- FX用語「か」ガラ、為替介入、確率思考、カーブ・フィッティング…の意味
- FX用語「き」逆指値注文、逆張り、キーリバーサル、ギャップ…の意味
- FX用語「く」クロス円、鯨幕、グランビルの法則、黒田バズーカ砲…の意味
- FX用語「け」決済注文、現受け、罫線、経済指標、経済成長率…の意味
- FX用語「こ」コツコツドカン、コンコルド効果、雇用統計、豪ドル…の意味
ガラ
ガラとは、FX相場で大暴落が起きたことを指す、ネットスラング(俗語)です。語源は「ナイアガラの滝」で、水が激しく落下する様子が、大暴落に例えられています。
下のチャートは、典型的なガラをあらわした、ドル円の4時間足チャートです。
※クリックすると拡大します。
レートが大きく下落することを「暴落」といいますが、ガラは、それよりも更に激しい下落を表現したもので、相場参加者たちが恐慌に陥っている様子を示しており、まさに「売りが売りを呼ぶ状況」になっているのがわかります。
こうした状況に巻き込まれないためにも、万が一のための損切りの逆指値注文は、必ず入れておきたいものです。
下降トレンド
下降トレンドとは、レートの動き(値動き)が波を描きながらも、下降傾向を見せる状態のことです。
一般に、下降トレンドのときは、売りポジションをもっていれば利益を上げやすいとされています。
下降トレンドでのトレード手法は大きく分けて2つあり、ひとつは「戻り売り」、もうひとつは「安値ブレイク」です。
戻り売りは、値動きの波が一旦上昇してきたところで、再び反転~下降していくところでエントリーしようというトレード手法のスタイルです。「これ以上は上がらない可能性がある」という根拠を得てエントリーするため、リスクリワード比を高くできる特徴があります。
安値ブレイクは、値動きの波が下降し、安値を更新したところでエントリーしていくトレード手法のスタイルです。「さらに下降する可能性が出た」という確認を得てエントリーするため、流れが生まれたときには大きな利益が得られる可能性がありますが、いわゆる「ダマシ」にあいやすい傾向があります。
関連記事 FX相場の状況をトレンドとレンジの2つに分類する方法とは?
関連記事 ダウ理論でトレンドを定義して「目線の切り替え」をする方法とは?
乖離率(かいりりつ)
乖離率とは、FXでは一般的には、「レートが移動平均線からどのくらい離れているか」を示した数値のことを指します。
正確には、移動平均乖離率といい、テクニカル分析手法のひとつです。
この数値を見ることで、「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を判断しようとするもので、そのためのインジケータとしては、エンベロープやボリンジャーバンドなどがよく知られています。
乖離率を利用したトレード方法としては、移動平均線からの乖離が大きくなった状況で、「レートが平均に収束する」という傾向を利用して、移動平均線の方向へトレードするものがあります。
詳しくは、エンベロープの項目を参照して下さい。
加重移動平均線(WMA)
加重移動平均線(WMA)とは、直近の価格に比重を置いて計算された移動平均線のことです。
ちなみに、一般的な移動平均線(MA)は、単純に一定期間の終値の平均値をもとにして計算されているため、これを「単純移動平均線(SMA)」と呼ぶことがあります。
加重移動平均線では、「現在に近い終値ほど、相場参加者たちに注目されていて重要である」という考え方から、その価値を「加重」して計算しています。
その結果、加重移動平均線は、単純移動平均線と比べて敏感な動きを見せるようになります。
下のチャートは、青いラインが単純移動平均線、赤いラインが加重移動平均線で、どちらも設定は25期間になっています。
比べてみると分かるように、加重移動平均線(WMA)のほうが、同じ設定期間にもかかわらず、レートの動きに敏感に反応して近づいていく様子が見て取れます。
移動平均線は、トレンドの状態を把握するための補助として利用できますが、加重移動平均線をつかうと、その「レートに対する敏感な反応」によって、フライングエントリーの要因となる可能性も出てきますので、その特徴を理解して、検証をふまえた上で利用するようにしましょう。
為替介入
為替介入とは、その国の中央銀行(日本の場合は日本銀行)が、自国の通貨を安定させる目的のために行う為替取引のことで、「平衡操作」とも呼ばれます。
日本銀行が、円を売ってドルを買うことで介入することを「円売り介入」といい、ドルを売って円を買う介入を「円買い介入」といいます。
為替相場では、投機的な思惑によって短期間で大きな値動きを見せたりしますが、こうしたレートの動きはその国の経済に悪影響を及ぼすため、政府当局は為替相場を安定させようとします。
為替介入で大量の自国通貨を売ったり買ったりすることで、実際のレートを動かすと共に、マーケットに対して、政府からの強力なメッセージを送る意味合いがあります。
このとき、1つの国の中央銀行が単独で行う為替介入を「単独介入」、複数の国が連携して行う為替介入を「協調介入」といいます。
参考記事 『為替介入』とは?分かりやすくチャートで見る「世界の為替介入」
ちなみに、自国の通貨を売る為替介入は、通貨発行権を行使しつづけることで、理論的には、無限におこなうことが可能ですし、実際にこれを行った国がいくつかあります。
詳しくは、参考記事をごらんください。
参考記事 中央銀行が引き起こしたマネー大混乱
閑散相場
閑散相場とは、FX市場での取引量が少なく市場参加者も少ないため、値動きが出難くなっている状況のことです。
市場参加者が少ないときの他に、重要指標発表などのイベントの結果待ちなど、材料不足の際にも一時的に閑散相場が生じやすく、これは「様子見」「模様眺め」などといわれることもあります。
閑散相場の特徴は実際に市場参加者が少なくなってしまっている点にあります。ですから夏休み時期や年末、アメリカやヨーロッパの祝祭日などは、典型的な閑散相場の状態といえます。
日本では平日でも、海外では祝日という場合があるので、FXをする上では、海外の祝祭日や休暇時期をチェックしておく必要があります。
市場参加者が少なく取引量が全体的に乏しいと、わずかな売りや買いでレートが一方向に大きく動くことがあるため(これをチョッピーといいます)、閑散相場の状況でトレードする際には注意が必要です。
関連記事 『閑散相場』とは?フラッシュクラッシュのリスクと対策をチャートで解説
関連用語 薄商い
カーブ・フィッティング
カーブフィッティングとは、トレードルールを相場に合わせて過剰に調整して、過去の一定期間の相場状況で勝てるように、可能な限り最適化しようとすることです。
日本語では、「過剰最適化」といいます。
この言葉は、主にシステムトレード(EAによる自動売買)でつかわれる用語ですが、厳格にルール化された裁量トレードでもつかわれることがあります。
よくあるカーブフィッティングの例としては、システムで用いられているインジケータのパラメータを、過去の限られた期間のチャートで好成績がでるように調整した結果、他の期間では利益どころか損失を出すようになってしまった──というケースです。
初心者が陥るケースとしては、「システムに用いる移動平均線の期間を、いくつにするか?」にこだわるものがポピュラーでしょう。
カーブフィッティングに陥らないためには?
システムトレードの検証をおこなっていると、少しでも利益を上げられるようにと、あれこれパラメータをいじっていく傾向があります。
しかし、大切なのは、あらゆるチャート上の値動きを、いかに利益にしていくかではありません。
そのシステムが利益をあげられる相場状況を特定することや、噛み合わない状況でも、損失を抑えつつ乗り切れる堅牢性があることのほうが、長期的には重要になってきます。
ですから、初期の検証で一定以上のプロフィットファクターと最大ドローダウンの結果が得られたなら、それを様々な相場状況でテストして、その堅牢性をチェックしていくことを優先するのがおすすめです。
そのシステムで得られる「最高の利益」よりも、長期的に積み上げていける「信頼感のある利益」のほうが、ずっと望ましいものなのです。
関連記事 FXのチャート検証の方法。そのノウハウとアドバイス8記事
関連記事 トレード手法の優位性を評価する方法とは?検証の重要指標を教えます
確率思考
確率思考とは、FXにおいて、目の前の1トレードの結果ではなく、一定の数以上のトレード結果を重要視することです。
仮に、勝率が60%の場合だと、100回トレードをすれば40回の負けトレードになるわけですから、目の前のトレードで連敗することは、ごく普通に起こる出来事です。
確率思考を持てていないと、せっかく優位性のあるトレード手法でトレードしていても、こうした連敗に狼狽して、手法の優位性を疑う結果にもつながりかねず、また他のトレード手法を探して振り出しに戻ってしまう可能性があります(これを「手法ジプシー」といいます)。
確率思考でトレードすることができれば、連敗も「確率的に当然起こり得ること」として自然に、平常心で受け入れられるようになります。
確率思考を身につけるためには、そのトレードルールでくり返し仮想トレード(練習トレード)を行うなどして、「勝ったり負けたりしながらも、トータルでは利益が積み上がっていく」という実感を得ていくことが必要です。
参考記事 FXで勝つとはこういうことだ!あなたもサイコロで確率思考を体験しよう
過去チャート
過去チャートとは、過去のFX相場の値動きを表したチャートのことで、一般的には、数年~数十年分の過去までさかのぼったチャートを指します。
別名、ヒストリカルデータといい、FX会社ごとに過去チャートのデータを公開していて、一般公開されている、もしくはそのFX会社の口座をもつユーザーが利用することができます。
このヒストリカルデータをMT4などのツールに読み込ませて、検証作業や練習トレードを行うのが、一般的によく見られるケースです。
過去チャートのデータは、基本的に「長期間にわたる1分足データ」のかたちで提供されているので、そのデータをもとに、あらゆる時間軸のチャートを表示させることが可能です。
関連記事 インジケーターの前に知るべき、ローソク足チャートの情報の見方
関連用語 MT4
仮想トレード
仮想トレードとは、FX会社のデモ口座を使っておこなうトレードのことで、一般的にはデモトレード、もしくはバーチャル取引といいます。
仮想トレードは、実際のお金を使わずに、仮想資金をデモ口座に設定して行います。
ちなみに、MT4やフォレックステスターなどの練習・検証ツールをつかったトレードのことは、練習トレードや模擬トレード、売買シミュレーションなどと呼ばれます。
関連記事 裁量トレード向けFX練習ソフトのおすすめは?定番&無料ソフト5選
仮想トレードは、勝っても負けても自分の資金には影響がないため、世間一般には「緊張感がない」とか「やっても意味がない」という風潮が見られます。
しかし、資金に影響がないということは、無用なリスクやプレッシャーを負わずに、本番同様のトレードが出来るということでもあります。
逆にいうと、もしリスクやプレッシャーがない仮想トレードで利益を出せないなら、いざ本当に資金がリスクにさらされたリアルトレードで結果を出せるわけがありません。
仮想トレードという心理的なハンデのない環境を活かして、自分のトレード手法の検証と練習を進めていくことを強くおすすめします。