否定の値動きとは、為替相場で見られる値動きのひとつで、売り勢力と買い勢力のどちらかが仕掛けた「攻勢の値動き」が反撃されたことを示した値動きのことです。
「為替レートがこう動いたら次はこうなる傾向が強い」と見られていた相場状況で、実際には値動きがそうならなかったとき、「否定された」と表現します。
否定の値動きは、ローソク足1本の値動きで現れることもあれば、複数のローソク足によるチャートパターンとして現れることもあります。
例えば小さな否定の値動きとして──、陽線が確定したということは「買い勢力が攻勢を仕掛けた」ことを示す値動きですが、次のローソク足で陰線が確定したならば、それは「買いの勢いが続かなかった=相場参加者の間で買いが否定された」ということになり、この陰線のローソク足が「否定の値動き」を示すものとなるのです。
他にも、サポートラインをブレイクアウトしたローソク足が「長い下ヒゲ」を出して確定したなら、その値動きは「ブレイクの値動きを否定した」ことになり、この長い下ヒゲが「否定の値動き」を示すサインとなります。
また、上昇トレンドの途中で現れたレンジを一旦は上へブレイクしたものの、上昇が続かず反対に下へブレイクしてしまった場合、本来よく見られる「トレンド継続としての上方ブレイク」が否定されたことになり、このときのチャートパターンが「否定の値動き」を示すものとなるわけです。
更には、上昇トレンド中の調整の下落の値動きが進み過ぎて、押し安値を下抜けてしまった場合、それは「上昇トレンドが否定された」ことになり、押し安値を下抜けることが「否定の値動き」を示すものとなります。
FXの為替チャート上で否定の値動きを捉えるには、まずその相場状況における「確率的に可能性が高い値動きの傾向」を知る必要がありますので、FX初心者トレーダーには難しいチャート判断になります。
しかし「否定の値動き」を理解してテクニカル分析とトレード判断ができるようになると、チャートの背景分析スキルはグッとレベルアップします。
以上、FX専門用語「否定の値動き」の意味と解説についてお伝えしました。