アベレージ・コストとは、同一の通貨を複数回に渡って買った(売った)場合の、ポジション全体の平均レートのことを指します。
例えば、ドル円を100円で10万通貨、110円で10万通貨買った場合、アベレージコストは105円ということになります。
ちなみに、ナンピン買い(売り)は、このアベレージコストを操作して損失を回避、もしくは利益を得ようとする手法です。
ドル円を100円で買ったとしてその後、大きく下落したとします。
ドル円が90円になった時点で大きな含み損を抱えていることになりますが、ここで現在のポジションサイズと同じだけ追加で買いポジションを持てば、その平均取得単価すなわちアベレージ・コストは95円になります。
その後、将来ドル円が上昇してくれた場合、95円まで上昇してくれればポジションの損益はトントン(イーブン)になるわけです。
本来なら100円までレートが上昇しなければ建値撤退が出来なかったはずですが、ナンピンをしたことで建値が下がったのです。
注意しなければならないのは、アベレージ・コストは下がっていますが、ポジションサイズは2倍に膨れ上がっている点です。
ナンピンを繰り返していけば、ポジションサイズは益々増えていきますし、ポジション維持に必要な証拠金もそれに比例して増額されていきます。
為替レートの変動に応じて増減する含み損の金額も大きくなる──つまりより大きなリスクを負うということを忘れてはいけません。
アベレージ・コストを下げることばかりに注目していると、その先に待ち構えているのはFX相場からの退場だということを肝に銘じておきましょう。
参考記事 『ナンピン』とは?その意味を理解して戦術的にエントリーする方法
以上、FX専門用語「アベレージ・コスト」の意味と解説についてお伝えしました。