ミセス・ワタナベとは、日本の為替相場(FX取引)の一般投資家のことを指した言葉です。
別名「キモノ・トレーダー(着物トレーダー)」とも呼ばれます。
2000年代半ば頃にあった「日本のFXトレードブーム」において、一般家庭の主婦までもがハイ・リスクなFX取引を行っていたことから、それに驚いた海外メディアが「ミセス・ワタナベ」と名付けたのが由来です。
その当時のドル円の為替相場は円安局面が長く続いていたため、金利差による利益獲得を狙った外貨買い&円売りの取引(円キャリー取引)が広く行われていました。
当時の高金利通貨の豪ドル(オーストラリア・ドル)の買いポジションをもち、豪ドルの金利と為替差益を得るというトレードスタイルです。
当時は、高いレバレッジで豪ドルのポジションをしこたまホールド(保有)し続け、高いスワップポイント(金利)を得ながら、さらに円安のトレンドに乗ることで豪ドル自体の値上がり益も得るという、ある意味で理想的なトレード戦略が実現していました。
その結果、一般家庭の主婦の中には大きな利益を手にした者も現れ、度々ニュースにも取り上げられました。
しかしその後、サブプライムローン問題によって円安局面が終わると、一気に円高が進行した影響から、確固としたトレード戦略を持たない多くのミセス・ワタナベたちのポジションは、大きな損失を被っていくことになったのです。
以上、FX専門用語「ミセス・ワタナベ」の意味と解説についてお伝えしました。