上値抵抗線(レジスタンスライン)とは、テクニカル分析で用いられる手法のひとつで、チャート上で「過去にレートが上げ止まった高値」を結んで引いたラインのことです。
この高値を結んだラインが、為替レートの上昇に抵抗しているように見えるため、上値抵抗線(レジスタンスライン)といいます(シンプルに「抵抗線」とも呼ばれます)。
反対に、過去の安値を結んで引いたラインは下値支持線・サポートラインと呼ばれます。
過去に為替レートが上げ止まったポイントは、それ以上高いレートで買うトレーダーが現れなかったことを表していて、その高値近辺では相場参加者の売り意欲が強いと見られます。
ですから、もし再びそのレートまで上昇してきたら、売られる可能性があります。
こういった値動きの傾向を「見える化」するためのものが、レジスタンスライン(上値抵抗線)です。
レジスタンスラインに為替レートが近づくと、売りの勢力があらわれて反転~下降する可能性があります。
逆に買いの勢力が強くてレジスタンスラインを上抜けると、それまで売りポジションを持っていたトレーダーや、売り勢力をあてにしていたトレーダーたちの損切り注文が合わさり、大きな上昇となる可能性があります。
レジスタンスラインが機能した後、ブレイクしていく様子
下のユーロドルの1時間足チャートは、レジスタンスライン(上値抵抗線)が形成され、そのラインを背にした攻防が続いた後、ブレイクアウトされて為替レートが再上昇していく様子を表しています。
※チャートをクリックすると拡大します。
青い水平ラインが上値抵抗線です。
レジスタンスライン(上値抵抗線)の水準に為替レートが上昇してくると、反対勢力である売りの抵抗が出始め、レートが下がっていく傾向が観察できます。
左から二つ目の赤丸では、終値でレジスタンスラインを抜けましたが、直後に折り返すように反落し、押し下げられていきました。
三つ目の赤丸で、再びレジスタンスラインに迫りましたが、今度はラインを上抜けることなく先ほどよりも強く押し下げられました(長めの陰線の連続)。
しかもこの時の下げは、レジスタンスラインでの攻防が始まって以来の最安値となりました。
ここは、このままレートが上がらない状況がしばらく続けば、買い勢力は上昇を一旦諦めてもおかしくない場面でした。
しかし結果は、またしてもレジスタンスライン付近まで押し上げられ、ライン付近で狭いレンジを形成した後、ラインをブレイクしていきました。
このユーロドル1時間足チャートの例の様に、明確な売り買いの攻防があったレジスタンスライン(上値抵抗線)を抜けて上昇したときは、それだけ買い勢力が強いということなので、さらに高いレートを目指して動いていく可能性が出てきます。
上値抵抗線・レジスタンスラインを根拠にエントリーする際の注意点
レジスタンスライン(上値抵抗線)の付近では、一般にレートが押し下げられて一旦は反転していく傾向があるとされています。
しかし、だからといって必ず反転するわけではありませんし、「そんなところにレジスタンスラインなんてあったの?」と言わんがばかりに、一気に抜けていくことも往々にしてあります。
ですから決め打ちで売りエントリーすることは、リスク軽視の無謀なトレードだということを理解しておく必要があります。
まずは為替レートがレジスタンスライン付近で上昇し辛くなってきたり、レジスタンスラインで反応し始めた事実を、チャートパターンや個々のプライスアクションによって確認していきます。
そうした値動きのエビデンス(根拠)を背景にしながら、売りポジションを諦めざるを得ない状況をチャートから導き出して損切ラインに設定し、慎重に売りエントリーをするようにします。
参考記事 『サポートライン・レジスタンスライン』とは?引き方、使い方、機能する理由
関連記事 チャートに水平線を引く方法とその意味とは?ラインの引き方を徹底解説
関連用語 トレンドライン
以上、FX専門用語「上値抵抗線・レジスタンスライン」の意味と解説についてお伝えしました。