- FX用語「あ」相対取引、アベレージコスト、安全通貨、青天井…の意味
- FX用語「い」維持証拠金、行って来い、移動平均線、イフダン注文(IFD)…の意味
- FX用語「う」薄商い、埋める、売り値、売りポジション、上値抵抗線…の意味
- FX用語「え」FX取引、エマージング通貨、円売り介入、エンベロープ…の意味
- FX用語「お」追証、往復ビンタ、オーバーシュート、押し目買い…の意味
あ行のFX用語リスト
FX用語ピックアップ
「あ行」のFX用語の中から、よく使われている言葉や有名な単語を、いくつかピックアップして紹介します。
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青天井
相場が上昇している状態が続いていて、どこまでも上がっていきそうな状況のことです。
近年で言えば、アベノミクスによる円安相場が印象的な例です。
下のチャートは、2012年末に野田政権が倒れて安倍政権が始まった時期から、現在までの、ドル円の週足チャートです。
※クリックすると拡大します。
明らかな上昇トレンドとなった結果「まだ上がるのか!?」「どこまで上がる!?」と、市場参加者たちも熱くなり、「乗り遅れるな!」というムードが醸成されていきました。
永遠に続く青天井がありえない以上、いずれもみ合い、レンジ相場を経ながら天井をつけていきます。
アベノミスク相場のときも、2013年の半ばに最初のピークをつけ、一年ほど横ばいを続けましたが、その後、もう一段大きく上昇したあと、天井をつけて反転することになりました。
関連用語 バイーン
移動平均線(MA)
移動平均線とは、インジケーターのひとつで、過去のローソク足の「一定期間の価格(多くは終値)」を平均して、線でつなげたものです。
例えば、1つ目の終値が100円、2つ目が200円の場合、これら終値の平均値は150円になります。
このような平均値の計算を順番に行っていき、それら平均値をラインでつないだものが、移動平均線です。
下のチャートは、一般的な「20期間の移動平均線」を表示させたもので、各ローソク足から過去20本分の終値を平均してラインにしています。
テクニカル分析のなかでは、最も一般的なものの一つであり、トレンドの状態を判断したり、エントリーやエグジットのタイミングを図るために、よく用いられています。
米国のジョセフ・グランビルが、移動平均線と価格の位置関係に着目し、売買のポイントをまとめた「グランビルの法則」を考案したことにより、移動平均線は急速に普及しました。
移動平均線を水平に移動させてみると見えてくるもの
チャートソフトの機能によっては、移動平均線の表示を横方向へずらすことが可能なので、その場合の見え方をチェックしてみると、移動平均線の新たな使い方のアイデアが出てくるかもしれません。
一目均衡表の「先行スパン」などは、こうしたコンセプトで用いられているものと言えます。
下のチャートのオレンジのラインが、20期間の移動平均線を未来方向へ10期間ずらしたものです。
関連用語 グランビルの法則、ゴールデンクロス、デッドクロス、クロス
上値抵抗線
上値抵抗線とは、過去につけた高値を結んで引いたラインのことです。
このラインが、レートの上昇に抵抗しているように見えるため、上値抵抗線(レジスタンスライン)と呼びます。
反対に、過去の安値を結んで引いたラインは下値支持線(サポートライン)と呼ばれます。
下のチャートは、上値抵抗線が形成され、そこがブレイクされて再上昇していく様子をあらわしたものです。
青い水平ラインが上値抵抗線です。
上値抵抗線の水準にレートが上昇してくると、反対勢力による抵抗が出始め、売り注文が増えてレートが下がる傾向が見られます。
上値抵抗線を抜けて、大きくレートが上昇したときはそれだけ買いの勢力が強いということなので、さらに高いレートを目指して動いていく可能性が出てきます(矢印でのブレイク)。
上値抵抗線の付近では、一般にレートが押し戻されて反転していく傾向があるとされていますが、だからといって必ず反転するわけではないので、決め打ちでトレードすることが控えなくてはいけません。
参考記事 『サポートライン・レジスタンスライン』とは?引き方、使い方、機能する理由
エリオット波動理論
エリオット波動理論とは、米国の株式アナリストのラルフ・ネルソン・エリオット(1871~1948)が考案した、チャート分析理論のことです。
エリオット波動理論の根底にあるコンセプトは、「レートの動きは波動を描く」というもので、その波動は「5つの上昇波」と「3つの下降波」に分類され、それらが相場の流れのなかでくり返される──というものです。
しかし、エリオット波動についてよく言われることとして、例えば「どの波が第3波なのか、判断がつかない」というものがあり、実際のトレードに応用することが難しいとされています。
エリオット波動を活用するためには?
FXトレードで実際に活用していく上では、細かい理論的な理解や、整合性へこだわるのではなく、エリオット自身がいみじくも述べているように、「相場は波を描く」という点に着目することが大切です。
つまり、トレンドを形成しているなら、波は「N字」を描き、停滞してレンジを形成しているなら、「WやM」を描くということであり、それらの波はフラクタル構造をもっているということです。
こうした理解を基本とすることによって、レートの動きをシンプルにとらえることが可能になっていきます。
往復ビンタ
往復ビンタとは、もっていたポジションが損切りになった直後に、改めて反対側へエントリーしたものの、そのポジションも損切りになってしまうことをいいます。
いわゆる「泣きっ面に蜂」といわれる状況のことです。
下のチャートは、往復ビンタの典型パターンを示したものです。
※クリックすると拡大します。
往復ビンタがおきるのは、大抵は、レンジのなかでの安易なブレイク狙いのエントリーが原因と考えられます。
上のチャートは、まさにそういった状況になっていて、高値や安値を少し更新したかと思うと、また反対側へとレートが動いていく、いわゆる「ブロードニング・フォーメーション」といわれるチャートパターンになっています。
押し目買い
押し目買いとは、上昇トレンドのレートが一時的に下降している場面で、買いエントリーすることです。
FXのレートは波を描いて動いていくので、上昇トレンド中であっても、一時的に下落する状況があらわれます。
この状況のことを「調整」と呼び、「押す」とか「押している」と表現します。この状況でタイミングよく買いポジションをもつことで、利益をあげやすくなるのです。
このように、トレンド状態で押し目買いをすることは、トレンドフォロー手法の基本となります。
押し目買いのポイント
どこで押しが終わって再上昇するかは、だれにも分かりませんが、テクニカル分析によってそのポイントを想定しておくことは可能です。
一般的に知られているものとしては、前回高値や押し安値、移動平均線、フィボナッチ・リトレースメント(38.2%や61.8%まで押したポイント)などがあります。
相場に「絶対」はありませんから、確率的に優位性のあるポイントでエントリーして、損切りを駆使しながら、トータルで利益を上げていくことが正攻法だといえるでしょう。
「押し目待ちに押し目なし」という格言
トレンドに乗ろうと、押し目買いのタイミングを待っていても、グングン上昇を続けていってしまったり、あと少しで自分のエントリーポイントだというところで反転上昇していったりして、ポジションをもてないケースもよくあります。
これを「押し目待ちに押し目なし」といいます。
あまりに押し目買いがうまくいかないと、押しを待たずに高値を追っていく、いわゆる「積極的なブレイクエントリー」をするようになるトレーダーも多く見られます。
押しを待ってエントリーするのか、それとも高値を更新していくタイミングでエントリーするのかは、各トレーダーのトレード戦略次第であり、各自の検証に裏付けられたトレード判断こそが重要になってきます。
関連用語 順張り