相対取引とは、取引所などの市場を通さずに、売り手と買い手が当事者同士で価格や売買数量などを決めて行う取引のことです。
「OTC(Over The Counter)取引」とも呼ばれます。
為替取引(FXトレード)では、株式市場の証券取引所のような「特定の場所」での取引は行なわれておらず、当事者同士が売り手と買い手になって、「相対(一対一)」で値段や数量(ロット数)や注文方法などを決めて取引しています。
私たちトレーダーがFX会社で為替取引をする場合が、この相対取引にあたります。
FXの相対取引での注意点
例えば、ある通貨を買うときはFX会社から買うことになり、いうなれば「FX会社の言い値で買う」わけです。
そのため、FX会社の都合(リスクヘッジ)によってスプレッドが広がるなど、不利な為替レートで約定させられる可能性がある点に注意が必要です。
さらには、エントリー注文を出しても約定されないケースも発生し、これを「約定拒否」といいます。
これは相対取引ならではの問題点といえるでしょう。
FXトレーダー側がいくら「買いたい、売りたい」といっても、FX会社側が首を縦に振らなければ注文は通らない(約定されない)のです。
約定拒否の多くは、先ほど述べたFX会社のリスク回避という都合によるもので、重要指標発表直後や突発的な大事件が発生するなどして、為替市場が混乱し値動きが極めて大きくなっている相場状況(ボラタイルな状況)では、頻繁に起こり得ます。
FXトレーダー側の対策としては、許容スリッページの設定を大きくしておくことが挙げられます。
しかし当然、このときの実際の約定レートはFX会社次第ですので、広くしたスリッページ分だけ不利なレートで約定したとしても文句は言えません。
FXトレーダー側としては、そうした「FX会社にとってリスクが高い相場局面」でのトレードを避けるというのも、立派なリスク対策といえます。
相対取引ではないFX取引が可能な「くりっく365」
ちなみに、くりっく365FXは取引所での取引となるため、相対取引ではありません。
くりっく365FXのような「取引所取引」は、株式市場での取引と同じく売買注文が「板」と呼ばれる注文リスト上で公にリストアップされ、その為替レートとロット数に応じて取引をおこいます。
相対取引が「相手の言い値」が基準になって為替取引が行われるのに対して、取引所では市場の売り手と買い手全員のレートが公平に見比べられる形で取引が行われます。
つまり売買される為替レートの透明性が高いということです。
ちなみに実際には、くりっく365FXでは複数の銀行や証券会社が売買レートを提示し合う「マーケットメイク方式」が採られていますが、実質的には公平性の高い為替レートが提示されていると考えて問題ありません。
為替レートの透明性やスリッページの問題から、取引所でのFX取引にはメリットがあったのは事実ですが、くりっく365FX発足以降にあった税制改革などにより、取引所取引の魅力は大きく低下してしまったといえます。
スプレッドの面でのデメリットが目立つ結果、現在では多くの個人FXトレーダーにとって、積極的にくりっく365FXを選択する理由は乏しいでしょう。
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以上、FX専門用語「相対取引」の意味と解説についてお伝えしました。