鯨幕とは、FXチャートのプライスアクションのひとつで、ローソク足の陽線と陰線が交互にあらわれるような、為替レートの変動が停滞した状況のことです。
狭い範囲でのレンジ相場(レクタングル)の一種で、上下どちらへ動いていくのか方向感がまったく見られないのが特徴です。
このプライスアクションは、ローソク足の色が紅白の垂れ幕のように交互に連なっていることから、鯨幕と名付けられました。
鯨幕でのトレード判断について
チャートに鯨幕が現れたら、基本的に手出しは無用です。
鯨幕のプライスアクションは「今はエントリーを控えた方が良い」というサインと捉えるのが望ましいです。
鯨幕を終値で明確にブレイクアウトする(鯨幕を包むような強い包み足・キーリバーサルが現れる)など、ハッキリとした新たな値動きが現れるのを待つのがベターです。
なお、鯨幕のパターンが形成される背景のひとつには、相場参加者が少なくなっていることが要因として挙げられます。
それは季節要因の場合もあれば、一日の中での時間要因の場合もあります。
この場合は閑散相場に起因する鯨幕ということになり、ここから大きな値動きにはつながり難いと考えられますので、いよいよ様子見が妥当といえるでしょう。
閑散相場ではなく、為替レートの動きが活発なボラタイルな相場状況での鯨幕は、売りと買いが拮抗した激しい攻防が続いていると見て取れます。
こちらのケースでは、鯨幕をレンジと捉えた上でレンジブレイクの考え方を用いることで、柔軟なトレードが可能になってきます。
ボラティリティが高い状況下での鯨幕は、下位時間軸のチャートでは文字通り「幅の広いレンジ」になっている可能性がありますので、レンジブレイクの判断も取りやすいと思われます。
以上、FX専門用語「鯨幕」の意味と解説についてお伝えしました。