保ち合いとは、値動きがなくレートが上下どちらにも動かないか、動きがあったとしても狭い値幅の範囲での値動きしかない状況のことです。
見た目は静かですが、保ち合いの中では売り買い双方の激しい攻防が行われていることがあるため、保ち合いが発生した相場状況をしっかり観察する必要があります。
例えば、上昇トレンドのなかで起きた狭いレンジやトライアングル(三角保ち合い)は、為替相場における典型的な保ち合いの状況です。
これら保ち合いの中では、次のような思惑を持ったFXトレーダーたちによる激しい売買が行われており、次なる値動きへ向けてエネルギーをため込んでいる状態だといえます。
- 上昇トレンド初期からポジションを持っていたFXトレーダーによる決済の売り。
- 上昇トレンド中に逆張りを仕掛けていた売りトレーダーによる損切り撤退の買い。
- 買いエントリーしそびれていたFXトレーダーによる新規の買い。
- この保ち合いを契機に反転下降すると想定しているFXトレーダーによる新規の売り。
こうした様々な思惑の売買注文が保ち合いの中で交錯しているため、狭い値幅で上下しているだけだといって無視したり漫然と傍観するのではなく、次の動きにしっかりと対応していくことが大切です。
保ち合いはいずれ解消されて、為替相場は新たな値動きへと展開していきます。
これを「保ち合い放れ」といい、トレード戦術としてはこの保ち合い放れに素直に追随していくことが基本になります。
ちなみに株式相場で保ち合いといえば、「買いたいトレーダー達はほとんどポジションを持っており、決済しよう(売ろう)とする者も乏しく、結果として狭い範囲の値動きを繰り返したり停滞したりする状態」を指します。
以上、FX専門用語「保ち合い(もちあい)」の意味と解説についてお伝えしました。