- FX用語「あ」相対取引、アベレージコスト、安全通貨、青天井…の意味
- FX用語「い」維持証拠金、行って来い、移動平均線、イフダン注文(IFD)…の意味
- FX用語「う」薄商い、埋める、売り値、売りポジション、上値抵抗線…の意味
- FX用語「え」FX取引、エマージング通貨、円売り介入、エンベロープ…の意味
- FX用語「お」追証、往復ビンタ、オーバーシュート、押し目買い…の意味
追証(おいしょう)
追証とは、追加で入金が必要な証拠金のことで、追加証拠金の略です。
ポジションを維持するためには、最低限必要な証拠金の金額が決まっていて、これを維持証拠金といいます。
含み損が増えて、維持証拠金を下回りそうになった時点で、FX会社から「追加で証拠金を入金しなければ、ロスカットになる」という連絡が入ります(これをマージンコールといいます)。
追証を入金することで、強制ロスカットはまぬがれますが、また維持証拠金を下回れば、再度の追証を求められることになり、相場状況が変わらなければ、これをくり返すことになってしまい、最終的には大きな損失になる可能性があります。
基本的に、追証を求められた時点で、そのトレード戦略に問題があったということを認めて、いさぎよく決済することが必要かもしれません。
「いちかばちか」のポジション保有は、長期的にはうまくいかないと考えられますし、精神的・肉体的にも大きな負荷が掛かり続けることになってしまいますので、おすすめできません。
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黄金分割比(黄金比)
黄金分割比率(黄金比)とは、0.618対0.382の比率のことで、これは人が美しさを感じる比率とされるもので、自然界の造形のなかに見られます。
この黄金分割比は、テクニカル分析で用いられる「フィボナッチ数」と関係するものです。
ちなみに、フィボナッチ数列とは、ひとつ前と二つ前の数を足した数をならべていった数列で、「1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144……」となっていきます。
この数列と黄金分割比とは密接な関係があって、フィボナッチ数列の連続する2つの数字の比率は、数列が進めば進むほど、黄金分割比の「0.618:1」に近づいていくのです。
この自然界の不思議な数(比率)をつかって、FXのレートの動きの予測に役立てようとするのが、フィボナッチ・リトレースメント(フィボナッチ数による押し目の予測)などのテクニカル分析手法です。
欧州時間
欧州時間とは、ロンドン市場が開かれる、日本時間の16時から翌0時30分までを指します(冬時間では1時間遅くなります)。
欧州時間のことを「ロンドンタイム」とも呼びます。
日本時間の15時ごろから、ヨーロッパの早出勢と呼ばれる投機筋が動きはじめ、東京時間で形成されたレンジをブレイクさせたり、振い落しにかけたりすることがあります。
ロンドン市場で行われる為替取引は、世界の取引高の40%ほどを占めると言われていることもあって、活発な動きがでる傾向が見られますので、デイトレードをするには向いている時間帯のひとつと言えるでしょう。
21時ごろからはニューヨーク市場も動き始めるため、欧州時間と重なった時間帯のことを「FXのゴールデンタイム」と呼んだりもします。
往復ビンタ
往復ビンタとは、もっていたポジションが損切りになった直後に、改めて反対側へエントリーしたものの、そのポジションも損切りになってしまうことをいいます。
いわゆる「泣きっ面に蜂」といわれる状況のことです。
下のチャートは、往復ビンタの典型パターンを示したものです。
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往復ビンタがおきるのは、大抵は、レンジのなかでの安易なブレイク狙いのエントリーが原因と考えられます。
上のチャートは、まさにそういった状況になっていて、高値や安値を少し更新したかと思うと、また反対側へとレートが動いていく、いわゆる「ブロードニング・フォーメーション」といわれるチャートパターンになっています。
OCO(オーシーオー)注文
OCO(オーシーオー)注文とは、指値注文と逆指値注文を同時に出す注文方法のことです。
OCO注文をつかうことで、利益確定のための指値注文と、損切りのための逆指値注文を同時に出すことができます。
その後、利益確定もしくは損切りの注文が成立したら、その時点でもう片方の注文は自動的にキャンセルされます。
リスク管理の面からも、エントリーしたらOCO注文を入れておくことをおすすめします。
関連用語 IFD(イフダン)注文、IFO(アイエフオー)注文
オーバーシュート
オーバーシュートとは、レートが急激に動いて、行き過ぎた値動きを見せることです。
オーバーシュートした値動きは、その後、調整されて押し戻されるケースもよくあります。
ちなみに、下落方向への行き過ぎた値動きを、アンダーシュートとも呼びます。
何に対してオーバー(行き過ぎ)なのかというと、それは相場参加者たちが注目しているチャートポイントに対してです。
例えば、何度も抵抗にあった高値ラインがあって、そこをみんなが注目していた場合に、ブレイクをきっかけに次から次へと買い注文が入って一気に上昇していき、それを見たトレーダーたちが過熱気味に参加していって、想像もしていなかった上昇になっていく──というケースです。
下のチャートは、そうした例のひとつです。
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相場参加者たちが「行き過ぎだ」と思っているわけですから、それは自ずと調整される傾向があらわれると考えられます。
もちろん、「行き過ぎだ」と思っているにもかかわらず、さらに伸びていくからこそ、パニック的な一方向の値動きになる可能性もあります。
下のチャートは、アンダーシュートの例です。
※クリックすると拡大します。
行き過ぎた値動きが調整された場合、それはローソク足の長いヒゲとなってあらわれることがあり、上のチャートはそうした例です。
二度のオーバーシュートを経て、レートは上昇していきました。
押し目買い
押し目買いとは、上昇トレンドのレートが一時的に下降している場面で、買いエントリーすることです。
FXのレートは波を描いて動いていくので、上昇トレンド中であっても、一時的に下落する状況があらわれます。
この状況のことを「調整」と呼び、「押す」とか「押している」と表現します。この状況でタイミングよく買いポジションをもつことで、利益をあげやすくなるのです。
このように、トレンド状態で押し目買いをすることは、トレンドフォロー手法の基本となります。
押し目買いのポイント
どこで押しが終わって再上昇するかは、だれにも分かりませんが、テクニカル分析によってそのポイントを想定しておくことは可能です。
一般的に知られているものとしては、前回高値や押し安値、移動平均線、フィボナッチ・リトレースメント(38.2%や61.8%まで押したポイント)などがあります。
相場に「絶対」はありませんから、確率的に優位性のあるポイントでエントリーして、損切りを駆使しながら、トータルで利益を上げていくことが正攻法だといえるでしょう。
「押し目待ちに押し目なし」という格言
トレンドに乗ろうと、押し目買いのタイミングを待っていても、グングン上昇を続けていってしまったり、あと少しで自分のエントリーポイントだというところで反転上昇していったりして、ポジションをもてないケースもよくあります。
これを「押し目待ちに押し目なし」といいます。
あまりに押し目買いがうまくいかないと、押しを待たずに高値を追っていく、いわゆる「積極的なブレイクエントリー」をするようになるトレーダーも多く見られます。
押しを待ってエントリーするのか、それとも高値を更新していくタイミングでエントリーするのかは、各トレーダーのトレード戦略次第であり、各自の検証に裏付けられたトレード判断こそが重要になってきます。
関連用語 順張り
押し安値
押し安値とは、上昇トレンド中の最高値の1つ前の安値のことです。
反対に、下降トレンド中の最安値の1つ前の高値のことを、戻り高値といいます。
押し安値は、「これ以上はレートが下がらない」と相場参加者たちが認めたレートになりますから、今後、とても注目されるポイントになります。
ちなみに、この上昇トレンドで買いポジションをもっているトレーダーは、損切りや利食いの逆指値注文を、この押し安値のすぐ下に置くのがセオリーになっています。
また、もし押し安値まで下落してきた場合、この押し安値を背にして買いエントリーをしてくるトレーダーたちがあらわれて、押し安値付近から再度上昇する可能性もあります。
オシレーター
オシレーターとは、テクニカル指標の種類のことで、値動きを振幅するグラフであらわした、テクニカル分析ツールです。
オシレーターとは英語で「振り子」を指す単語で、オシレーターの多くは0~100%の振幅や、0を中心としたプラスマイナスの振幅によって、値動きの行き過ぎを察知して反転をとらえようとするものです。
そうした特徴から、逆張りトレードに利用されるケースが多いですが、オシレーターの異常値(100%貼り付き状態など)を逆に利用して、トレンドフォローの補助材料とする方法もあります。
オシレーターの代表的なものとしては、RSI、ストキャスティクス、サイコロジカルラインなどがあります。
関連用語 インジケーター
オファー
オファーとは、FX会社やマーケットメイカーが提示する、通貨ペアの売り値のことです。
提示された側(トレーダー)は、その価格(レート)で買うことになります。
逆に、買い値のことをBid(ビッド)といいます。FXでは、売り値と買い値の両方が同時に提示され(これをツー・ウェイ・プライスという)、この売り値と買い値の差がスプレッドと呼ばれます。
語源は、マーケットメイカーがトレーダーへ「このレートで買いませんか?」と申し出るという意味で、「オファー(offer=提供する、申し出る)」という言葉がつかわれるようになった、という説があります。
関連用語 アスク(Ask)、ビッド(Bid)