フィボナッチ数列とは、ひとつ前と二つ前の数を足した数を並べていった数列で、具体的には「1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144……」と並んでいく数列のことです。
フィボナッチ数列の連続する2つの数字の比率は、数列を先に進めば進むほど「黄金分割比」と呼ばれる「0.618:1」に近づいていきます。
黄金分割比(黄金比)とは、0.618対1.0(1.0対1.618)の比率のことで、これは人が美しさを感じる比率とされるもので、自然界の造形のなかに数多く見られます。
このように黄金分割比と密接に関係するフィボナッチ数列は、「自然界の調和」というイメージと密接に関わっているといえます。
為替取引や株取引の世界では、不確定な未来の値動きを予測しようと、昔から様々な相場研究家やトレーダーたちが知恵を絞ってきた歴史があります。
そんな中、フィボナッチ数列がもつ「自然界の調和」というイメージは、摩訶不思議な値動きに一種の法則性をもたらすものとして注目されてきました。
その具体的な実践例として筆頭に挙げられるテクニカル分析の手法が、黄金分割比をつかって為替レートの動きの予測をしようと試みる「フィボナッチ・リトレースメント(黄金分割比を用いた押し目の予測)です。
また、エリオット波動理論でも、このフィボナッチ・リトレースメントが値動きの波のカウントに活用されています。
自然界の調和と不思議な神秘を感じさせるこの黄金分割比(フィボナッチ数列)は、フィボナッチ・リトレースメント以外にも各種のテクニカル・インジケータにおいて利用されています。
具体的には、例えば移動平均線(MA)の期間設定をフィボナッチ数列から選択する方法があります。
一般的な20期間の移動平均線ではなく、21期間や34期間を選択したり、100期間ではなく89期間を選択したりといった具合です。
フィボナッチ数列を設定値とする方法は、同様にボリンジャーバンドの期間設定でも用いられることがあり、この場合も21期間や55期間といった設定値が選択されています。
以上、FX専門用語「フィボナッチ数列(黄金分割比)」の意味と解説についてお伝えしました。