます。
「損切りはこれまで通りで、利食いは早く」ということを行うと、以前よりもプロフィット・ファクター(トータル損益の比率)は低下しますので、当然の結果としてトータル利益は以前よりも悪化するのです。
困ったことに、「利食い千人力」による早い利食いで見かけ上は勝率が上昇するため、感覚的にはFXトレードが上手くいっているように錯覚してしまうので注意が必要です。
含み益を失う恐怖をごまかすために「利食い千人力」という格言を誤用して「ポジションをルール通りホールドし続ける」ときの恐怖から逃げ回るのではなく、目の前の一回のトレード結果に執着せずにトータルでの損益と向き合うことが大切になります。
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以上、FX専門用語「利益確定(利食い)」の意味と解説についてお伝えしました。