ユーフォリアとは、非常に強い幸福感(多幸感)や超越的満足感を指す言葉で、相場においては「過度に楽観した心理状態」のことです。
ひとたび乗ることが出来たトレンドがそのまま永遠に続いて、莫大な利益をもたらすのではないか──そのように感じられるケースは、典型的なユーフォリアのひとつと言えます。
そのように自分のポジションがもたらすであろう利益に感情的な執着を持ち始めると、逆に含み益が減り始めることに過度の恐怖を感じたり、ユーフォリアが強過ぎるとその事実を受け入れずに「全然大丈夫だ」と感じるなどする可能性があります。
市場参加者全体がユーフォリアに取りつかれてしまうケースがありますが、それがバブル相場と呼ばれるものです。
バブル相場は、集団ユーフォリアともいえる状態であり、客観性や冷静さを欠いた「根拠なき楽観」がさらなる楽観を呼び、相場は過熱感を増していき、青天井の相場を形成していきます。
その最期がどういったものになるかは、歴史上の数々のバブル崩壊が教えてくれています。
ババ抜きのようなチキンレースの様相を呈し始めた相場は、些細な事実をきっかけにしたパニックによって阿鼻叫喚の暴落相場となっていくのがお決まりの末路です。
ユーフォリアにならないためには?
ユーフォリアの多くは、上手くいっている状態が続くことが誘因となって生じるため、対策の一つとして、いわゆる「勝って兜の緒を締めよ」という格言がそのまま当てはまります。
また、そもそもユーフォリアに陥るということは、その勝ちトレードによる利益や含み益が身の丈以上に大き過ぎるということでもあります。
ですから、それはリスクを取り過ぎている可能性があるということなので、ポジションサイズを計画的に小さく抑える必要があるといえるでしょう。
トレードとは、確率的な優位性に則って、同じトレードを淡々と繰り返して利益を重ねていくものです(確率思考)。
ユーフォリアになるほどの過剰な喜び(多幸感)は、トレードにおいてはむしろ邪魔ですらあります。
「ポジションを増やせば、もっと利益が増えるのではないか?」という思いは、悪魔のささやきです。
未来が全く分からない相場の世界では、ポジションを増やすということは「同じだけ負ける可能性がある」──つまりリスクが高くなるということですから、損失も増えるのだという事実から目を逸らさないことが大切です。
関連用語 行動ファイナンス理論、悪い癖
以上、FX専門用語「ユーフォリア」の意味と解説についてお伝えしました。